カテゴリー「会社法」の79件の記事

2017/11/02

総務・法務担当者のための会社法入門(金子登志雄先生新著)

総務・法務担当者のための会社法入門(金子登志雄先生新著)

 出ましたね。


総務・法務担当者のための会社法入門
金子登志雄
中央経済社 2017年11月10日初版第1刷発行

 「組織再編等会社法務専門司法書士」である金子先生の新著。
 業界では、知らなければモグリだと言われますね。

 会社法や組織再編絡みで、金子先生の本を読んでいて助かった。
 あるいは、読んでいればと後で悔やんだ。

 なんて話を聞いたことは、少なくありません。

 で、金子先生の「入門」って、どういう本なんだろうですが。
 タイトルに「総務・法務担当者のための」があるのがミソ。

 つまり、学者の本みたいに「会社とは」から入らない。
 ズバリ、「第1章 株主総会の基礎知識」から。

 もちろん、第3章で「会社・株式会社とは何か」が出てきますが。
 実務家目線から言えば、株主総会を理解しないと始まらない。

 会計を理解するためにも、法人税法を理解するためにも。
 この1冊が、必ずや実りあるものになると確信しています。

総務・法務担当者のための会社法入門(中央経済社サイト)

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2017/10/02

最新の登記情報取得を怠った結果補正だが(月報司法書士より)

最新の登記情報取得を怠った結果補正だが(月報司法書士より)

 月報司法書士2017年9月号より。

○The Case file
 私の一週間
 (規則等改正が実務に与える影響を中心に)
 関根圭吾(東京司法書士会)

