カテゴリー「国際税務・国際的租税回避」の18件の記事

2016/11/28

NHKスペシャル「追跡 パナマ文書 衝撃の“日本人700人”」

NHKスペシャル「追跡 パナマ文書 衝撃の“日本人700人”」

 すごいですね、今回のNHKの取材力。

 いがらしゆみこ氏は、サインが違うとか言ってました。
 AIJ投資顧問の話は、隠し資金が出てくるかも。


NHKスペシャル「追跡 パナマ文書 衝撃の“日本人700人”」
2016年11月27日(日) 午後9時00分(50分)
2016年11月30日(水) 午前0時10分(50分)

番組内容
NHKスペシャル「追跡 パナマ文書 衝撃の“日本人700人”」

史上最大のリークといわれる「パナマ文書」。各国の権力者やその親族の隠れた資産運用の実態を白日の下にさらし、世界に大きな衝撃を与えた。NHKは今年6月から、パナマ文書を分析する国際プロジェクトに参加。新たに日本関連の膨大な文書を発見し、少なくとも700人の日本人の存在が明らかになった。これまで明らかにされてこなかった「パナマ文書」と日本の“知られざる真実”に、海外メディアとの共同取材で迫る。

http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/46/2586868/

 ICIJのデータには、生々しいデータがあったのですね。
 パスポートなんかの写しも入っていたとは。

 何よりビックリは、勝手に名前を使われて、代表者とされていた人たち。
 盗難にあったパスポートが勝手に使われていたのですね。

 偽造されたドコモの請求書が使われていたのは、複数で共通している。
 で、盗難以外でも、レンタル業者からのパスポート流出があったと。

 個人情報を抜かれた人達が代表のアンギラの会社は。
 出会い系サイト運営会社で使われていたらしい。

 しかし、この会社のどこかの特定は、できないまま終わった。
 この後は、刑事事件になるのでしょうね。

 で、今回の取材は、あくまでも第一弾という雰囲気。
 ただ、情報漏洩の怖さを改めて知らしめる内容でした。

 見てない方は、30日水曜深夜の再放送を見なきゃですね。

 でも、見られない人は、下記のNHKサイトを見るべし。


パナマ文書 名前記載の日本人 700人余に
11月27日 5時05分


パナマ文書 国税庁長官 租税回避に厳しい姿勢で臨む方針
11月27日 5時08分

 あ、いがらしゆみこ氏が分からない、若い方もいるかなぁ。

 著作権問題で、「キャンディキャンディ」を絶版にした漫画家です。
 いい漫画だったんですけど、原作者を怒らせちゃいましたからねぇ。

【パナマ文書の衝撃】パナマ文書に小室哲哉氏や天木直人氏の名前…租税回避地の法人役員に一時就任 キャンディキャンディのいがらしゆみこ氏らも 本人は否定 
2016.11.27 06:54更新

 音楽家の小室哲哉氏やイラク戦争に反対した元外交官の天木直人氏が、タックスヘイブン(租税回避地)の法人の役員を一時務めていたことがパナマ文書の分析で26日、新たに判明した。

 両氏は役員就任を認めている。一方、人気漫画「キャンディ・キャンディ」で知られる漫画家いがらしゆみこ氏や、横浜商科大(横浜市)の大村達弥理事長の名もあったがいずれも関係を否定、第三者が無断で名前を使ったとの見方を示した。

 (略)

http://www.sankei.com/world/news/161127/wor1611270014-n1.html

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2016/08/08

「プライベートバンカー カネ守りと新富裕層」清武英利

「プライベートバンカー カネ守りと新富裕層」清武英利

 あの、清武氏って、ノンフィクション作家に転身していたのですね。
 いや、読売新聞時代に、国税庁担当時代もあるので、本書はなるほどですが。


「プライベートバンカー カネ守りと新富裕層」清武英利
 講談社 2016年7月12日第1刷発行

 元は、週刊現代の連載記事らしいですが、出版に際してかなり加筆された模様。
 丁度、パナマ文書が出たりしたので、それ今だって感じだったのかな。

 舞台はシンガポールで、シンガポール銀行ことBOSのメンバーが主な登場人物。
 その中の何人かは、実名だという。

 で、しょっぱなから、5年の喪が明けるのを待っている富裕層が登場する。
 要は、相続税回避のための提案に従って、日本に帰らないで留まる人達。

 現地では、イグジット組と呼ばれるのだそうだ。
 「ゴールイン」あるいは「あがり」の意味だそうだが。

 要するに、佐藤税理士の本でいう「税金亡命」の脱出者ということですね。
 逃税者たちと言ったら、怒られるだろうか。

 しかし、これって皆さん幸せにになれないのだと(P136以下)。
 5年は長すぎるのだという。

 夫は我慢できても、妻や息子の嫁が日本に帰りたいと言い出す。
 で、言い争いの末に、夫や息子を残して、女達は帰国するのだと。

 シビアな現実ですなぁ。

 この本の中で出てくるショッキングな事件については、下記記事があります。
 日本にいると、ちょっと信じられないような事件ですが。


2016年08月06日(土) 週刊現代
「私は奴らに殺されかけた」ある日本人資産家の告白~『プライベートバンカー』その知られざる正体 文:ジャーナリスト 清武英利

