カテゴリー「法律全般」の326件の記事

2017/02/25

特集 法定相続情報証明制度と相続預金の取扱いルール(バンクビジネス)その1

特集 法定相続情報証明制度と相続預金の取扱いルール(バンクビジネス)その1

 バンクビジネス2017年3月1日号「特集 法定相続情報証明制度と相続預金の取扱いルール」より。
 
○マンガ・法定相続情報証明制度と相続手続き
 鈴木俊(弁護士)
 
 証明された法定相続情報一覧図が、相続人が誰かを証明する書類になる。
 入手には、申出書を登記所に提出することになるのだが。
  
 その際には、
  ・申出書
  ・法定相続情報一覧図
  ・被相続人の生まれてから死亡するまでの戸除籍謄本
  ・被相続人の最後の住所を証する書面
  ・相続人の戸籍謄本
  を提出することになる。

 法務局側で確認後、認証文付き法定相続情報一覧図の写しが交付される。
 手数料は不要で、提出していた戸除籍謄本も返却されることになると。

 で、当然ながら、顧客自身に一覧図を作成して貰わないと始まらない。
 ついでに言えば、戸籍取得なども当然。
 
 つまり、認証後に一覧図写しを貰えれば、金融機関の手間は減るけれど。
 相続人自身の手間は、何ら減らないという点が、書いてないけど最大のポイント。
 
 あと、ここにもあるように、相続放棄の情報はここには出てこない。
 これも、当然とは言え、注意すべき点ですね。

 そして、実務ではこの最初の届出を、ズブの素人ができるかというと。
 多くは無理、あるいは膨大な手間と時間を要するので、悲鳴を上げるでしょう。

 ということで、従来通り、ここは不動産登記があれば、司法書士さんに任せるのがベスト。
 いきなり金融機関手続に行くのではなく、先に司法書士さんに依頼するのが肝。
 
 これは、昔、長崎の岡田豊先生に教わったことです。
 餅は餅屋と言います。

 続きます。

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2017/02/24

要件事実と立証責任その3(ゼロからマスターする要件事実)

要件事実と立証責任その3(ゼロからマスターする要件事実)

 月刊「税理」2017年3月号(ぎょうせい)より。

〇ゼロからマスターする要件事実
 第15回 要件事実と立証責任
 岡口基一(東京高等裁判所判事)

 続きです。

 司法研修所では、当初、親ルールに準拠していたが、これをある時期やめたと。
 請求原因=請求権の発生原因とのルールを絶対視するようになったのだと。

 この結果、多くの実務家は、親ルールを知らないままになっているのだと。
 へー、当然の話と思って呼んでいたので、びっくりです。

 なんと、司法研修所では、逆に、実体法の解釈を変更してしまって。
 上記ルールの貫徹を目指すようになり、学者との対立状況を招いたのだと。

 うーん、こういう状況って、不幸以外の何者でもないですね。

 要件事実を冠する本を手にとっても、書籍次第で書いてある内容が違う。
 とすれば、読者は混乱するしかないわけでしょう。

 著者は親ルールに戻るべきだと主張しています。
 この稿を読む限りでは、そうとしか思えませんね。

 ただ、何故そこまでして研修所は大転換を行ったのか。
 機会があれば、どなたかに伺ってみたいものです。

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2017/02/23

要件事実と立証責任その2(ゼロからマスターする要件事実)

要件事実と立証責任その2(ゼロからマスターする要件事実)

 月刊「税理」2017年3月号(ぎょうせい)より。

〇ゼロからマスターする要件事実
 第15回 要件事実と立証責任
 岡口基一(東京高等裁判所判事)

