カテゴリー「法律全般」の332件の記事

2017/03/24

実務の要件事実(ゼロからマスターする要件事実)

実務の要件事実(ゼロからマスターする要件事実)

 月刊「税理」2017年4月号(ぎょうせい)より。

〇ゼロからマスターする要件事実
 第16回 実務の要件事実
 岡口基一(東京高等裁判所判事)

 理論的と実務という話ですが。
 1つは、これまで出てきた用語法についてです。

 抽象的な法律要件を要件事実と呼ぶのが、学説では多数になっているものの。
 実務では、具体的事実を指すとの司法研修所民事裁判官室の見解通りだと。

 次に、理論的整理が、実務では採用されていない場合があると。
 無権代理につき、被告が代理権があるとの立証責任を負う場合を例に出して。

 理屈で言えば、立証責任を負う当事者が、立証に先立って内容を明確化する。
 それが、要件事実の理論的な整理の筈なのに。

 実務の流れを考慮すれば、代理権なしが請求原因の要件事実と言うのは無意味で。
 逆に、代理権があることを抗弁として構成した方が扱いやすいという話。

 このあたりは、確か、既に出てきた話ですね。

 今回は、これまでの話を実務的に振り返って、迷子にならないようにしよう。
 そんな位置づけの回なのでしょうね。

 復習・総まとめの様相で、特に目新しい説明はなかったように思います。
 次回は「規範的要件の評価障害事実」を詳しく確認するとのことです。

| | コメント (1)
|

2017/03/19

最近の民事法(相続)に関する裁判例の影響(月刊「登記情報」)

最近の民事法(相続)に関する裁判例の影響(月刊「登記情報」)

 登記情報2017年3月号より。

〇登記実務からの考察
 その他・最近の民事法(相続)に関する裁判例の影響
 早川将和(司法書士)

 単にメモとして列挙するだけにしておきますが。

1 非嫡出子の相続分(最高裁平成25年9月4日)
2 嫡出推定の効力(最高裁平成25年12月10日)
3 認知と認知無効主張(最高裁平成26年1月14日)
4 いわゆる一人遺産分割(東京高裁平成26年9月30日)
5 再婚禁止期間(最高裁平成27年12月16日)
6 遺言における花押と署名押印(最高裁平成28年6月3日)
7 預金債権と遺産分割(最高裁平成28年12月19日)
8 養子縁組の効力(最高裁平成29年1月31日)

 すごいですね。
 こんなに重要な裁判例が次々と登場しているとは。

| | コメント (0)
|

2017/03/09

高齢ドライバーの認知症診断、医師3千人協力へ(読売新聞)

高齢ドライバーの認知症診断、医師3千人協力へ(読売新聞)

 朝日新聞は、足りないだろうとあおったけど。
 そんなことはない、と大本営発表したと。


高齢ドライバーの認知症診断、医師3千人協力へ
2017年03月07日 23時22分

 (略)

 新制度では、年間約5万人の高齢ドライバーが医師の診察を受けると見込まれ、医師不足が指摘されていた。一定以上の医師が確保できる見通しとなり、同庁は「円滑な施行が期待される」としている。

 改正道交法では、75歳以上のドライバーが3年に1度の免許更新時に加え、信号無視など18項目の違反をした際に、認知機能検査を実施。「認知症のおそれ」と判定された人には医師の受診を義務付ける。かかりつけ医がいない場合は、都道府県公安委員会が医療機関を紹介する。


http://www.yomiuri.co.jp/national/20170307-OYT1T50060.html?from=ytop_ylist

 朝日新聞が信用できるかというと、信用できませんが。
 ただ、この件についての警察発表は、もっと信じられませんね。

 自転車通行を、歩道から車道に変更したことの混乱はいまだに残る。
 制度整備を万端にしてから、法律改正したとはとても思えない。

| | コメント (0)
|

2017/03/06

「成年後見」のススメ(Wedge)その2

「成年後見」のススメ(Wedge)その2

 雑誌Wedge2017年3月号より。

〇Special Report
 認知症700万人時代への備え
 「成年後見」のススメ
 文:Wedge編集部(塩川慎也、今野大一、浅野有紀)、松尾康憲

 続きです。

【PART 2 先進地域に学ぶ成年後見の拠点作り】
一極集中・ワンストップの品川 市民をネットワークで支援する大阪
 文:Wedge編集部(今野大一)