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2016/07/30

「税金亡命」佐藤弘幸

「税金亡命」佐藤弘幸


「税金亡命」佐藤弘幸
ダイヤモンド社 2016年7月22日第1刷発行

 「国税局資料調査課」を出した佐藤税理士の第二弾。
 今度は、小説なのですね。

 香港を舞台にした国際租税回避事案ですが。
 提案側の税理士法人のメンバーが登場して、面白いです。

 まぁ、代表者は吉良上野介のような切られ役なのですが。
 脇役たち、特に元国税OB達の心理描写がなるほどなぁと。

 で、派手な国際租税回避スキームに目が行きがちですが。
 この本の最大の特色は、調査官の思考過程を描き出したこと。

 逆の立場になり、調査を回避するために繰り出すあの手この手。
 更に、国税側で、それをひっくり返そうとする攻防。

 いや、課税庁目線でも面白いだろうと思いますし。
 税理士目線で見ても、参考になることが多々あると思います。

 なお、徴収の問題が最後に登場するのが、リアルだと思いました。
 とれなきゃ課税してもしょうがないじゃん、という真実。

 なるほどでした。
 スケールが大きくなっても、そこは変わらないのだなと。

 ただ、納税者目線では、膨大な情報で、文字だけだと辛い面もあるかな。
 是非、ドラマ・映画にしちゃって下さいとエールをおくります。

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2016/06/19

デンソー事件(藤曲武美税理士稿)

デンソー事件(藤曲武美税理士稿)

 税務弘報2016年7月号より。

○連載 裁判例でみる 法人税の基礎 第45回
 タックスヘイブン対策税制の適用除外が争われた事例
 (デンソー事件)
   藤曲武美(税理士)

 画期的と言われ、良識ある判決と言われた地裁判決を覆した。
 あのフジヤマ裁判長による名古屋高裁判決を扱っています。

 過去は納税者勝訴の一審を出し、殆どが高裁で逆転納税者敗訴。
 今度は、納税者を高裁で敗訴させたというなんだかですが。

 私なりに読みますと、一審は、制度趣旨を考慮して解釈した。
 しかし、高裁は、条文の形式的適用を重視した。

 理解の誤りかもしれませんが、そのように読めます。
 もっと言えば、最高裁でひっくり返ると期待しているようにも。

 いや、ここは、私の勝手読みで、放言お許し下さい。

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2016/06/18

外国PEPsって何(バンクビジネス)

外国PEPsって何(バンクビジネス)

 バンクビジネス2016年6月15日号より。
 総特集 改正取引時確認&外国PEPsへの対応に強くなる

○Q&Aで学ぶ改正犯収法の基礎知識
  渡邉雅之(弁護士)

 犯収法とは、犯罪収益移転防止法の略だと。
 これも「犯罪による収益の移転防止に関する法律」の略ですが。

 FACTAにより日本の顧客管理措置が不十分とされた。
 勧告を受けて、今までよりも細かい確認手続きが必要になる。

 顔写真のない本人確認書類は、補完要求があったりするのですが。
 外国PEPsの確認の話もそのような新たな手続きの1つ。

Q4 外国PEPsって何?
   なぜその該当確認が必要になったの?

