カテゴリー「事業再生・法的整理・私的整理」の34件の記事

2016/08/25

チロリアンの千鳥屋総本家が倒産した理由(近代セールス)

チロリアンの千鳥屋総本家が倒産した理由(近代セールス)

 近代セールス2016年9月1日号より。

○[検証]なぜこの会社は倒産したのか!?
 第263回 千鳥屋総本家(株)
  田中祐実(帝国データバンク情報部)

 千鳥屋総本家を知らない私の母親でも。
 チロリアンは、流石に知ってました。

 で、5月に民事再生法申立していたのですね。
 食品関係は、浮き沈み激しいのが常ですが。

 この会社が倒産したのは、取引先が集中してしまったのが原因だと。
 東京ディズニーリゾートを経営するオリエンタルランドですね。

 売上の50%から60%を占めるようになっていたとは。
 もの凄い依存率ですが。

 で、オリエンタルからは、設備投資・徹底した品質管理要求。
 当然、採算性はよくないわけですが。

 そこに、オリエンタルは、他社との競合関係を持ち込んだと。
 ただでさえ大変なのに、そこに東日本大震災が来たと。

 苦しい中、ノンバンクに資金調達を求めたのですが。
 債権譲渡・動産譲渡の登記をされてしまった。

 オリエンタルは、納入業者としての財務状況の悪化を理由に。
 なんと、2014年12月に取引打ち切り。

 その後も再建策は功を奏さず、民事再生にと。
 うーん、オリエンタルへの恨み節が聞こえそうですが。

 主力取引先を薄めるアクションを怠った結果なのですよね。
 多くの中小企業には、非常に耳の痛い反面教師事例になりそうです。

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2016/07/28

為替デリバティブによる倒産事例(近代セールス)

為替デリバティブによる倒産事例(近代セールス)

 近代セールス2016年8月1日号より。

○[検証]なぜこの会社は倒産したのか!?
 第261回 昌立物産(株)
 為替デリバティブで大損失
 本業の余力を残したまま倒産へ
 綴木猛(帝国データバンク情報部)

 民事再生法申し立ての一番大きな原因は、デリバティブ損失だったと。
 大手金融機関に勧誘され、2005年10月頃から、契約を結んだ。

 ところが、円高ドル安の進行が進んでしまった。
 2008年頃には、既に事業収益でまかなえなくなっていたという。

 そのために、銀行借り入れが加速的に増加した。
 で、すごい表現があります。

「たとえるならば、『銀行からもらって飲んだ毒を緩和するために,銀行から薬を買う』という状況に置かれていた。」

 その後リスケ要請するもののダメ。
 協議会ダメ、ADRダメ、そこについにダメ押しです。

同年6月には、税務署から税務調査を受け、2013年6月に損金計上している過年度修正損について欠損金の繰越控除が認められないとの判断が下った。これまで策定していた返済計画は、この繰越控除が受けられることが前提だったため、決定打となった。」