 続きです。

 金融機関の急な代表者変更が支店にまで情報が来てなかった結果。
 委任状の代表者が申請時既に辞任して代表権がないので、補正が必要に。

 数日前に同じようなことをやって通っていたので。
 最新の登記情報を取得して確認するのを怠っていたと。

 うーん、怖いですね。

 続きます。

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2017/07/12

開示不正 その実態と防止策

開示不正 その実態と防止策


開示不正 その実態と防止策
八田進二編著
白桃書房
2017年6月26日初版発行

 八田教授はアカウンタビリティの解除という概念を持ち出す。
 確かに、財務会計の基礎であり、監査の基本であるが。

 しかし、これって、要は信託ということではないのか。
 つまり、委託者が受託者を信じて託すところが、本来のスタート。

 ところが、日本の場合、そもそも信じて託す委託者がいない。
 あるいは、株主がそうだとの認識が非常に薄い。

 監査契約締結時に、会社と監査法人とで契約締結しますが。
 委託者兼受益者である株主が、まともに出てこない。

 定型的な契約で、会社は値切ることしか考えていない。
 少なくとも、株主の方向を会社が向いていない。

 会社が、信じるに足る受託者でないという前提がある。
 この信託契約が、うまくいく訳がないのだと思います。

 まずは、信託の基礎である信任関係をお互いに意識させること。
 そこから始めない限り、全ては無駄でしょう。

 金融庁は、会社と監査法人との関係ばかりをいじって。
 株主と会社との関係に踏み込む気は、恐らくないのですから。

 いや、これに関しては、経産省に期待すべきかもしれません。

 で、私自身は、八田教授の書いていることは、全く響きませんでした。
 すみません。

 実例として、開示不正の結果は、こんな酷いことになるよ。
 そのような結果のひどさの紹介が、ある意味教訓なのかもしれません。

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2017/06/29

顧問税理士のための 相続・事業承継業務をクリエイティブにする方法60

顧問税理士のための 相続・事業承継業務をクリエイティブにする方法60

 待っていたファンタジスタ白井の新作です。
 いや、正確には改定新版なのでしょうけど。

顧問税理士のための 相続・事業承継業務をクリエイティブにする方法60
白井一馬
中央経済社 平成29年7月10日初版発行

 前作の改訂という位置づけですが、かなりバージョンアップしています。
 著者の言う通り、続編というべきなのでしょうね。

 初版以後の税制改正を踏まえて、内容を更に深化させた感じですね。
 既存項目はパワーアップし、新規項目を意欲的に取り込んでいます。

 例えば、小規模宅地特例は、二世帯・有料老人ホームを取り扱っています。
 まさに、今の世の中で、税理士が実務で必要とする知識。

 これに加えて、初版でもあった、信託・一般法人の知識を入れ。
 更に、再編・種類株式まで入れて、最後は事業承継税制。

 既にある程度、白井ワールドが分かっている人には、理解の確認と深化に。
 まだ、出会ってない人たちには、目から鱗の知識がいっぱい。

 そんな位置づけの一冊になるのではないでしょうか。

 で、この本の目指すところは、特別な税理士になろうということではなく。
 大過なく、普通の税理士として、お客様に迷惑を掛けないようにしよう。

 そのような価値観に基づいているのだと思います。

 派手なことをしましょうではなく、基本に忠実に。
 ただ、その基本は、今の時代を踏まえた、時代遅れにならないもので。

 だから、そのような価値観に賛同できれば、是非お勧めです。
 私も、同じですから。

[おまけ]
白井一馬先生の講演会の様子(2016.10.7)

ひじき柵破壊

飼い始めた日

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2017/03/25

収益の認識と引当金の設定-NOVA事件(会計・監査ジャーナル)

収益の認識と引当金の設定-NOVA事件(会計・監査ジャーナル)

 会計・監査ジャーナル2017年4月号より。

〇会計処理の適切性をめぐる裁判例を見つめ直す
 第4回 収益の認識と引当金の設定-NOVA事件
  弥永真生(筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授)

 大阪地裁平成24年6月7日
 大阪高裁平成26年2月27日
 最高裁平成27年3月26日

 NOVAは、受講料の45%をシステム登録料として設定し。
 残り55%をシステム利用料とした。

 契約時には、システム登録料と入学金を売上計上する。
 システム利用料は、繰延収益(負債)として、期間按分で収益化。

 そして、当初、中途解約に応じない方針だったこともあり。
 売上返戻引当金は設定せず、支払時に解約清算金を費用処理していた。

 ただ、途中からは、中途解約に応じる方針に転換して。
 清算金規定により、未受講分相当額の解約清算金払戻しするようになった。

 この規定では、契約時単価を使わず、規定単価を使うことになっていた。
 当初は、規定単価は契約単価より高額になっていたのですね。

 ところが、訪問販売法の改正により、クーリングオフが可能になり。
 元受講生が、契約時単価を使うように訴訟を起こしたのだと。

 その流れの中で、NOVAの会計処理や如何と。

 地裁は、粉飾とまでは言えないとの判断。
 高裁も、これに追随するような判断だった。

 最高裁は、会計処理の適否を争点としなかったので、決着したわけだが。
 弥永先生は、原告「の主張が適切ではなかったのであろうが」と仰る。

 ゲゲゲ。
 更に、

 「裁判所に一般に公正妥当と認められる企業会計の基準ないし慣行の内容を理解してもらうことのむずかしさを示しているように思われる」

 これって、本音は。
 かつてエモやんが言った「ベンチがあほやから野球でけへん」と同旨ですね。

 裁判所がアホだと間接的に言っているように、聞こえます。
 アホに分からせるのは苦労なんだと。

 いや、そうだという弁護士さんも知ってますが。
 私には、とても言えません。

 で、弥永先生の、控訴審判決への批判として。
 収益計上時期の話と中途解約清算方法の話との混同は、なるほどです。

 まぁ、主張する側の説明も悪かったんでしょうね。
 確かに。

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2017/02/03

会計処理の適切性をめぐる裁判例を見つめ直す(第2回 継続性の原則-阪急電鉄事件)

会計処理の適切性をめぐる裁判例を見つめ直す(第2回 継続性の原則-阪急電鉄事件)

会計・監査ジャーナル2017年2月号より。

〇会計処理の適切性をめぐる裁判例を見つめ直す
 第2回 継続性の原則-阪急電鉄事件
 弥永真生(筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授)
  第1審 大阪地裁平成15年10月15日
  控訴審 大阪高裁平成16年4月27日
  上告審 最高裁平成17年8月3日(上告棄却・上告不受理)

