カテゴリー「法律全般」の379件の記事

2017/09/10

税情報に対する弁護士照会を受けたとき

税情報に対する弁護士照会を受けたとき

 月刊「税」(ぎょうせい)2017年9月号より。

〇巻頭言 税制鳥瞰図
 税情報に対する弁護士照会を受けたとき
 南條友之(大津市総務部総務課)

 昨年(平成28年)10月18日弁護士照会の最高裁判例が出たと。
 郵便事業株式会社への転居届に係る照会拒否への損害賠償請求事件。

 弁護士会が照会権限付与されているのは、あくまで制度の適正な運用を図るためだとして、法律上の保護される利益なしで不法行為不成立としたと。
 で、参考になるのは、平成13年4月6日閣議決定の答弁があると。
 回答が正当視される特段事由あれば、回答して良いと。

 更に、特段の事由は、平成17年3月29日総務省通知が参考になると。
 守秘義務と回答義務の保護法益を比較衡量せよと。

 事案の重要性、緊急性、代替的手段の有無、全体としての法秩序維持の必要性。
 最後のは、高度の公共性とほぼイコールだと。

 なるほど、当たり前のことではありますが。
 考える時の参考になりますね。

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2017/08/23

司法研修所民事裁判官室が説明する総合型規範的要件(ゼロからマスターする要件事実)

司法研修所民事裁判官室が説明する総合型規範的要件(ゼロからマスターする要件事実)

 月刊「税理」2017年9月号(ぎょうせい)より。

〇ゼロからマスターする要件事実
 第21回 司法研修所民事裁判官室が説明する総合型規範的要件
 岡口基一(東京高等裁判所判事)

 総合型の規範的要件について、学者は説明を諦めた。
 しかし、実務は実務で流れている。

 司法研修所民事裁判官室は、どう対応しているのか。
 一応の整理はして、実務と同じ結論を採用しているのだと。

 その整理は、総合型の規範的要件の特殊性を捨象して。
 構成要件に係る具体的事実で、事実要件の場合と同様だと。

 著者によると、粗い整理なのでしょうけど。
 で、その粗さについて、著者は2点の批判を行います。

 1つは、総合型の規範的要件の特殊性が考慮されていないと。
 多様型と異なり、総合型を同様に扱うのはおかしいだろうと。

 事実要件は、あてはめだけが問題になるのに。
 それと同じように考えて良いのか、疑問だと。

 「係る」と「該当する」の違いを意図的に無視していると。
 私には、ふーん、そうなのか程度の感想ですが。

 もう1つは、総合型の規範的要件の評価根拠事実は。
 主要事実であると、司法研修所民事裁判官室が説明していると。

 しかし、主要事実なら弁論主義の制限が及ぶ筈。
 主張されない事実が考慮できないのは、現実的ではない。

 なので、主要事実でないとする方が合理的なのだが。
 そのような整理がされていない。

 司法研修所民事裁判官室は、主要事実と要件事実を同義としている。
 だから、総合型でも、事実要件同様に、主要事実だと説明するのだと。

 うーん、抽象的な話が続いて、議論の実益が見えない。
 次々回以降に、上記の問題点を詳しく説明するそうですが。

 先に、連載の全体像の章立てを示しておいてくれると。
 読者も、現在の立ち位置がわかりやすいのですが。

 それにしても、このあたり、何か税理士実務で役立つのか。
 企画したであろう竹淵さんがいない今、答えは分からないですね。


税理 2017年 09 月号(amazon)

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2017/08/16

アマゾン 電子書籍配信で不利にならない契約条件を撤廃(NHK)

アマゾン 電子書籍配信で不利にならない契約条件を撤廃(NHK)

 これって、例の佐藤秀峰氏の事件絡みかと。
 誰でも思いますよね。


アマゾン 電子書籍配信で不利にならない契約条件を撤廃
NHK 8月15日 17時59分

 で、狙い通りなんだそうです。


佐藤秀峰? @shuho_sato 8時間8時間前

狙い通り。

http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h29/aug/170815.html …

 なるほど。
 同等性条項がアウトだろうと。


アマゾン・サービシズ・インターナショナル・インクからの電子書籍関連契約に関する報告について
平成29年8月15日
公正取引委員会

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2017/07/30

別居中かかった養育費を請求できるか

別居中かかった養育費を請求できるか

 最近調べて、へーと思ったので、メモ。


ケース61 別居中かかった養育費を請求できるか

 (略)

 本来、扶養の問題は、現在ないしは未来の事柄で、すでにもう生活してきてしまった過去の扶養料を請求することは許されないはずのものです。

 しかし、そうした理屈通りのことを貫けば、あなたの夫のように生活費用の分担ないしは妻子に対する扶助(生活保持義務)を怠っている者は、そうした態度をきめこんでずるずると引き延ばしている分だけ義務を免れて不当な得をする一方、あなたのご両親のように、身の回りの者が事実上責任を持たなければならないようになって、はなはだしく不公平・不正義なことを認める結果になってしまいます。

