カテゴリー「法律全般」の394件の記事

2017/11/14

中小企業診断士試験用教材の無断参照による原稿作成事件

中小企業診断士試験用教材の無断参照による原稿作成事件


東京地裁平成18年11月15日 複製権・著作者人格権侵害損害賠償請求事件

 LECと教材提供した会社及びその代表者が訴えられた事件。
 中小企業診断士試験用教材を原告が作成して研究所こと会社に納品。

 ただ、この時点では、著作権の譲渡条項などは定めてなかった模様。
 ところが、この会社の代表者が、これを無断で参照した。

 というか、半分程度に要約して、順番入れ替えしたものの。
 それをそのまま、教材としてLECに納品した。

 これ、原著作者には無断だったのですが。
 多忙だったから失念していたと、後で弁明している様子。

 この研究所と代表者が故意だとして責任免れないのは当然ですが。
 では、LECはどうなのかと。

 LECは、業務委託契約書で著作権はLECにと書いた上で。
 第三者の権利侵害がないようにしろと書いておいた。

 なので、LECは故意も過失もないんだと主張した。
 ところが、LECも過失責任はあるとされた。

「被告東京LMは,資格取得講座を開講し,受講生用の教材等を発行することを業として行っている会社であり,教材等の作成及び発行に当たり,第三者の著作権等を侵害することがないよう十分確認すべき義務を負っていると認められるところ,その注意義務を尽くしたことを認めるに足りる証拠はない。」

 あなたって、それ専門の会社なんだから、相応の注意確認義務あるよねと。
 やってないんだから、過失責任免れないでしょと。

 なるほど。

 で、責任は認定されたけれど、求償可能な損害額は、トータル17万円。

「本件テキストは,350部印刷されたが,受講生等に配布された数は70冊余であり,残りは,比較的早期に廃棄されている。そして,本件テキストの内容は,中小企業診断士の試験用講座の教材であるという性格上,他の参考文献に記載された文章や図表を引用し又は要約した部分が多いものである。」

 要するに、自分のオリジナリティ溢れるって主張は無理あるよねと。
 いや、そうは書いてありませんが、そういう意味ですよね。

 ということで、これって、意地の訴訟ですね。
 ただ、迂闊に無断でパクるとダメよという教訓にはなる。

 また、パクられたものが納品された先であっても。
 一定の注意義務を果たさないと、過失責任は問われうる。

 そのように認識しておくべき、ということですね。

 で、ふと思いましたが。
 ということは。

 参照文献表示もなく自分の原稿をパクって各種研修教材に使っている方には。
 十分太らせてから、訴訟を起こした方がいいのか。

 この事例は、やせ細った大地での訴訟だから。
 全く侵害利益額が寂しい限りでしたけど。

 個人的には、いい裁判例に出会えたかもしれない。
 ま、多分、侵害当事者は、全く意識ないのでしょうけど。

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2017/11/02

総務・法務担当者のための会社法入門(金子登志雄先生新著)

総務・法務担当者のための会社法入門(金子登志雄先生新著)

 出ましたね。


総務・法務担当者のための会社法入門
金子登志雄
中央経済社 2017年11月10日初版第1刷発行

 「組織再編等会社法務専門司法書士」である金子先生の新著。
 業界では、知らなければモグリだと言われますね。

 会社法や組織再編絡みで、金子先生の本を読んでいて助かった。
 あるいは、読んでいればと後で悔やんだ。

 なんて話を聞いたことは、少なくありません。

 で、金子先生の「入門」って、どういう本なんだろうですが。
 タイトルに「総務・法務担当者のための」があるのがミソ。

 つまり、学者の本みたいに「会社とは」から入らない。
 ズバリ、「第1章 株主総会の基礎知識」から。

 もちろん、第3章で「会社・株式会社とは何か」が出てきますが。
 実務家目線から言えば、株主総会を理解しないと始まらない。

 会計を理解するためにも、法人税法を理解するためにも。
 この1冊が、必ずや実りあるものになると確信しています。

総務・法務担当者のための会社法入門(中央経済社サイト)