 PEPsとは、Politically Exposed Personsの略称だそうです。
 国家元首やその親族など、外国の重要な公的地位を有する者だと。

 10月施行の改正犯収法では、取引時に厳格な確認が必要とされる。
 ハイリスク取引とされ、取引実行時に統括管理者の承認が必要だと。

 で、日本人でも、親族関係で該当する可能性があるので。
 十分な注意が必要だとか。

 個人的に気になるのは、法人の実質的支配者の確認。
 実務で、どこまでを金融機関は把握しようとするのだろうか。

 金融機関ごとに足並みを揃えないと、顧客は混乱するばかりだろう。
 さて、どうなるのか。

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2016/06/06

租税条約をマスターしたい!と思ったとき最初に読む本 その3

租税条約をマスターしたい!と思ったとき最初に読む本 その3


租税条約をマスターしたい!と思ったとき最初に読む本
あいわ税理士法人編
中央経済社 2016年2月25日第1版第1刷発行

 続きです。

 事例1 香港法人が内国法人から貸付金利子の支払いを受けるケース

  借り入れ資金は、日本国内の事業で使用する。
  国内法では、香港法人の国内源泉所得として源泉徴収が必要。

  租税条約の書き換えで、国内源泉所得の判定基準が変わる。
  使用地主義から、債務者主義に転換されるが、結果は同じ。

  変わるのは、源泉徴収税率が20.42%から10%になる点。

  実務手続きは、届出書を所轄税務署長宛に支払日前日までに提出。
  源泉徴収義務者側が、香港法人に書類提出を求めて提出する流れと。

 事例3 韓国法人が内国法人から著作権使用料の支払いを受けるケース

  著作権を日本国内の事業で使うので、国内法では日本の国内源泉所得。
  ところが、租税条約では、債務者主義で判定だが、判定結果は不変。

  なので、これも事例1と同様に源泉徴収税率の変更だけ。

  しかし、事例と異なる前提になると問題が生じる。
  これが現実化するのが、次の事例4。

 事例4 韓国法人が内国法人から韓国に所在する装置の使用料の支払いを受けるケース
  韓国所在の装置を日本法人が使用して、レンタル料を払う。
  国内法なら、当然、国外源泉所得にしかなりませんが。

  租税条約で債務者主義となり、日本での課税が生じてしまう。
  源泉徴収税率は、20.42%→10%になるけれど。

  これが、一番怖い課税関係ですね。
  外国の話なのに、日本で課税が起きてしまう。

  実際、一昨年の国際税務専門官の調査では、これを念査してました。
  インドが一番危ないんだそうです。

 続きます。

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2016/05/18

租税条約をマスターしたい!と思ったとき最初に読む本 その2

租税条約をマスターしたい!と思ったとき最初に読む本 その2


租税条約をマスターしたい!と思ったとき最初に読む本
あいわ税理士法人編
中央経済社 2016年2月25日第1版第1刷発行

 続きです。

 内容で、国際税務初心者の私には、メモしておきたいことが幾つか。

 なお、表現は私なりに翻案してある。
 書籍の表現は、ちょっと分かり難いと感じるので。

○租税条約の「居住者」には、個人だけでなく、法人を含む。(P46)

 日本の国内法では、居住者=個人なので、注意と。

○所得源泉地国の変更は、利子・使用料等に特に注意。(P51)

 日本の国内法は、使用地主義だが、多くの租税条約では債務地主義が採用。

○所得源泉地国の課税権があるかないかを読み取る必要がある。(P53)

 居住地国の課税権は当然なので、書いていないこともある。
 居住地国でしか課税できないのか、所得源泉地国でも課税できるのか。

 更に、居住地国課税も、課税できる限度税率を定めている場合がある。
 このあたり、読むまで、全く分かっていませんでした。

○租税条約の減免規定は、所得源泉地国の国内法に従う。(P64)

 租税条約は、所得源泉地国の課税権を制限するものに過ぎない。
 手続き規定の詳細は、租税条約には存在しない。

○特典制限条項のある租税条約は、証明書類の提出が必要。(P66)