 デリバティブでの調査否認事例は、聞いていましたが。
 倒産の引き金になるケースでのものは、初めて知りました。

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2016/07/05

「捨てられる銀行」橋本卓典

「捨てられる銀行」橋本卓典


「捨てられる銀行」橋本卓典
講談社現代新書

 taxMLで鹿児島の貫見昌良先生に教わりました。

 で、某金融機関支店長に話を出すと、鞄から取り出した。
 「これのこと?」

 いや、皆さん読んでいるのですね。

 で、この本を読んで初めて、最近の金融行政の動きが理解できました。

 何故、資産査定がなくなったのか。
 何故、水平的レビューに切り替わったのか。

 何故、森ペーパーは出たのか。
 何故、あのような形で出てきたのか。

 いや、全て、不思議でした。
 特に、資産査定中止は、それまでの金融庁の行動への急ブレーキです。

 この本の著者によると、全ては、金融庁長官である森信親の登場故
 なんか、かなり納得。

 これらの行動の背景、思想が語られているわけですが。
 要は、金融とは事業・経済の潤滑油でなければならないとの基本であり初心。

 それを金融庁は忘れていたし、多くの金融機関も追随してしまった
 結果、地方経済はずたずたになってしまった。

 ただ、金融庁ってそういうもので、変わらないという諦観さえありました。
 それが大きく変わったのは、人故だと。

 いや、もちろん、協力者の手を借りつつではありますが。
 凄いとしか言いようがないですね。

 で、これを読んで、中小企業庁のやっていることの意味も見えました。
 要は、金融庁は、中小企業庁との連携プレーを模索しているのですね。

 そこまでは、この本で書いてありませんが。
 「ベンチマーク」というキーワードが軸になっているのは明白です。

 もっと言えば、広島銀行出身で抜擢された日下智晴氏の存在もある。
 地元にいれば、まさになるほどの話が、どんどん出てきます。

 マツダの復活劇の背後事情の話は、知りませんでした。
 やはり、県東部にいるので、このあたり疎かったと反省中ですが。

 で、後半は、金融検査マニュアルの弊害の話が多く出てきます。
 短期借入金の転がし廃止なんてのも、その1つですが。

 既に「短コロ」という言葉も知らない金融マンが増えたそうです。
 ところが、これ復活するのですね。

 保証協会の保証付き融資の話も同様です。
 プロパー融資が二の次になっていた現状がおかしいのだと。

 そうですね、目利きのできる金融マンがいなくなってしまった。
 これをなんとか建て直そうという思いが、この本には溢れている。

 ただ、現実問題、ここまできれい事ばかりじゃ済まない部分もある
 果たして、そこをどう現実に生かしていくのか。

 地域金融機関の皆さんに、エールを贈りたい。

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2016/05/08

中小企業M&A実務必携 法務編

中小企業M&A実務必携 法務編


中小企業M&A実務必携 法務編
梅田亜由美(司法書士・株式会社日本M&Aセンター)
株式会社きんざい
平成28年3月12日初版

 いや、まだ買って全部読んだわけじゃないですが。
 これ、お勧めだと思います。

 正直、今までの弁護士さんの本だと、内容高度過ぎ。
 で、基本として押さえるべきことが見えなくなる。

 この本は、地に足が着いている良書だと思います。
 例えばですが。

○3-3 地目が「田」「畑」とあったら?
○3-4 甲区に見慣れない登記がある!?
○3-7 市街化調整区域に建物が建っているけど?

 このあたり、弁護士さんの本では見たことないですし。
 しかし、中小企業にとっては、当然欠くべき事項ですよね。

 で、株式関係も、

○1-3 株主のとりまとめはどうする?
○1-7 従業員持株会の株式を譲渡するには?

 更に、

○2-2 株券を作成しよう

 など、まさに知りたい論点が満載。

 M&Aに携わる人だけではもったいない。
 中小企業の法務について、好著だと思います。

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2016/04/29

売掛金を担保にした非メイン先への融資(近代セールス)

売掛金を担保にした非メイン先への融資(近代セールス)

 近代セールス2016年5月1日号より。

○元技術者・錦戸開太の融資渉外一丁目一番地
 第2回 売掛金を担保にした非メイン先への融資
  作:田代達生 画:うのとおる

 メイン行・準メイン行がいるが、リーマンのリスケで消極対応。
 しかし、業績が戻ってきて、運転資金ニーズが生じている。

 当然に保証協会のマル保はダメで、無担保枠はめいっぱい。
 売掛金入金口座の変更申出というプラス材料はあるが、さてと。

 で、主人公は、取引基本契約書に着目したのですね。
 この会社では、債権譲渡の禁止特約をつけていないと。

 そのため、売掛金を担保とするという手段が生じる。
 保証協会に別枠でのABL保証を相談してみようと。

 ちなみに、もし特約があると、相手方の異議なき承諾が必要

 最近は、この特約を敢えて外すという例もあるが。
 ただ、古い契約の多くは入っていると。

 また、特約がなくても、相手に知られて困るとか。
 了解が不要なのかという心配が生じるが、これは大丈夫だと。

 通知留保との手法をとり、債権譲渡登記をやるが。
 債権譲渡登記は、事故が起きないと通常分からない。

 もちろん、自分で調査すれば分かるわけですが。
 何かそういう話がないと、まず調べないだろうと。

 で、担保とする売掛債権残高を把握する必要があるので。
 金融機関に3ヶ月に1回以上残高報告を行う義務が生じる。

 なるほどね。

 会社が悪化した局面でのABLは冗談にしか思えませんが。
 こういう局面での使い方なら、すんなりきます。

 取引基本契約書のひな形で古いものを使っていると。
 こういう場合に影響してくる可能性があるとはね。

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2016/04/25

日本ロジテック協同組合の債権者は死屍累々

日本ロジテック協同組合の債権者は死屍累々

 TSR平成28年4月22日号より。

○東京 電力小売事業ほか
 日本ロジテック協同組合
 債権者判明
 負債総額約162億8244万円

 既に破産開始決定しているわけですが。
 主要債権者がいろいろ出てきます。

 まず、金融債権ですが。

・大阪厚生信用金庫(平野支店) 1,706,639千円
・GMOペイメント(渋谷区)923,407千円
・日本政策金融公庫(東京中央支店他)308,000千円
・あすか信用金庫(本店営業部)250,00千円