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2017/10/26

所有者不明土地に利用権 5年程度、公益事業へ活用 国交省が新制度骨格(産経新聞)

所有者不明土地に利用権 5年程度、公益事業へ活用 国交省が新制度骨格(産経新聞)

 「来年の通常国会に新法案を提出する方針」ですか。
 いろいろと、法制度の手当が、出てきますね。


所有者不明土地に利用権 5年程度、公益事業へ活用 国交省が新制度骨格
産経新聞 2017.10.25 23:16更新

 国土交通省は25日、所有者が不明のまま長期にわたり空き地となっている土地に関し、5年程度の利用権を設定し、農産物の直売所など公益性のある事業目的に使えるようにする新制度を導入する方針を明らかにした。

 (略)

http://www.sankei.com/politics/news/171025/plt1710250072-n1.html

 取りあえずメモしておきます。

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2017/10/25

司法研修所民事裁判教官室見解は一般条項も支離滅裂(ゼロからマスターする要件事実)

司法研修所民事裁判教官室見解は一般条項も支離滅裂(ゼロからマスターする要件事実)

 月刊「税理」2017年11月号(ぎょうせい)より。

〇ゼロからマスターする要件事実
 第23回 一般条項
 岡口基一(東京高等裁判所判事)

 司法研修所民事裁判官室の見解を批判する第二弾という内容。
 ということで、ブログでの見出しは変えています。

 さて、公序良俗違反、権利の濫用、過失相殺という3つを。
 一般条項の御三家と呼ぶそうです。

 何故、これがいきなり登場するかと言えば。
 前回扱った、総合型規範的要件の話と、まるっきり、議論の状況が同じだから。

 つまり、学者と実務の立場に対して、司法研修所民事裁判教官室だけが異質。
 しかも、理論の体系的整合性に拘ったので、支離滅裂になっていると。

 一般条項は、裁判官が、職権で、当事者の主張立証に関係なく扱える。
 覚醒剤売買は、当事者が公序良俗違反の主張をしてなくても、職権で無効として、棄却できる。

 まぁ、当然ですが、主張していないから、認められる筋合いじゃないわけです。
 だから、学者は、事実要件とは別だから、弁論主義の適用もないし、主張立証責任の問題もないと。

 ところが、民事裁判教官室では、一般的条項の評価根拠事実も具体的事実だと。
 だから、要件事実=主要事実になると、総合型規範的要件同様に考える。

 そして、主要事実は弁論主義が適用され、当事者が主張していない事実については。
 一般条項の評価根拠事実にはできないと、考えるのだと。

 で、まぁ当然の如く、「あれは実務とは別」と裁判官からも言われてしまって。
 学者からも、実務からも、異端扱いされているのだと。

 なんか、すごく意外です。

 税理士頭だと、民事裁判教官室って、税務大学校の教官達と同視できます。
 彼らが、実務で全く使えない理論を開陳するとは、とても思えない。

 というか、そうなったら、もう終わりですが。
 民事裁判官室というのは、意に介さないのですかね。

 で、次回と次々回では、要件事実論が生まれた頃の裁判実務を俯瞰するそうです。
 「難しい話をちょっと離れて」とあるので、著者もいい加減辟易していたのかな。

 昔を回顧するのは、どうしてこんなことになったのかとの疑問に対して。
 答えてくれるのかもしれませんから、期待しておきましょうか。

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2017/10/24

刑法学者はテロ行為への有効は枠組みを出せないままなのか

刑法学者はテロ行為への有効は枠組みを出せないままなのか

 正直、刑法は学ぼうとしてテキスト見て挫折しました。
 もう、全然さっぱりで。

 だから、私の理解が不十分だろうと。
 それを認識しつつ、敢えての疑問提示ですが。

 最近、初心者向けと思しきテキスト読んでみたのですが。
 なんか、最初の方で違和感を感じました。


結局、刑法は、その出発点で常識的なものであるが、同時にその出発点が人の感情の問題であるだけに、その根源において非常に不安定なものを持っており、ある場面、ある時期あるいはある者の感情によって動かされるようなことがあったときは、制裁が最も厳しいものであるため、たいへん危険な存在となるし、また、政治的な濫用が起こりやすいことは過去の歴史が示している。

