カテゴリー「法律全般」の372件の記事

2017/07/12

開示不正 その実態と防止策

開示不正 その実態と防止策


開示不正 その実態と防止策
八田進二編著
白桃書房
2017年6月26日初版発行

 八田教授はアカウンタビリティの解除という概念を持ち出す。
 確かに、財務会計の基礎であり、監査の基本であるが。

 しかし、これって、要は信託ということではないのか。
 つまり、委託者が受託者を信じて託すところが、本来のスタート。

 ところが、日本の場合、そもそも信じて託す委託者がいない。
 あるいは、株主がそうだとの認識が非常に薄い。

 監査契約締結時に、会社と監査法人とで契約締結しますが。
 委託者兼受益者である株主が、まともに出てこない。

 定型的な契約で、会社は値切ることしか考えていない。
 少なくとも、株主の方向を会社が向いていない。

 会社が、信じるに足る受託者でないという前提がある。
 この信託契約が、うまくいく訳がないのだと思います。

 まずは、信託の基礎である信任関係をお互いに意識させること。
 そこから始めない限り、全ては無駄でしょう。

 金融庁は、会社と監査法人との関係ばかりをいじって。
 株主と会社との関係に踏み込む気は、恐らくないのですから。

 いや、これに関しては、経産省に期待すべきかもしれません。

 で、私自身は、八田教授の書いていることは、全く響きませんでした。
 すみません。

 実例として、開示不正の結果は、こんな酷いことになるよ。
 そのような結果のひどさの紹介が、ある意味教訓なのかもしれません。

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2017/07/11

民法(相続法)改正をめぐる議論の動向と実務への影響[税法公開講座in大阪(立命館大学)]

民法(相続法)改正をめぐる議論の動向と実務への影響[税法公開講座in大阪(立命館大学)]

税法公開講座in大阪(立命館大学)

 パンフレットが送られてきましたので、紹介しておきます。

 そうですか、東京駅サピオタワーだけでなく。
 大阪梅田でもやるのですね。

 東京の税法連続講座に講師として参加したのが平成21年度。
 もうあれから、8年が経つのか。

 なんか、実務家が講師に立たなくなったので、接点なくなりましたけど。
 当時、あの講座に参加できたのは、私の財産です。

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2017/07/07

下着姿の自撮りを投稿 裁判官のツイッター凍結される

下着姿の自撮りを投稿 裁判官のツイッター凍結される

 今まで凍結されなかったので、許容されているのかと思いきや。
 そうではなかったのですね。


2017.7.6 02:00更新
下着姿の自撮りを投稿 裁判官のツイッター凍結される

 短文投稿サイト「ツイッター」の自身のアカウントに、下着姿の「自撮り写真」などを多数投稿していた東京高裁の岡口基一(きいち)裁判官(51)のツイッターアカウントが凍結されたことが5日、分かった。

 (略)

http://www.sankei.com/affairs/news/170706/afr1707060002-n1.html

 仮に、抑圧された自我の解放手段として、使っていたのだとすれば。
 今度は、どこにその圧力がはき出されるのか。

 良い方向に向かうことを願っていますが。
 いや、月刊「税理」の連載が掲載中止になるのを恐れての日和見発言です。

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2017/06/26

「総合型」の規範的要件(ゼロからマスターする要件事実)

「総合型」の規範的要件(ゼロからマスターする要件事実)

 月刊「税理」2017年7月号(ぎょうせい)より。

〇ゼロからマスターする要件事実
 第19回 「総合型」の規範的要件
 岡口基一(東京高等裁判所判事)