 続きです。

 立証負担の転換により、請求原因の要件事実は、請求権の発生原因と同じになるとは限らない。
 その例示として、商品購入時の配送遅れによる損害賠償を挙げます。

 当然、履行遅滞は、損害賠償請求権の発生原因事実になる。
 しかし、原告に履行遅滞事実を証明させるのは「悪魔の証明」になってしまう。

 期限内履行が「なかったこと」を証明するのは無理。
 だからこそ、これは、一般に「悪魔の証明」と呼ばれているわけです。

 そこで、この場合は、公平性から、立証負担を逆転させているのだと。
 被告側で、期限内履行を立証すべき、とされているのですね。

 これは、理屈上の話だが、立証負担の逆転が法定されている場合もある。
 無権代理人の責任追及時に、被告は無権代理人だと原告が証明する必要はない。


・民法 第117条(無権代理人の責任)

 他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明することができず、かつ、本人の追認を得ることができなかったときは、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。

 2 前項の規定は、他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき、若しくは過失によって知らなかったとき、又は他人の代理人として契約をした者が行為能力を有しなかったときは、適用しない。

 なるほど、被告は自分に代理権があることを立証すべきとされている。

 他にも法律上の推定・暫定事実などの法理論も存在しているのだと。
 ということで、法律要件分類説の考え方は大事でも、万能ではないよねと。

 続きます。

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2017/02/22

要件事実と立証責任その1(ゼロからマスターする要件事実)

要件事実と立証責任その1(ゼロからマスターする要件事実)

 月刊「税理」2017年3月号(ぎょうせい)より。

〇ゼロからマスターする要件事実
 第15回 要件事実と立証責任
 岡口基一(東京高等裁判所判事)

 要件事実には、基本ルールがある。
  ・請求原因=請求権の発生現任
  ・抗弁  =請求権の消滅・発生障害・権利行使阻止事由
 これは、これまでの確認ですが。

 更に、その元になる、親ルールがあるのだと。
 立証段階の前段階である主張段階におけるものです。

 自己の要証事実は、自己が主張すべしというもので、当然ですね。
 要証事実とは、自己が立証しようとする事実のことです。

 請求原因として請求を基礎付けるため、原告は要証事実を主張すべし。
 この要証事実とは、通説たる法律要件分類説によれば、

  原告は、請求権の発生原因事実を立証すべし
  被告は、請求権の消滅・発生障害・権利行使阻止事実を立証すべしと。

 ここまでなら、わざわざ言わなくてもという感じですが。
 立証の負担の所在が転換される例外が存在しているというのですね。

 続きます。

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2017/02/19

認知症診断、遅れる恐れ 改正道交法で受診者急増に懸念

認知症診断、遅れる恐れ 改正道交法で受診者急増に懸念

 1650人が5万人って……。
 自転車の通行を歩道から車道に切替えたのと同じで、性急かつアホ。


認知症診断、遅れる恐れ 改正道交法で受診者急増に懸念
編集委員・清川卓史、友野賀世
2017年2月18日05時18分

 高齢ドライバーの認知症対策を強化した改正道路交通法が来月12日、施行され、医師の診断が義務づけられる人が一気に増える。

 (略)

 改正道交法では「認知症のおそれ」と判定された更新希望者すべてに診断が義務づけられる。信号無視や逆走などをした際にも認知機能検査を受けることになる。警察庁は、診断対象者が2015年の1650人から年5万人規模に増えると見込む。

 (略)

http://www.asahi.com/articles/ASK24334WK24ULZU002.html

 警察の交通関係って、相当アタマが悪い人が上にいるのかなと思います。
 まだ、警察ドラマの悪い警察官たちの方が、はるかに先を見通しているかも。

 本当に、なんでこんなこと勝手に決められてしまうのだろう。

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2017/02/03

会計処理の適切性をめぐる裁判例を見つめ直す(第2回 継続性の原則-阪急電鉄事件)

会計処理の適切性をめぐる裁判例を見つめ直す(第2回 継続性の原則-阪急電鉄事件)