 そこで、ある特定の場面から見れば、「悪い者」を見逃すこととなるような非常識と思われる結論になることがあっても、長い目で、かつ、広い範囲で見れば、大きな弊害が起こらないこととすることが必要であると考えるのが、歴史の教訓に基づく人間の理性的な判断として、刑法の常識となっているのである。


「刑法という法律〔改訂版〕」古田佑紀
独立行政法人国立印刷局 平成17年4月1日改訂版発行

P8-9

 市民生活の話が前提なら分かる。
 しかし、現代社会という視点からだと、疑問が湧く。

「あれ、これってテロ行為にはどういう考え方をするのだろう」

 つまり、今の刑法学者の語る刑法理論って。
 テロ行為が世界に蔓延する以前のものなのではないかと感じた次第。

 で、その後も、いろいろネットで検索してみたが。
 真正面から語るものは見つからなかったわけで。

 ただ、下記を読んで、なんか納得してしまったのです。


4. 日本は組織犯罪も含めた犯罪情勢を改善してきており、治安の悪い国のまねをする必要はありません。

  公式統計によれば、組織犯罪を含む日本の過去15年間の犯罪情勢は大きく改善されています。日本は依然として世界で最も治安の良い国の1つであり、膨大な数の共謀罪を創設しなければならないような状況にはありません。今後犯罪情勢が変化するかもしれませんが、具体的な事実をふまえなければ、どのような対応が有効かつ適切なのかも吟味できないはずです。具体的な必要性もないのに、条約締結を口実として非常に多くの犯罪類型を一気に増やすべきではありません。

  そればかりでなく、広範囲にわたる「共謀罪」の新設は、内心や思想ではなく行為を処罰するとする行為主義、現実的結果を発生させた既遂の処罰が原則であって既遂に至らない未遂・予備の処罰は例外であること、処罰が真に必要な場合に市民の自由を過度に脅かさない範囲でのみ処罰が許されることなどの、日本の刑事司法と刑法理論の伝統を破壊してしまうものです。

共謀罪法案の提出に反対する刑事法研究者の声明(2017年2月1日)
http://www.kt.rim.or.jp/~k-taka/kyobozai.html

 たぶん、これが本音なんですね。

 あぁ、この人達は、今そこにある危機に向き合えない人たちなのだ。
 従来から自分たちが信奉してきた理論が、瓦解するかもしれないから。

 日本のことだから、日本だけ考えればよい。
 上記は、暗黙裏にそのような前提が置かれています。

 だから、国民の平和と安寧が守られないとしても。
 「日本の刑事司法と刑法理論の伝統を破壊してしまう」ことを恐れる。

 ここに名前を連ねた学者の方々って、そういう人たちですよね。
 もしそうでないのなら、テロへの刑法の向き合い方をまずは示すべき。

 私の拙い理解では、たぶん、できないのですね。
 それは現在の学問としての刑法の基本を大きく揺らがせるから。

 最近、理屈倒れの学者が増えたなと実感します。
 皆さん、マスコミ出演が象牙の塔の住人でない証明と勘違いしていませんか。

 いや、まじめな話、現実に向き合う刑法理論って。
 誰か提示していないのでしょうか。

 で、共謀罪に賛成の立場という多分希少な刑法学者がおられました。
 著書も多い、井田教授です。

 下記を読む限り、なるほどです。
 一般市民のための刑法で組織犯罪を扱うことが、そもそも間違いなのだと。


■井田良・中央大院教授

 異例の採決は残念だが、一面的な議論や現実離れの抽象論ばかりで、出口が見えない中でやむをえない面もあった。

 犯罪発生前の早い段階で処罰する「処罰の早期化」は全世界で進んでいる。

 組織犯罪には一般市民の刑法とは違う原理が当てはまることは、もはや否定できない。特殊な原理が、一般社会を侵食しないよう囲い込むことが重要だ。その点、「共謀罪」は囲い込む工夫がされている。