 CASE STUDY1 社協主導の「品川モデル」

 品川区では、品川区社会福祉協議会が主体として動くものの。
 区や有識者、専門職らが情報共有し、知恵を出し合う。

 「チーム対応」で3段階審査を経て、後見人のミスマッチを防止し。
 更に、後見開始後は、身上保護に重点を置いて生活を支援すると。

 第1段階が、月2回の「ケース会議」。
 支援の方向性を、短期と中長期両方で協議する。

 その際には、本人の性格や金銭管理に対する意向を踏まえて。
 在宅か、施設入所かなど、必要とされる支援を見極めるのだと。

 で、それから後見人候補のマッチングに移るのだと。

 うーん、かなり細かい対応ですね。
 これをいきなり各地でやれというのは無理でしょう。

 みんな品川に定期研修で行って、半年くらいはもんで貰うとか。
 たぶん、他地域と相当格差がありそうな気がする。

 そりゃ、品川の数字がぶっちぎりなのは納得。
 ここまで育てた方々に拍手ですが。

 第2段階は、「方針決定会議」を3月に1回開催する。
 申立て案件1人ごとに協議がなされ、後見人を付けた後の生涯設計まで検討。

 そして、最終段階審査は、3月に1度、10人の「運営委員会」で。
 学識経験者・医師・弁護士。福祉関係者などが構成員だという。

 例えば、医学的視点から、認知症の個別症状に即した対応があるかなど。
 質問や意見を聴取し、また近況報告などがなされる。

 なんと委員長は、新井誠教授なんですね。
 納得ですが。

 で、何故こんな体制を品川区では構築できたんだろうかと。
 著者の答えは、安定的後見報酬を得る体制ができたからだと。

 社協主体での後見受任で、人件費を自ら稼いでいる。
 なるほど、これって、たぶん、コペ転ですね。

 何せ、従来の社会福祉の文化とは全く違う発想ですから。
 著者は、そこまで書くのがはばかられるでしょうけど。

 私はそのあたりの禁忌がないので、書いてしまいますが。
 正直、社会福祉の世界では、慈善、お金は貰わないのが基本。

 結局、行政の補助金の範囲でしかできない。
 それ以上には、全く伸びることがない。

 だから、結局、タダでできる限界にぶち当たる。
 だって、支援する人たちだって、自分の人生がある。

 しかし、社会福祉関係者は、そうは思わない人たちが大半です。
 果たして、品川モデルは、今後全国に広がり得るのか。

 私は、かなーりハードルが高い、というか悲観的ですが。
 さてさて、どうなるのでしょうね。

 続きます。

| | コメント (0)
|

2017/03/03

「成年後見」のススメ(Wedge)その1

「成年後見」のススメ(Wedge)その1

 雑誌Wedge2017年3月号より。

〇Special Report
 認知症700万人時代への備え
 「成年後見」のススメ
 文:Wedge編集部(塩川慎也、今野大一、浅野有紀)、松尾康憲

【PART 1 地域に埋もれる後見ニーズ 試される地域連携の力】
「後見格差」の知られざる実態 責任の擦り合いから一歩踏み出せ
文:Wedge編集部(塩川慎也)