会計・監査ジャーナル2017年2月号より。

〇会計処理の適切性をめぐる裁判例を見つめ直す
 第2回 継続性の原則-阪急電鉄事件
 弥永真生(筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授)
  第1審 大阪地裁平成15年10月15日
  控訴審 大阪高裁平成16年4月27日
  上告審 最高裁平成17年8月3日(上告棄却・上告不受理)

 阪急電鉄は、過去において、工事負担金を受領するも、圧縮記帳をせず。
 特別利益として損益計算書に計上していた。

 ところが、経営改善計画を策定し、減損会計導入等に備えて投資損失引当金を設定
 もし圧縮記帳処理していれば、147億円の法人税等を節減できた。

 このため、株主らが善管注意義務違反・忠実義務違反による損害賠償請求で。
 株主代表訴訟を提起したのだと。

 大阪地裁は、継続性の原則違反を例外的な場合に限ると判断した。
 高裁も、これを基本的には踏襲する判決だった。

 弥永教授によると、過去、圧縮記帳すべきか認める見解は商法では有力だったが。
 1980年代以後は、圧縮記帳すべきでない、が多数説になったのだと。

 大阪高裁は、これを踏まえて、正当な理由によらない会計方針変更と言えないと。
 その際に業種別監査委員会報告29号が、影響を与えたとの指摘がある。

 なお、国際会計基準での繰延収益処理つまり負債計上処理について。
 株主は正当処理と主張したが、当時の法務省はそうは認めていなかったと。

 なんか、ふーん、それで、なんですよね。
 私の読み取りが甘いんだろうな。

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2017/01/27

典型契約における「せりあがり」その3(ゼロからマスターする要件事実)

典型契約における「せりあがり」その3(ゼロからマスターする要件事実)

 月刊「税理」2017年2月号(ぎょうせい)より。

〇ゼロからマスターする要件事実
 第14回 典型契約における「せりあがり」
 岡口基一(東京高等裁判所判事)

 続きです。

 今度は貸金返還請求訴訟で、訴訟物は返還請求権ですが。
 そもそも、これって、いつ発生するのかに争いがあると。

 ただし、平成23年以降、私法研究所民事裁判教官室は見解を決めて。
 返還時期が到来した時に発生するとの見解になっているのだと。

 でも、世の中では、消費貸借契約成立時に生じると思っているよねと。
 利息のカウントは契約成立時から始まるじゃないのと。

 更に、人的保証や物的保証も、契約成立時からつけられると。
 債権が生じているからこそでしょと。

 なるほど。

 で、請負の場合同様、請求原因の要件事実は、成立要件だけで良いかというと。
 返還時期到来が要件事実になることも加える必要があるのだと。

 本来、条件や期限は、阻止の抗弁になるはずだが。
 主張側が成立要件で終わると、相手の抗弁を含んで自己撞着になる。

 著者は、「オウンゴール」と表現しています。
 相手の言うべきことまで、こっちが言ってしまう矛盾が生じるわけですね。

 なので、請求原因主張段階で、本来再抗弁の要素も織り込んで主張すべしと。
 つまり、成立要件と効力要件との区分は絶対じゃないということなのかな。

 なお、これ以外に、履行遅滞の損害賠償請求において。
 反対債務に係る同時履行の抗弁存在効でも、「せりあがり」があるけど。

 説明は省略するとのこと。
 順番割り込みの図があると、わかりやすいのかな、という印象です。

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2017/01/26

典型契約における「せりあがり」その2(ゼロからマスターする要件事実)

典型契約における「せりあがり」その2(ゼロからマスターする要件事実)

 月刊「税理」2017年2月号(ぎょうせい)より。

〇ゼロからマスターする要件事実
 第14回 典型契約における「せりあがり」
 岡口基一(東京高等裁判所判事)