 (略)

 「共謀罪」でなく、現行の予備罪で十分という意見もあるが、無責任。国際組織犯罪防止条約が、共謀罪か、犯罪集団に加わることを罰する「参加罪」を求めている意味を軽視すべきでない。予備罪は法定刑が比較的軽い点も、組織犯罪防止の観点からは不十分だ。

 反対派の言う「刑法の一大転換」という表現は認識不足だ。国内でも、90年代ごろからサイバー犯罪や経済犯罪を中心に処罰の早期化は広く見られる。

 諸外国は、処罰の早期化をもっと進めている。日本の法律の「先生」であるドイツは、参加罪の処罰対象が幅広いが、監視社会だと聞いたことはない。この程度の早期化でうろたえている日本は、法治国家と言えるのだろうか。(聞き手 後藤遼太)


「共謀罪」有効性は、乱用は 刑法学者に聞く
聞き手 後藤遼太
2017年6月16日03時12分
http://www.asahi.com/articles/ASK6H6HP4K6HUTIL05P.html

 井田教授の最近書かれたものを探して読んでみたいと思います。
 私の求める答えが、あるのかもしれない。

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2017/10/19

裁判官はこう考える 弁護士はこう実践する 民事裁判手続

裁判官はこう考える 弁護士はこう実践する 民事裁判手続

 帯についている中村真弁護士のマンガを見て、衝動買い(おいおい)。


裁判官はこう考える 弁護士はこう実践する 民事裁判手続
柴﨑哲夫・牧田謙太郎
学陽書房 2017年9月25日初版発行

 民事訴訟の基本が分かっていなかったので。
 今回、処分権主義の内容は初めて知りました。

 当事者主義からの派生だというのは、弁論主義と同じだそうですが。

「処分権主義は、当事者が訴訟の開始・訴訟物の特定・訴訟の終了・紛争の実体的解決についての処分権能を有し、これらについて自由に決定できることを指すが、その帰結として、請求の趣旨及び訴訟物をどのようなものとするかについては、原告がすべて決めることになる。(P4)」

 なるほど、だから、裁判例を読むと、最初に出てくるわけだ。
 戦う土俵の範囲を決めてしまうのだから。

 裁判官が、過去の失敗例を率直に語っているのは、結構驚き。
 いや、普通、現役だったら自分のミスは語れないのかと思うのですが。

 これって、裁判官がそういうものなのか。
 この方が特別なのか、分かりませんが。

 ただ、新米だと、裁判官はどういうミスをしがちなのか分かる。

 審理のために必要なのは、主要事実なのだとの思い込みが。
 間接事実の範囲を極めて狭くとってしまった失敗。

 前任の裁判官が釈明を求めて答えていた話を完全に無視した格好で。
 控訴人はかなり怒っていたと(P8)。

 認定すべき事実を、瞬間的な点で捉えてしまう失敗であり。
 時間的幅をもって、線として捉えるべきが、若い裁判官は少なからずミスすると。

 また、別の例では、請負工事の代金請求の事案について。
 原告が、被告による契約締結意思表示をどうしたかの明確化がされず。

 契約書が作成されていないことも踏まえて、その先の事実認定に踏み込まず。
 請求原因事実の主張自体が失当だと、原告を敗訴させてしまったと(P10)。

 ビックリです。

 原告が的確に請求原因事実を主張しない、あるいはできない場合。
 裁判所はそれ以上審理に立ち入らず、原告を敗訴させるのもやむを得ない。

 そのように思い込んでいた部分もあったと。
 しかし、これは、弁論主義と要件事実理論に拘泥過ぎるためのミスだろうと。

 第三者が紛争解決するには、当事者間の紛争内容・過程の把握が必要であり。
 事実認定の重要性に鑑みて、弁論主義・処分権主義の修正が必要なのだと。

 まだ読み始めたばかりですが。
 興味深く読んでいます。

 しかし、中村真弁護士のマンガを帯だけにするのはあざとい。
 いや、あったから買うんですけどね。

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2017/10/11

<日本年金機構>遺族年金、18億円過払い 検査院指摘へ(毎日新聞)