 うーん、「パラサイトされる高齢者」ですか。
 確かに、そういうケースも少なからずあるでしょうね。

 しかし、実際には、誰かが面倒をみないとその高齢者そのものが困る。
 そして、そうなると、その誰かは働きに出ることもできないとすれば。

 ある程度、蓄えている人間が出さなきゃしょうがないのでは。

 で、成年後見人の担い手について、ここ10年で様変わりしたと。
 2004年には親族8割だったのが、2015年には親族3割になったと。

 つまり、第三者が、2割から7割と「外注化」が顕著だと。
 第三者とは、弁護士や司法書士などの成年後見専門職ですが。

 この他に市民後見人という担い手の育成も進められているものの。
 地域の財政難により、地域支援体制が脆弱になってしまう。

 東京23区でも、支援体制には格差があるのだと。
 品川区と他の区とでは、下手すると10倍の差があると。

 身上監護については、専門職がやるよりも市民後見人が望ましいが。
 担い手が増えないことには、どうしようもない。

 で、成年後見の推進のため利用促進法が成立したものの。
 地方と国とでは足並みがそろわない現況だと。

 更に、主体として期待される社会福祉協議会にしても。
 行政から全部押しつけられてはたまったものではないと。

 問題山積みってのは、確かにそうなんでしょうね。

 続きます。

| | コメント (0)
|

2017/02/26

特集 法定相続情報証明制度と相続預金の取扱いルール(バンクビジネス)その2

特集 法定相続情報証明制度と相続預金の取扱いルール(バンクビジネス)その2

 バンクビジネス2017年3月1日号「特集 法定相続情報証明制度と相続預金の取扱いルール」より。

○<ケースで学ぶ)新制度を踏まえた相続預金払戻しのポイント
 ケース6 遺産分割協議終了前に法定相続分の払戻しを依頼されたらどうするの?
 伊藤玲(地域金融アナリスト&コンサルタント)

 平成28年12月19日最高裁判決の影響について、ですね。
 個人的には、あまり変わらないんじゃないのと思っていたのですが。

 そうか、少額払戻しの場合がどうか、というのがありますね。
 内規対応で払戻しする地銀が多かったのですが、それがどうなるか。

 おっと、少額払戻しの実務もストップするだろうというのが著者の読みなのですね。
 今後は、少額でも、遺産分割協議書等の閲覧が絶対視されるだろうと。

 今まで、そもそも少額払戻し処理をやってくれることも知らなかった人が多いので。
 やはりあまり影響ないだろうとは思いますが。

 ただ、ここにもあるように、前はやってくれたのにと言われると。
 金融機関担当者は、苦慮せざるを得ないでしょうね。

 なお、ケース7で、口座解約後の残高証明書発行依頼は丁寧な謝絶を、とあります。
 つまり、解約する前に依頼して貰わないと、気の早い相続人だと危ないのですね。

 言われればなるほどですが。

 で、今回は、相続関連書類のサンプルも出てきて、丸ごと特集記事でした。
 定期購読していなくても、この号だけは買っておいてよいのでは、うん。

| | コメント (0)
|

2017/02/25

特集 法定相続情報証明制度と相続預金の取扱いルール(バンクビジネス)その1

特集 法定相続情報証明制度と相続預金の取扱いルール(バンクビジネス)その1

 バンクビジネス2017年3月1日号「特集 法定相続情報証明制度と相続預金の取扱いルール」より。
 
○マンガ・法定相続情報証明制度と相続手続き
 鈴木俊(弁護士)
 
 証明された法定相続情報一覧図が、相続人が誰かを証明する書類になる。
 入手には、申出書を登記所に提出することになるのだが。
  
 その際には、
  ・申出書
  ・法定相続情報一覧図
  ・被相続人の生まれてから死亡するまでの戸除籍謄本
  ・被相続人の最後の住所を証する書面
  ・相続人の戸籍謄本
  を提出することになる。

 法務局側で確認後、認証文付き法定相続情報一覧図の写しが交付される。
 手数料は不要で、提出していた戸除籍謄本も返却されることになると。

 で、当然ながら、顧客自身に一覧図を作成して貰わないと始まらない。
 ついでに言えば、戸籍取得なども当然。
 
 つまり、認証後に一覧図写しを貰えれば、金融機関の手間は減るけれど。
 相続人自身の手間は、何ら減らないという点が、書いてないけど最大のポイント。
 
 あと、ここにもあるように、相続放棄の情報はここには出てこない。
 これも、当然とは言え、注意すべき点ですね。

 そして、実務ではこの最初の届出を、ズブの素人ができるかというと。
 多くは無理、あるいは膨大な手間と時間を要するので、悲鳴を上げるでしょう。

 ということで、従来通り、ここは不動産登記があれば、司法書士さんに任せるのがベスト。
 いきなり金融機関手続に行くのではなく、先に司法書士さんに依頼するのが肝。
 
 これは、昔、長崎の岡田豊先生に教わったことです。
 餅は餅屋と言います。

 続きます。

| | コメント (0)
|

2017/02/24

要件事実と立証責任その3(ゼロからマスターする要件事実)

