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2009/05/02

日本語の思考法 木下是雄

日本語の思考法 木下是雄
中央公論社 2009年4月25日初版発行

 中公文庫の1冊。
 かつて出た「日本人の言語環境を考える」を改題したものだとの由。

 木下氏は、「理科系の作文技術」の著者だと言えば分かる方も少なくないだろう。

 「リーダブルでない論文」の表現は、英語以前に問題があるとして、著者が指摘するのは4点。

 【1】主張があいまい
 【2】条件を書き落とす
 【3】ボトム・アップとトップ・ダウン
 【4】事実と意見の混同

 このうち、【4】は前著の読者は「あぁ、あの話ね」だろう。
 個人的に気になったのは、【2】。


 たとえば

  日本国の旅券をもっていればどこの国でも査証を発行して
  入国をみとめてくれるかというと、必ずしもそうではない。
  北朝鮮などは通常の手続きでは入国できないし、その他一般
  の国々でも事情によっては査証を拒否される場合があるので
  ある。

という外務省関係の説明文は、

  北朝鮮などは通常の手続きでは入国できないし

というところでたいていの人が引っかかって腑に落ちないという顔をする。
 ・・・・・・・・・・・
日本と正式の国交のない北朝鮮」と書いてくれればいいのだが、外務省関係者にとってはわかり切ったことなのでうっかりこの説明-条件記述-を書き落としているのである。
 同様のことは理工系の論文でもしばしば起こる。自分の研究室の中での<常識>は、となりの研究室に行けばもはや常識として通用しないのだ。
(P14~15)

 あと、【3】も(もしかして前著でも出てきていたのかもしれないが)。


 私はかつて米国人M氏と上記のようなことを議論していて、こういったことがある。

 (略)

 彼の反応はいささか意外なものだった。

ぼくらだって、自分で考えるときにはボトム・アップで考えている。しかしぼくらは、こどもの時から、人にものを説明するときにはトップ・ダウンで話しなさい、書きなさい、ときびしく仕込まれているんだ
                ・・・      ・・・・・
 Mの話に見られるとおり、ものを考えるときの順序と他人に話すときの順序とはちがえるべきだ。これは大切なポイントである。
(P18~19)

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