<日本年金機構>遺族年金、18億円過払い 検査院指摘へ(毎日新聞)

 なるほど、再婚すれば止める必要があるのだ。
 消滅時効で逃げ切れた人と、返還を迫られる人とで、天国地獄ですな。


<日本年金機構>遺族年金、18億円過払い 検査院指摘へ
毎日新聞 2017/10/11(水) 8:30配信

 ◇1万人抽出調査 資格喪失1000人に

 厚生年金などに加入していた夫を亡くした妻らを対象に日本年金機構が支給する遺族年金について、会計検査院がサンプル調査したところ、再婚などで受給資格を失った1000人弱に支払いを続けていたことが関係者への取材で分かった。今春までの過払い額は計約18億円に上るが、うち約8億円は5年の消滅時効を迎えており、返還請求手続きを取ることができない状態にある。

 (略)

 夫を亡くした妻が事実婚を含めて再婚したり、子供が18歳を超えたりするなど遺族年金の受給資格を失った場合、受給者側は年金の種類に応じて喪失日の翌日から10日または14日以内に「失権届」を最寄りの年金事務所に提出し、受給を停止させる必要がある。

 (略)

 年金事務所の点検作業は、失権届の記載内容に不備がないかを外形的に確かめるにとどまり、記載内容を戸籍などと照合する仕組みになっていなかったことが主な原因という。検査院は近く、厚生労働省に対し(1)過払いの防止策をとる(2)年金機構に回収可能な過払い分の返還手続きを進めるよう指導する--などを求める方針。【松浦吉剛、島田信幸】

 (略)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171011-00000009-mai-soci

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2017/10/10

マンガでわかる!高齢者詐欺対策マニュアル

マンガでわかる!高齢者詐欺対策マニュアル


マンガでわかる!高齢者詐欺対策マニュアル
西田公昭著 山本あり漫画
ディスカバー・トゥエンティワン2016年12月15日第1刷発行

 類書はありそうですが、お勧めです。
 心理学からのなるほどという記述が幾つか。

3 「お返ししなくちゃ」という思いがアダになる!

 返報性の原理というそうですが。
 悪徳商法では、これを使っているそうです。

 断っていても、勝手においていかれて。
 続くと、「悪いから」と思ってしまうのだと。

4 パニックに追い込み、判断力を低下させる!