 大阪厚生信用金庫は、どうみてもヤバい額ですね。
 この信金がどの程度の規模かですが、それにしても。

 一般債権(地域電力会社)は省略します。
 意味ないので。

 で、その他の一般債権ですが。
 地方公共団体が軒並み並びます。

 ダントツは、新潟県企業局(新潟市中央区)1,086,626千円
 それ以外も、死屍累々ですな。

 さて、各地方公共団体は、どう弁明するのでしょうか。

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2016/03/31

借入過大・債務超過にある取引先への融資

借入過大・債務超過にある取引先への融資

 近代セールス2016年4月1日号より。

○元技術者錦戸開太の融資渉外一丁目一番地
 第1話 借入過大・債務超過にある取引先への融資
 作:田代達生 画:うのとおる

 有名企業に納入のある下請け中小企業。
 売上10億円に対して、借入金が12億円。

 直近は2億円の債務超過で、利益も同額の赤字。
 これでは融資できないだろうという担当者に、上司が助言する。

 1つは、材料無償支給方式であることを考慮せよと。
 借入金の売上倍率は、それほどおかしくないだろうと。

 もう1つは、何故赤字になったのかを確認せよと。
 直近で3億円の機械購入で、即時償却を行ったせいで、補正せよと。

 5年定額法で0.6億円の償却と考えると、マイナス2億円の利益が。
 ▲2+3-0.6=0.4億円の利益に補正できるだろうと。

 結果、実態貸借対照表も、債務超過から資産超過になる。
 これなら、融資できるだろうと。

 なるほどですが、この会社の通常の償却費が幾らだったのか気になります。
 なにせ、単純に補正後利益で、借入金を割ると、30年分となるわけです。

 よほど、減価償却費が大きくて、営業C/Fが大きくないと。
 償還期間は一体何年になるのと考えると、結構おいおいの融資ではないかと。

 ひので銀行が金融庁の検査で問題視されないことを祈りたい。

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2015/12/31

近代映画社が自己破産していたとは

近代映画社が自己破産していたとは

 近代セールス2016年1月1日号より。

[検証]なぜこの会社は倒産したのか!?
 山口亮(帝国データバンク情報部)

 映画情報誌「スクリーン」って。
 近代映画社が、名前を変えて、(株)ケーイーって。

 へー。
 10月2日に自己破産していたのですが。

 時代の終わりって感じですね。

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2015/12/10

ゴルフ会員権の預託金返還に応じないのは不当…会員が運営引き継ぎ会社を集団訴訟へ 大阪地裁

ゴルフ会員権の預託金返還に応じないのは不当…会員が運営引き継ぎ会社を集団訴訟へ 大阪地裁

 これは注目すべき裁判かな。


ゴルフ会員権の預託金返還に応じないのは不当…会員が運営引き継ぎ会社を集団訴訟へ 大阪地裁
2015.12.7 12:49更新

 経営難にあったゴルフ場を実質的に引き継いだ会社が預託金の返還に応じないのは不当だとして、兵庫県や大阪府の会員22人が8日にも、大阪府摂津市の会社などに預託金額に相当する計約5400万円の支払いを求める訴訟を大阪地裁に起こすことが7日、代理人弁護士への取材で分かった。

 (略)

 同社は会則で、入会から10年を過ぎれば退会時に預託金を返還すると定めていたが、経営破綻。21年3月に不動産やゴルフ事業を手がける「ナンノグループ」の関連会社が事業委託を受けたと会員に通知し、プレーする権利と引き換えに、一律1万円で預託金債権を譲渡するよう求めた。

 しかし同グループ数社は通知の1年前にゴルフ場の土地や建物を取得しており、会員側はこの時点で実質的に事業を継承していたと主張。それにもかかわらず、従来と同じゴルフクラブの名称で営業を続けたため「事業主体の交代に気づけず、預託金回収の機会を逸した」としている。

 訴訟では、事業を引き継いだ会社が旧来の商号をそのまま使用する場合は、引き継ぎ前の債務も弁済する責任を負うと定めた会社法に基づき、ナンノグループ側に返還義務があると主張する方針。

 代理人弁護士によると、会員は数千人いるとみられ、別の会員による大阪地裁での同様の訴訟は今年3月に和解が成立している。

http://www.sankei.com/west/news/151207/wst1512070041-n1.html

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2015/07/31

チャイナリスクによる地方名門の倒産事例

チャイナリスクによる地方名門の倒産事例

  近代セールス2015年8月1日号より。

○[検証]なぜこの会社は倒産したのか!?
 中国子会社のガバナンス崩壊で「チャイナリスク」に対応できず
 白浜雄介(帝国データバンク情報部)

 福井県で有数の名門企業である江守グループが民事再生開始申立した背景。
 元々は、薬種商だったのが、総合企業に発展して、東証1部上場していた。

 中国の売上拡大で、順風満帆だったはずが、今年2月に問題発覚。
 中国取引に多額の貸倒引当金を設定して、一気に債務超過となった。

 中国現法のグループ会社の与信管理が甘く、焦げ付けを出した。
 取引信用補償保険も、義務違反で支払われないこととなった。

 調査すると、現地の元総経理による癒着などもあったという。
 よくある話と言えば、よくある話ですが。

 最終的には、名古屋の興和と投資ファンドがスポンサーとなった。
 名門企業の看板や取引先の信頼関係も保たれることになったという。

 ただ、はっきり言えば。
 中国という国をなめてかかったのが敗因でしょうね。

 ぬるま湯ニッポンの会社員では、どうしようもない。
 これまで、何度となく繰り返されてきたことではありますが。

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