 しかしそうだからといって、無条件に、扶養義務者が知らない間に溜まっていった過去の扶養料を、一時に負担しなければならないというような結果になっては扶養義務者に酷でもありましょう。

そこで、だいたいの判例や学者は、その調和を義務の履行を請求した時点を標準とすることによって解決しようとしています。つまり、あなたは扶養義務者なのだからその義務を履行しなさいと請求した時点以後のものは、それから半年後、一年後であっても請求できるとするのです。

 (略)

「夫婦・親子(改訂第2版)」菊本治男
法学書院 1988年12月10日第1刷発行
P200~201

 で、これは、恐らく、大審院明治34年10月3日判決が元なのですね。


 換言すれは原院の判示は別段の事情例之は遅滞に付せられたるに因り支払ふへき如き養料に非らされは過去に関するものヽ請求を許さすと云ふに在りて絶対に過去の養料請求権を否定したるものにあらさるなり

 蓋此解釈たる頗る扶養の意義に適当するものと云ふ可し

 何となれは扶養の程度は其権利者か之を要する当時の生活の状態と其義務者の身分資力とを斟酌して定むへきものなるに因り若曽て請求を受けさりし過去の養料と雖も又支払ふへきものとせは啻に其程度を定むるに於て困難を見るのみならす其請求なくして時日を経過したる事実は扶養権利を認めたる本旨に反するを以てなり

 原文はカタカナで、文の間が繋がっていて。
 読みにくいこと、この上なしですが。

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2017/07/29

融通無碍な実務と、それと対照的な学者の深い悩み(ゼロからマスターする要件事実)その3 総合型の規範的要件を学者がアドホック処理している理由

融通無碍な実務と、それと対照的な学者の深い悩み(ゼロからマスターする要件事実)その3 総合型の規範的要件を学者がアドホック処理している理由

 月刊「税理」2017年8月号(ぎょうせい)より。

〇ゼロからマスターする要件事実
 第20回 融通無碍な実務と、それと対照的な学者の深い悩み
 岡口基一(東京高等裁判所判事)

 続きます。

 先の借地借家法28条の「正当な事由」を前提にしての説明です。

 総合型の規範的要件を、学者が特殊な要件とするのは何故か。
 大きく、2つの問題点がクリアできないから。

[1]「当事者が主張していない事実をも総合考慮の対象とすることができるかという弁論主義との関係での問題」

[2]「被告が、自己に有利な事実を主張立証した場合、それは、抗弁になるのか、請求原因の否認になるのか、それとも、それ以外のものになるのかという、被告に有利な事実のブロックダイアグラム上の位置づけ」

 しかし、ともに、実務では悩む必要がないのだと。

 実務では、[1]は総合考慮の対象とする。
 使い勝手の良さが理屈に優先するので、否応なし。

 また、[2]も、実務は、要件事実の「親ルール」に従うと。

 なら、「正当な事由」を主張すべき、原告に有利な事実は請求原因で。
 被告が立証すべき、被告に有利な事実は抗弁になるのだと。

 やはり、悩むまでもないわけですね。

 更に、多様型が、統合型と扱いを区別されているかというと。
 実務では、区別されずに扱っているのだと。

 どちらでも、原告が評価根拠事実を立証して。
 被告が評価障害事実を立証することにしている。

 ただ、多様型なら評価障害事実がないことになるが。
 その場合、被告の主張立証がなかっただけとして処理する。

 ま、確かにわかりやすいですね。
 実務処理は簡明が一番ですから、わざわざ無用の複雑化する動機がない。

 ということで、このような類型の峻別は進んでいない。

 このような実務と理屈上の悩みについて、どう考えるべきか。
 次号では、司法研修所民事裁判教官室の考えを詳説するそうです。

 んー、要件事実論というホームベースと実務処理の距離について。
 整理を付けておかないと困るというのは、分かります。

 ただ、そのことがどういう含意を持ってくるのか。
 そのあたりがまだ見えませんので、次回に期待したいですね。

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2017/07/28

融通無碍な実務と、それと対照的な学者の深い悩み(ゼロからマスターする要件事実)その2 総合型の典型例としての借地借家法28条の「正当な事由」

融通無碍な実務と、それと対照的な学者の深い悩み(ゼロからマスターする要件事実)その2 総合型の典型例としての借地借家法28条の「正当な事由」

 月刊「税理」2017年8月号(ぎょうせい)より。

〇ゼロからマスターする要件事実
 第20回 融通無碍な実務と、それと対照的な学者の深い悩み
 岡口基一(東京高等裁判所判事)

 続きます。

 借地借家法28条の「正当な事由」について。
 稿にはないですが、条文を見てみますと。


・借地借家法 第28条(建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件)

 建物の賃貸人による第26条第1項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(#1)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。

#1:転借人を含む。以下この条において同じ。

 なるほど、考慮要素が山ほどあるのですね。

《1》建物の賃貸人及び賃借人(#1)が建物の使用を必要とする事情
《2》建物の賃貸借に関する従前の経過
《3》建物の利用状況及び建物の現況
《4》建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出