 急がされて焦っている時は、きちんと判断するのでなく。
 パッと思い浮かびやすい新しい記憶を取り出して使おうとする。

 この人間の特性をヒューリスティックというそうです。
 溺れる者は藁をもつかむが典型例だと。

 悪徳商法も、これを使っているのだと。

11 だましのテクニックには一定のパターンがある

 だましには主な4つのテクニックがあると。

 [1]家族と連絡がつかないようにする
 [2]注意をそらせて疑念をいだかなくする
 [3]わざと迷惑をかける
 [4]突然、豹変する

 これらの合わせ技でだましてくるのだと。

 で、対策は、普段から相手の話をよく聞いて。
 おかしさに気づく練習をしておくことだと。

 つまり、「あれ?」という違和感を持てるかどうか。
 そのためには、普段が大事だということなのだと。

13 「おかしい」と思ったら話を打ち切る勇気を持つ

 「結構です」「いいです」は肯定の意味にもなるので使わない。
 「要りません」「必要ないです」とはっきり断る。

 そしてなにより、怪しいと思ったときに。
 「相手に失礼では}」という考えは捨てなさいと。

 相手の電話の途中でも、電話を切ってよいと。
 これが、恐らく多くの高齢者にはできないのだと思います。

 そのため、著者は、日頃から繰り返し練習しなさいと。

 つまり、詐欺撃退の特効薬はないということですね。
 普段の生き方そのものを見直すこと、それが対策なのだと。

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2017/10/09

一人暮らしで生きていくための任意後見入門

一人暮らしで生きていくための任意後見入門


一人暮らしで生きていくための任意後見入門
大野益道(NPO法人市民後見人センターとちぎ代表)
弓立社 2017年10月5日第1刷発行

 どういう場合に、市民後見人という「見守りびと」が必要か。
 そして、任意後見では何をして貰うことになるのか。

 ケース別に、サンプルとしての事例が紹介されています。

 最初に、末期がん患者で一人暮らしのAさん。
 次に、夫をなくして独りになったBさん。

 年金で施設に暮らす高齢男性Cさん。
 自宅で介護を受けて生活したいFさん、など。

 例えば、Aさんの場合、自宅はあるけれども。
 預貯金がなく、身元保証人のあてがない。

 そのため、入院費の支出ができず、保証人もおらず。
 入院中死亡の場合の引き取り手もいないので、病院が受入れしないと。

 なるほど、こういう場合に後見人NPOが継続的見守り契約を結ぶと。
 同時に財産管理委任契約を結んで、将来の自宅売却を目指すと。

 このような流れで、費用をNPOが立て替えて払うのですね。
 この際に月額2万円の見守り費用を徴収する契約としていると。

 最終的には、死後事務委任契約により、通夜葬儀等も行って。
 納骨して、住民票抹消などの行政機関事務処理も行ったのだと。

 ここまでやってくれるのなら、月額2万円って安いですね。
 しかし、この手のNPOが悪事を働いて報道された例も記憶に新しく。

 あくまでも、理想型としては、このような流れだということと。
 必要な人は、自分の将来のため何か考えるべきということを把握する。

 そのあたりが、本書の最大の意義なのでしょうね。

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2017/10/06

民法の基礎から学ぶ民法改正

民法の基礎から学ぶ民法改正


民法の基礎から学ぶ民法改正
山本敬三
岩波書店 2017年9月26日第1刷発行

 あと書きまで入れても、170ページほどの本です。
 それで、民法の基礎・歴史から、改正事項を説明するので。

 当然ながら、網羅的に説明するような本ではありませんが。
 改正民法の特徴を大きく2つに分けて説明しています。

 [1]民法の透明化
 [2]民法の現代化(社会・経済の変化への対応)

 このうち[1]は更に、

 [1-1]規定の明確化
 [1-2]基本原則の明文化
 [1-3]確立したルールの明文化と合理化

 に分かれます。

 [1-1]は、理解しづらい用語あるいは条文の書き方について。
 明確化したものだ、との説明。

 債権の準占有者というのを、受領権者としての外観を有する者に。
 というのが典型例だと。

 瑕疵を契約不適合に変更したのも、同じ趣旨があるが。
 単に表現を変えただけでなく、考え方も変更していると。

 また、無権代理人の責任規定や組合の業務の決定・執行規定も。
 分かりづらいので、明確化を図ったと。

 [1-2]は、契約自由の明定ですね。
 今までは、教科書にしか出てこないという不思議を解消した。

 [1-3]は、意思無能力無効の明文化など。
 判例法理などを条文化したものだと。

 ビックリしたのは、改正法621条の賃借人の原状回復義務。
 なんと、今まで条文なかったのですね。

 そして、[2]は、契約の成立時期・法定利率・消滅時効などの改正。
 定型約款の導入や事業に関する債務の個人保証規制など。

 個人的にへーと思ったのは、請負契約の解除。
 旧635条請負人の担保責任規定は削除で、解除の一般原則準拠に。

 昔は、建物その他の土地の工作物は、取り壊しは社会の損失だから。
 解除をさせないことにして、産業を保護するとの考え方があったと。

 社会・経済の変化に対応して、もう請負人に負担させて良いだろうと。
 確かに、そういう時代ですね。

 あと、民法改正の今後ということで、簡単に寸評があります。
 これもとても参考になります。

 この1冊で全て足りるという本では、決してありませんが。
 個人的には、この本に出会えて良かったと思えます。

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