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2014/05/26

元・東京国税局部長だから語れる その2

元・東京国税局部長だから語れる その2

 その後、地元の本屋へ行ってみました。

 びっくり。
 なんとベストセラー1位になっているじゃありませんか。

 その上、なんと、クルーザーなんかは「利用簿つければよいと」。
 あれ、それだけ?

 これ読んだ経営者が、「これで良いって書いているじゃん」と言いそう。
 現場で良いって言うわけないじゃん。

 ちなみに、有名な裁決例は下記。


(ハ) 以上の事実に基づいて判断すると、次のとおりである。

 本件船舶は、上記(イ)のCのとおり燃料を給油した事実は認められるが、上記(ロ)のA及びBのとおり船員法上航海日誌の記録の義務はなく、請求人も本件船舶を運航した実績を記録していないことが認められ、当審判所の調査に当たっても、いつ、だれを、どのような目的で乗船させ運航したかの説明はないので、本件船舶を請求人の事業の用に供したかどうかを確認することはできない。

 そして、請求人は、従業員の福利厚生の一環としても本件船舶を使用した旨主張するが、上記(ロ)のCのとおり本件船舶を福利厚生の一環として使用した実績を記録しておらず、また、従業員の福利厚生のための資産としての本件船舶の利用規定等の定めもないことが認められる。

 このようなことからみると、本件船舶が従業員の福利厚生のための資産として、全従業員が公平に使用できる状況にあるとは認められず、また、従業員の福利厚生の一環として使用された事実も確認することはできないので、本件船舶が福利厚生の一環として使用されたとは認められない。

 なお、上記(イ)のDのとおり、本件船舶を請求人の事業の用以外の用に供した場合の使用料を請求人の収益に計上している事実も認められない。

 以上のとおり、請求人は、本件船舶を取引金融機関上層部の接待や従業員の福利厚生の一環として使用したとする主張を認めるに足りる証拠を提出せず、また、当審判所の調査その他当審判所に提出された証拠資料等をもってしてもこれを認めることはできないから、本件船舶が請求人の事業の用に供されたものと認めることはできない。

(熊本 平成7年10月12日裁決例)

 つまり、それ相応のストーリーが必要って話にしかならない。
 当然なわけですが、それを抜いて「これこれすれば良い」はほとんど詐欺だろう。

 さて、肩書きを前面に出した本で現場が混乱する責任は、誰が取るべきなのだろうか。
 ため息ついてしまう。

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