 これら4つ(かな)を考慮して、正当の事由があると認めるかどうかだと。

 この際に、裁判所は、証拠調べで、主張の真偽を明らかにしつつ。
 当事者主張外の証拠により明白になった事実も考慮要素に入れるのだと。

 だから、総合型だというのですね。
 条文だと《1》が重要みたいですが、それだけでもなく総合判断ですので。

 続きます。

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2017/07/27

融通無碍な実務と、それと対照的な学者の深い悩み(ゼロからマスターする要件事実)その1 規範的要件の2類型とその区別の必要性

融通無碍な実務と、それと対照的な学者の深い悩み(ゼロからマスターする要件事実)その1 規範的要件の2類型とその区別の必要性

 月刊「税理」2017年8月号(ぎょうせい)より。

〇ゼロからマスターする要件事実
 第20回 融通無碍な実務と、それと対照的な学者の深い悩み
 岡口基一(東京高等裁判所判事)

Photo_2


 規範的要件は、2つの類型があると。

 [1]は、要件事実論に従った処理が可能。
 しかし、[2]は、要件事実論では処理できない。

 というか、[2]には、主張立証責任や弁論主義すらも。
 そのままの適用はできない。

 それが理屈での整理になるはずですが。
 ところが、その理由はアドホックで終わってしまう。

 本来、理屈では、このような類型整理が必要だが。
 実務では、区別せず処理できてしまう。

 結果、区別されず、これまで議論の対象にもならなかった。
 学者は何やってたの、とまでは書いてありませんが、批判ありあり。

 で、本稿では、借地借家法28条の「正当な事由」が扱われる。
 総合型の規範的要件の典型なのだそうです。

 続きます。

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2017/07/12

開示不正 その実態と防止策

開示不正 その実態と防止策


開示不正 その実態と防止策
八田進二編著
白桃書房
2017年6月26日初版発行

 八田教授はアカウンタビリティの解除という概念を持ち出す。
 確かに、財務会計の基礎であり、監査の基本であるが。

 しかし、これって、要は信託ということではないのか。
 つまり、委託者が受託者を信じて託すところが、本来のスタート。

 ところが、日本の場合、そもそも信じて託す委託者がいない。
 あるいは、株主がそうだとの認識が非常に薄い。

 監査契約締結時に、会社と監査法人とで契約締結しますが。
 委託者兼受益者である株主が、まともに出てこない。

 定型的な契約で、会社は値切ることしか考えていない。
 少なくとも、株主の方向を会社が向いていない。

 会社が、信じるに足る受託者でないという前提がある。
 この信託契約が、うまくいく訳がないのだと思います。

 まずは、信託の基礎である信任関係をお互いに意識させること。
 そこから始めない限り、全ては無駄でしょう。

 金融庁は、会社と監査法人との関係ばかりをいじって。
 株主と会社との関係に踏み込む気は、恐らくないのですから。

 いや、これに関しては、経産省に期待すべきかもしれません。

 で、私自身は、八田教授の書いていることは、全く響きませんでした。
 すみません。

 実例として、開示不正の結果は、こんな酷いことになるよ。
 そのような結果のひどさの紹介が、ある意味教訓なのかもしれません。

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2017/07/11

民法(相続法)改正をめぐる議論の動向と実務への影響[税法公開講座in大阪(立命館大学)]

民法(相続法)改正をめぐる議論の動向と実務への影響[税法公開講座in大阪(立命館大学)]

税法公開講座in大阪(立命館大学)

 パンフレットが送られてきましたので、紹介しておきます。

 そうですか、東京駅サピオタワーだけでなく。
 大阪梅田でもやるのですね。

 東京の税法連続講座に講師として参加したのが平成21年度。
 もうあれから、8年が経つのか。

 なんか、実務家が講師に立たなくなったので、接点なくなりましたけど。
 当時、あの講座に参加できたのは、私の財産です。

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2017/07/07

下着姿の自撮りを投稿 裁判官のツイッター凍結される

下着姿の自撮りを投稿 裁判官のツイッター凍結される

 今まで凍結されなかったので、許容されているのかと思いきや。
 そうではなかったのですね。


2017.7.6 02:00更新
下着姿の自撮りを投稿 裁判官のツイッター凍結される

 短文投稿サイト「ツイッター」の自身のアカウントに、下着姿の「自撮り写真」などを多数投稿していた東京高裁の岡口基一(きいち)裁判官(51)のツイッターアカウントが凍結されたことが5日、分かった。

 (略)

http://www.sankei.com/affairs/news/170706/afr1707060002-n1.html

 仮に、抑圧された自我の解放手段として、使っていたのだとすれば。
 今度は、どこにその圧力がはき出されるのか。

 良い方向に向かうことを願っていますが。
 いや、月刊「税理」の連載が掲載中止になるのを恐れての日和見発言です。

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