 続きです。

 「せりあがり」理論で、請負での請求原因事実は、成立要件に限らない。
 「先履行の関係」にあることから、仕事の完成を加える必要があると。

 完成させないと、反対義務の履行を相手に請求できない。
 まぁ、当然ですね。

 ただ、であれば、ここで疑問が湧くでしょと。
 なぜ、請負人による注文主への完成品引渡しは、加わらないのだと。

 実は、完成引渡しは、先履行の関係にはないからなのですね。
 報酬の支払との同時履行の関係なので、せりあがらないのだと。

 著者は「先回りを……する必要がないのです」と言ってますね。
 なるほど。

 成立要件・効力要件と分けて、きれいにそれを順番にすれば良いだけでなく。
 実務では、それを修正しなければならないのですね。

 で、これは、委任・寄託の場合も同じ構造になるのだと。

 続きます。

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2017/01/25

典型契約における「せりあがり」その1(ゼロからマスターする要件事実)

典型契約における「せりあがり」その1(ゼロからマスターする要件事実)

 月刊「税理」2017年2月号(ぎょうせい)より。

〇ゼロからマスターする要件事実
 第14回 典型契約における「せりあがり」
 岡口基一(東京高等裁判所判事)

1 請求原因の要件事実

 請求原因の要件事実は何か。
 請求権の発生原因というのが、セオリーだと。

 しかし、例外があるのだと。

 1つは、保証債務履行請求の請求原因における「書面性」であり。
 これは既に扱っているわけですが。

 更に、民訴における「せりあがり」理論により場合があるのだと。
 その場合も、請求権の発生原因以外の要件事実が、請求原因に追加されるのだと。

 たぶん、人によっては「ん?せりあがりって何だ?」って感じですが。
 特に説明なく、そのまま説明が続きます。

 後の内容を見ると、順番が先に繰り上がるイメージですね。
 再抗弁で済む筈のものを、請求原因で主張しておかなきゃダメとするものがあると。

2 請負型の契約に基づく請求

 民法の典型契約のうちの幾つかについては、上記の例外になり得るのだと。
 代表例として、ここでは請負契約の報酬請求権が扱われています。

 普通に考えると、請負契約の成立が請求原因の要件事実だで良さそうだが。
 実務では、それ以外の要件事実があるのだと。

 「請負人が仕事を完成させたこと」であり、常識的。
 ただ、これって、要件事実の流れで言えば、本来位置と違いますね。

 著者が説明するように、再抗弁に位置づけるべきもの。
 それを、請求原因の段階で、主張させるようにしてある。

 本来の位置より先に来るので「せりあがり」と呼ぶのですね。

 続きます。

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2017/01/11

任意代理人との取引におけるこんなときどうする(バンクビジネス)

任意代理人との取引におけるこんなときどうする(バンクビジネス)

 バンクビジネス2017年1月15日号より。

〇任意代理人との取引におけるこんなときどうする?
 佐々木城夛(信金中央金庫信用金庫部上席審査役)

 よくある話ですが。

ケース1 親族等の任意代理人がそれを表明せず普通に払戻しに来た
 →委任状の提示を求めたり、任意代理人の本人確認が原則
  不審な点があれば、本人に連絡をとるなど慎重な対応が必要

 まぁ、当然ですね。

ケース2 預金者の親族以外者の者が任意代理人として払戻しに来た
 →自行庫制定の委任状を依頼する

 金融機関の制定様式外の委任状だと対応してくれない場合があると。
 言われればですが、知りませんでした。

ケース3 本人の入院費用を払い戻すため任意代理人が委任状なしで来店した
 →お客様本人に連絡して、入院の事実確認の上、自筆の可否を照会する。
  自筆不可の場合、病院への振り込みに限り対応するなど。

 なるほど、結構厳しい実務になっているのですね。
 あと、

「なお、病気やケガによって行為能力を喪失した状態で入院に至った場合には、代理権を第三者に委任することがすでにできないと解されるため、任意代理では対応できないと思われます。」

 は、なるほどですが、実務的には当事者にかなり厳しい時もあるでしょうね。

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