 なりすまし防止条項がある日米租税条約では、証明書提出が必要。
 異動がなくても、3年に1度は提出が必要とされている。

 続きます。

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2016/05/17

租税条約をマスターしたい!と思ったとき最初に読む本 その1

租税条約をマスターしたい!と思ったとき最初に読む本 その1


租税条約をマスターしたい!と思ったとき最初に読む本
あいわ税理士法人編
中央経済社 2016年2月25日第1版第1刷発行

 実務の必要性に追われて購入しました。
 過去、あいわ税理士法人の本は、?というものもあったので、どうかなと。

 で、結論から言うと、説明はちょっと微妙にうーんという感じ。
 「オセロで考える国際税務」って、言わんとすることは分かるのですが。

 図解があんまりよくないと、敢えて言いますが(中経さんごめんなさい)。
 オセロの石が6つ、国内法の検討で並ぶというのですが。

 例えば、米法人が邦法人から配当を受ける場合(議決権比率20%)の例で。
 最初は、[1]居住地国の判定からですが。

 国内法で居住地国がアメリカになりましたというのが白石で。
 租税条約での判定でもアメリカなのですが、これが黒石表示です。

 最終判定は、白石でアメリカなんですが、分かりにくい。
 途中、租税条約で内容が変わらないのだから、黒石にする必要はない。

 この例なら、[4]所得源泉地国の適用税率が、国内法では20,42%で。
 租税条約で5%に上書きされるので、そこだけ黒石にすべきでした。

 オセロのように、内容がくるっと変わってしまうという喩えはありですが。
 説明が、あまりにも残念でしたね。

 ただ、内容で、国際税務初心者の私には、メモしておきたいことが幾つか。
 過去に聞いた気もするが、そういえばというのも含めて。

 続きます。

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2015/12/26

ソフトバンク、英移転を一時検討 節税・投資にメリット

ソフトバンク、英移転を一時検討 節税・投資にメリット

 朝日新聞デジタルのトップ記事でした。

 税率メリットが大きいのは当然として。
 インド投資のしやすさもあったと。


ソフトバンク、英移転を一時検討 節税・投資にメリット
大鹿靖明
2015年12月26日07時07分

 ソフトバンクグループ(SBG)が、今年に入って一時、英国への本社移転を検討していたことがわかった。法人実効税率の低さや国際的な投資環境の良さが理由だ。ただ、移転したとしても投資先から収益を得るのがかなり先になりそうで、ひとまず時期尚早として断念した。

  (略)

 SBGは7月、グループ全体を統括する持ち株会社として誕生した。旧ソフトバンクが前身で、日本国内の通信事業を担う旧ソフトバンクモバイルがソフトバンクになった。この組織再編の過程で「さまざまな選択肢を検討した」(広報担当者)中で、本社移転も浮上していた。

http://www.asahi.com/articles/ASHDT5F9JHDTULFA02K.html?iref=comtop_6_01

 組織再編の意思決定には、訴訟の影響が確実にあったのでしょうね。

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2015/12/15

「タックス・オブザーバー当局は税法を理解しているのか」志賀櫻 その2

「タックス・オブザーバー当局は税法を理解しているのか」志賀櫻 その2


タックス・オブザーバー当局は税法を理解しているのか
志賀櫻
NP通信社 2015年9月1日発刊

 続きです。
 今度は、この本で評価できるところ。

 1つはタックス・ヘイブン対策税制についての記述。

「昭和53年度税制改正におけるタックス・ヘイブン対策税制導入時の文献を調べると、高橋元監修「タックス・ヘイブン対策税制の解説」(清文社・昭和54年)の担当官説明には、「軽課税国に所在する子会社等であっても、、そこに所在するのに十分な経済的合理性があれば、それは我が国の税負担を不当に減少させるための手段となっていないと考えられる」という点について、疑問の余地なく一貫した説明がされている。

  (略)

 まず、課税当局はタックス・ヘイブン対策税制の立法趣旨を理解することなく租税特別措置法の規定を形式的にあてはめて課税を行った。そして異議審理庁は異議申立てを棄却して、国税不服審判所も審査請求を棄却した。納税者が、さらに司法の判断を求めたところ、大阪地裁も大阪高裁も同様に立法趣旨を理解することなく納税者を敗訴させ、最高裁はこの事件を取り上げようともしなかった。」
 (同書P59~60)

「タックス・ヘイブン対策税制の本来の趣旨は、国際的租税回避の防遏(ぼうあつ)である。このような立法趣旨については、立法担当官の著述に明らかである。例えば、高橋元監修「タックス・ヘイブン対策税制の解説」(清文社・昭和54年)の81ページ以下に記されている。

  (略)

 租税回避一般、なかんずく課税繰延べを防ぐことが、当初のタックス・ヘイブン対策税制の立法趣旨であった(ただし、平成21年度の税制改正によって「外国子会社配当益金不算入制度」が導入されてからは、課税繰延べが租税回避行為から外れたので、タックス・ヘイブン対策税制の存在理由は、課税繰延べ以外の租税回避行為が対象となる)。

  (略)

 これは、そもそもの立法政策として、「タックス・ヘイブンに子会社を設立する場合であっても、そのことに「経済合理性」があるのであれば、タックス・ヘイブン対策税制は適用しない」ということが当初から宣明されていたためである。

 (略)

 問題は適用除外4要件をすべて充足することと「経済合理性」があることとは全くイコールであるのか否かである。」
 (同書 P72~74)

 そして、これらからわかるように、著者は、租税法解釈での立法趣旨を重視している。
 この点は、当然のようですが、評価したい。

 文理解釈も、趣旨があってこそというのは、関根稔先生がいつも仰ることですが。
 趣旨を考えない条文解釈などあり得ないということで、軌を一にしている。

 繰り返しになりますが、上から目線が目立つ本です。
 しかし、学問や法律への姿勢は真摯だと感じました。

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