要件事実と立証責任その3(ゼロからマスターする要件事実)

 月刊「税理」2017年3月号(ぎょうせい)より。

〇ゼロからマスターする要件事実
 第15回 要件事実と立証責任
 岡口基一(東京高等裁判所判事)

 続きです。

 司法研修所では、当初、親ルールに準拠していたが、これをある時期やめたと。
 請求原因=請求権の発生原因とのルールを絶対視するようになったのだと。

 この結果、多くの実務家は、親ルールを知らないままになっているのだと。
 へー、当然の話と思って呼んでいたので、びっくりです。

 なんと、司法研修所では、逆に、実体法の解釈を変更してしまって。
 上記ルールの貫徹を目指すようになり、学者との対立状況を招いたのだと。

 うーん、こういう状況って、不幸以外の何者でもないですね。

 要件事実を冠する本を手にとっても、書籍次第で書いてある内容が違う。
 とすれば、読者は混乱するしかないわけでしょう。

 著者は親ルールに戻るべきだと主張しています。
 この稿を読む限りでは、そうとしか思えませんね。

 ただ、何故そこまでして研修所は大転換を行ったのか。
 機会があれば、どなたかに伺ってみたいものです。

| | コメント (0)
|

2017/02/23

要件事実と立証責任その2(ゼロからマスターする要件事実)

要件事実と立証責任その2(ゼロからマスターする要件事実)

 月刊「税理」2017年3月号(ぎょうせい)より。

〇ゼロからマスターする要件事実
 第15回 要件事実と立証責任
 岡口基一(東京高等裁判所判事)

 続きです。

 立証負担の転換により、請求原因の要件事実は、請求権の発生原因と同じになるとは限らない。
 その例示として、商品購入時の配送遅れによる損害賠償を挙げます。

 当然、履行遅滞は、損害賠償請求権の発生原因事実になる。
 しかし、原告に履行遅滞事実を証明させるのは「悪魔の証明」になってしまう。

 期限内履行が「なかったこと」を証明するのは無理。
 だからこそ、これは、一般に「悪魔の証明」と呼ばれているわけです。

 そこで、この場合は、公平性から、立証負担を逆転させているのだと。
 被告側で、期限内履行を立証すべき、とされているのですね。

 これは、理屈上の話だが、立証負担の逆転が法定されている場合もある。
 無権代理人の責任追及時に、被告は無権代理人だと原告が証明する必要はない。


・民法 第117条(無権代理人の責任)

 他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明することができず、かつ、本人の追認を得ることができなかったときは、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。

 2 前項の規定は、他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき、若しくは過失によって知らなかったとき、又は他人の代理人として契約をした者が行為能力を有しなかったときは、適用しない。

 なるほど、被告は自分に代理権があることを立証すべきとされている。

 他にも法律上の推定・暫定事実などの法理論も存在しているのだと。
 ということで、法律要件分類説の考え方は大事でも、万能ではないよねと。

 続きます。

| | コメント (0)
|

2017/02/22

要件事実と立証責任その1(ゼロからマスターする要件事実)

要件事実と立証責任その1(ゼロからマスターする要件事実)

 月刊「税理」2017年3月号(ぎょうせい)より。

〇ゼロからマスターする要件事実
 第15回 要件事実と立証責任
 岡口基一(東京高等裁判所判事)

 要件事実には、基本ルールがある。
  ・請求原因=請求権の発生現任
  ・抗弁  =請求権の消滅・発生障害・権利行使阻止事由
 これは、これまでの確認ですが。

 更に、その元になる、親ルールがあるのだと。
 立証段階の前段階である主張段階におけるものです。

 自己の要証事実は、自己が主張すべしというもので、当然ですね。
 要証事実とは、自己が立証しようとする事実のことです。

 請求原因として請求を基礎付けるため、原告は要証事実を主張すべし。
 この要証事実とは、通説たる法律要件分類説によれば、

  原告は、請求権の発生原因事実を立証すべし
  被告は、請求権の消滅・発生障害・権利行使阻止事実を立証すべしと。

 ここまでなら、わざわざ言わなくてもという感じですが。
 立証の負担の所在が転換される例外が存在しているというのですね。

 続きます。

| | コメント (0)
|

より以前の記事一覧