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2006/07/09

君は変わらない

 将棋関係のある本が話題になっていたので本屋で手に取ってみた。途中で、かつての知人の名前が出てきたことから、ある日の記憶が蘇ってきた。

 大学の将棋部時代、ほんの数年間だったけれど、私にとっては今でも大事な青春の日々であった。あのとき、S条君がなぜ他大学の私を呼んでくれたのかは覚えていない。しかし、S条君が「ここはおいしいんだよ」と言って呼んでくれた水道橋の食事会で、目の前にはS条君の他、直前に関東学生名人を惜しくも逃したS田君、そして、E藤君がいたと思う。

 みんな大学は別。で、私以外は当時(約20年前)の超有名学生超強豪であった。私は大会でも64(要するに1日目を勝って終わること)に残るのが精一杯で、レギュラーにも全く手が届かない存在だったから、「オレここに来てよかったのかな」と思っていた。一応、S田君以外の、E藤君とはよく会場であったし、S条君には大会で以前「遊んで」もらったことがあったのだけれど。

 その場で、E藤君が言った、「S田はすごくいいヤツなんだ。おれはこいつが大好きなんだよ。だから、お前のところの○○が言ったせりふが許せない。○○もいいヤツでオレは好きだけど。でも、それとこれは別だ。」という言葉が忘れられない。確か、S条君は、「E藤は自分のことより、他人のことを思いやれるヤツなんだよな」と言っていた筈だ。その時のS条君のさりげない優しさや、E藤君の他人を思いやる心が印象的だった。

 その後、私は大学を卒業後、将棋とは縁遠くなってしまったが、それでも彼らの活躍は聞き及んでいた。

 E藤君は、その後も精進を続け、学生棋界の枠を超えて、トップアマの一人として名前が挙がる存在になった。S田君もアマ棋界で活躍して、その後、この時代の鬱憤を跳ね飛ばす優勝もした筈だ。また、S条君は、選手としてではなく、某新聞社の将棋番記者として、あの当時と同じ笑顔で知己をプロ棋界にも広げていったようだった。

 皆、いろんな立場で、いろんな経験をして、変わっていったのだろうと思っていた。
 でも、E藤君は、変わっていなかった。
 本の中で出てくる彼は、あのときと同じ、自分のことよりも他人の気持ちを思いやる優しい彼だった。
 とても嬉しかった。

 私も、またいつか君と会う日が来たら、またあの頃のように、「よう、元気かい」って言ってもらえるような、そんな自分でありたい。

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コメント

違う。「買って」は「勝って」である。うう。

投稿: はまちゃん | 2006/07/09 23:28

「1日目を買って」は「1日目を終わって」のミス。ココログの調子が悪いので、また別の日に直します。

投稿: はまちゃん | 2006/07/09 22:46

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