 規範的要件とは、裁判官の規範的判断が必要な要件で。
 典型例は、不法行為の要件である「過失」だ。

 交通事件で、速度出し過ぎで、急ブレーキが間に合わず。
 歩行者をはねた場合、運転者に過失ありとされるのが通常だ。

 ただし、法定速度を上回る速度なら常に過失ありとはならない。
 世間では、法定速度が厳格に遵守されているわけではないから。

 この規範的要件には、2つの類型があると。

 【1】多様型
     単一ないし複数の事実につき要件該当性を評価するもの

     事実要件の考え方の延長線上で理解が可能。

 【2】総合型
     様々な事情を総合的に考慮することで要件の具備
     あるいは不具備を判断するもの

     当てはまる具体的事実を考えるアプローチは困難。

 借家契約等を終了させる「正当な事由」は、【2】の例。
 賃貸人側の事情と借家人側の事情を総合的に考慮して判断される。

 他に、表見代理の成立要件の「正統な理由」(民110)や。
 背信的悪意者論における「背信性」も同様だと。

 で、総合型の場合は、要件事実のような手法が使えないので。
 どうやって裁判所は判断するかとなるのですが。

 なんと、当事者が主張していない事情でも、証拠から判断できると。
 弁論主義の例外として位置づけられるというのですね。

 更に、立証責任も適用されない場合が出てくると。
 民事訴訟の基本原理が通用しない場合が出てくるのだと。

 さて、特別だから違うと言えば済むわけでなく、実務ではどうするか。

 司法研修所民事裁判室は、ルール作成のため奮闘したが。
 実務の扱いと異なるものを作り出したのだと。

 というところで、次回は、先に実務の扱いを確認するのだそうです。

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2017/06/21

城南信金の信託不動産への融資(信託フォーラム)

城南信金の信託不動産への融資(信託フォーラム)

 信託フォーラム2017年3月号より。

〇地域金融機関と民事信託の近時の動向
 信託フォーラム編集部

 城南信金は、信託不動産への融資にも対応していると。
 受益者でなく、受託者に対する融資という位置づけ。

 既存ローンを信託財産への融資に承継させるのも可能だし。
 他の金融機関分など複数ローンのまとめも可能だと。

 更に、債務引受と組み合わせ、次世代融資取引承継もできると。

 で、信託契約内容の把握が重要事項だとの認識であり。
 契約変更は、金融機関の事前同意が条件としているのだと。

 なるほど。

 また、当然、融資前の契約内容確認も審理上の重要事項なので。
 提携する弁護士・会計士のチェックを前提としているようです。

 これらの費用は、信託融資取扱手数料として、顧客負担になる。
 なるほど、業務がちゃんと回る仕組みを構築しているのですね。

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2017/06/20

城南信金の信託口口座への取り組み(信託フォーラム)

城南信金の信託口口座への取り組み(信託フォーラム)

 信託フォーラム2017年3月号より。

〇地域金融機関と民事信託の近時の動向
 信託フォーラム編集部

 地銀などの動きを概観するコーナーのようですが。

 城南信金の話が、ちょっと注目されました。
 同信金相談役の吉原毅氏への聞き取りがソースのようです。

 信託口口座について、コミングルリスクを避けるために。
 個人の口座と信託受託者の口座で内部管理番号を分けているのだと。

 口座名で「家族信託口」と示すだけではないのだと。
 更に、複数信託契約があれば、内部管理番号は複数持てると。

 で、家族信託口について、AとBという2種類口座を用意。
 A口座は、受託者権限のみで出入金できる口座で、基本ですが。

 チェック機能を期待できるよう、B口座を用意。
 こちらは、複数人の関与がないと、口座外への資金移動ができない。

 A口座が日常生活資金、B口座がその他多額の財産というイメージ。
 要は、受託者の悪用防止のための仕組みなんでしょうね。

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2017/06/19

目的信託の委託者の権利は支配が継続と言えるかもって(信託フォーラム)

目的信託の委託者の権利は支配が継続と言えるかもって(信託フォーラム)

 信託フォーラム2017年3月号より。

〇対談 健全な信託を目指して-信託法と税法の対話-
 三木義一(青山学院大学)・新井誠(中央大学)

 税法が専門の三木教授と信託法・成年後見が専門の新井教授の対談。
 ちょっと、あれっと思った部分があり。

 目的信託では、委託者が強い権限を持っていると。
 信託法260条を根拠に、新井教授が、信託譲渡が形式的だと主張。

 それに対して、三木教授が。委託者の支配が継続しているのなら。
 譲渡は起きていないのだと整理することもできるのではと。

 なんか噛み合っていない気が。

 信託法260条って、基本、クレーム言ったり、モニタリングする権利。
 信託法145条2項の強制化が、実質的な内容ですから。

 それって、支配とは言わないでしょう。
 条文見て議論していないんだろうな、という感じです。

 新井教授の話題の持ち出し方も、ちょっとミスリード気味ですが。
 三木教授も、ちょっと安易にコメントし過ぎじゃないかなぁ。

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2017/06/11

事業承継が0-ゼロ-からわかる本

事業承継が0-ゼロ-からわかる本


事業承継が0-ゼロ-からわかる本
半田道
中央経済社 (2017/5/25)

 この「0からわかる本」は、タイトルで買うと、ちょっと違う本ですね。

 著者出自からも、本当の読者である金融機関向けであることを表に出して。
 「金融機関のための」を付けた方がよかったでしょうね。

 本当に何も知らない人なら、第3章で挫折すると思います。
 ちょっと、対象読者層が見えていない感じです。

 「専門家と一緒に考えること」とありますが。
 実際には、専門家と話をする金融機関向けの知識ですし。

 経営者向けの本ではないよな、という印象です。
 実際に、本屋では既に並べてありましたが。

 私の予想通り、金融機関向けコーナーでした(丸善博多店)。
 丸善の店員さんの慧眼恐るべし、かな。

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2017/06/10

身内の相続で揉(も)めない悔(く)やまない50の処方箋

身内の相続で揉(も)めない悔(く)やまない50の処方箋


身内の相続で揉(も)めない悔(く)やまない50の処方箋
矢野敬之・金子明真・中山学史
中央経済社 2017/5/31

 この「50の処方箋」は、正統派の本ですが。
 文字が多すぎて、今の読者には辛い本ですね。

 もう少し、図解を入れれば、かなり印象が違う本になります。
 また、「処方箋」という以上、病状への対処になるので。

 それぞれの病状を見つけやすくするアクセスの工夫が欲しかったですね。
 マップみたいなものがあれば、わかりやすい。

 という意味で、内容は良さそうなのですが、ちょっと残念な本です。

 処方箋12 本来あるべきはずの遺産がないときは?
 処方箋13 親の預金が使い込まれていたら?

 このあたりは、結構、皆さん興味あるでしょうし。

 処方箋21 認知症の父が書いた遺言書は有効か?

 ここで「遺言書が無効となったら相続税の申告は?」がありました。

 なるほど、一旦は有効前提で申告するしかないよねと。
 事案に出遭ったことないのですが、勉強になりました。

 構成に工夫があれば、☆5になったかなという感じですが。
 現状、少し辛目ですが、☆3から☆4というところです。

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2017/06/09

縁を切って楽になりたい 「死後離婚」10年で1.5倍

縁を切って楽になりたい 「死後離婚」10年で1.5倍

 理屈だけではなく、感情面が一番大きいのかなとも。


縁を切って楽になりたい 「死後離婚」10年で1.5倍
沢木香織
2017年6月5日11時51分

 配偶者が亡くなった後、配偶者の血族である「姻族」との関係を断ち切る、「死後離婚」が増えている。女性からの届け出が多いようだ。核家族化で負担が重くなりがちな、義父母の介護や墓の管理への不安が背景にあるとみられる。

 結婚してできた配偶者の血族との姻族関係は、離婚をすれば自動的に終わる。しかし夫か妻の一方が亡くなった場合、関係を終了するには役所へ「姻族関係終了届」を出す必要がある。これが「死後離婚」とよばれる。法務省によると、2015年度の届け出数は2783件。06年度からの10年で1・5倍に増えた。戸籍には、姻族関係終了の届け出日が記載され、受理した役所が受理証明書を発行してくれる。

 夫婦問題の相談に応じる「HaRuカウンセリングオフィス」(東京都港区)の高草木(たかくさぎ)陽光(はるみ)さんによると、死後離婚の相談は昨年になって急増し、30件ほど寄せられた。義父母の介護や夫のきょうだいとの関係で悩む女性が大半という。

 (略)

http://www.asahi.com/articles/ASK5B7XF6K5BPTIL03B.html?iref=comtop_8_03

 で、根拠法は、民法728条2項ですね。


・民法 第728条(離婚等による姻族関係の終了)

 姻族関係は、離婚によって終了する。

 2 夫婦の一方が死亡した場合において、生存配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示したときも、前項と同様とする。

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