 阪急電鉄は、過去において、工事負担金を受領するも、圧縮記帳をせず。
 特別利益として損益計算書に計上していた。

 ところが、経営改善計画を策定し、減損会計導入等に備えて投資損失引当金を設定
 もし圧縮記帳処理していれば、147億円の法人税等を節減できた。

 このため、株主らが善管注意義務違反・忠実義務違反による損害賠償請求で。
 株主代表訴訟を提起したのだと。

 大阪地裁は、継続性の原則違反を例外的な場合に限ると判断した。
 高裁も、これを基本的には踏襲する判決だった。

 弥永教授によると、過去、圧縮記帳すべきか認める見解は商法では有力だったが。
 1980年代以後は、圧縮記帳すべきでない、が多数説になったのだと。

 大阪高裁は、これを踏まえて、正当な理由によらない会計方針変更と言えないと。
 その際に業種別監査委員会報告29号が、影響を与えたとの指摘がある。

 なお、国際会計基準での繰延収益処理つまり負債計上処理について。
 株主は正当処理と主張したが、当時の法務省はそうは認めていなかったと。

 なんか、ふーん、それで、なんですよね。
 私の読み取りが甘いんだろうな。

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2016/12/23

複数の「公正ナル会計慣行」-長銀事件(弥永教授の新連載)

複数の「公正ナル会計慣行」-長銀事件(弥永教授の新連載)

 会計・監査ジャーナル2017年1月号より。

〇会計処理の適切性をめぐる裁判例を見つめ直す
 第1回 複数の「公正ナル会計慣行」-長銀事件
  弥永真生(筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授)

 民事事件・刑事事件の両方とも、最終的には最高裁に行ったので。
 都合6つの裁判名が冒頭に掲げてある。
 
 刑事事件の最高裁(平成20年7月18日)は、税法基準での査定について。

 過渡的な状況では、これまでの公正ナル会計慣行たる税法基準依拠について。
 直ちに違法であったということはできないと判事した(補足意見あり)。

 ここで、標題の複数の「公正ナル会計慣行」という話が出てくる。
 このように過渡的な局面で生じる他、中小会社では複数同時存在し得ると。

 うーん、前者はともかく、後者って、どこかで説明が補充されるのでしょうね。
 いろいろ問題を引き起こしている部分であり、結論だけではちょっと。

 で、民事事件の方は、高裁判決が、最高裁の不受理・上告棄却で確定。
 これは上記刑事事件と同じ日なのですね。

 で、不意打ち防止措置や、周知徹底などの5要件充足がなければ。
 新たな会計慣行は、法規範性として未だ未熟ないし不完全だと。

 つまり、複数の公正なる会計基準の競合が生じた場合に。
 下剋上が成立したというのには、それなりの要件が必要だと。

 なるほどなのですが。
 このような結論を裁判によって得ないといけないということが悲しい。

 金融庁が、従来の現場を軽視する態度は、今に始まったことではないのですが。
 結局、そのような行政は、後で余計に問題を大きくすることを学んでほしいと思う。

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2016/11/15

非監査業務に注力し、監査業務の品質管理が脆弱との指摘

非監査業務に注力し、監査業務の品質管理が脆弱との指摘

 金融庁サイトでの勧告ですが、ドキッとする事務所もあるのでは。


監査法人よつば綜合事務所に対する検査結果に基づく勧告について(公認会計士・監査審査会)

 よつば綜合事務所って、神門剛先生が代表でしたね。

代表者紹介

 かつて、「留保金課税の実務」には、お世話になった気が。

 しかし、勧告における指摘内容は厳しい。

「1.業務管理態勢 最高経営責任者である代表社員(以下「代表社員 CEO」という。)は、非監査業務の拡大に注力する中、グループ法人の運営に主として従事しており、他の代表社員も、自己の個人事務所の運営に主として従事していることから、いずれの代表社員も当監査法人の品質管理業務にほとんど関与していないだけでなく、監査実施者の専門的能力が不足しているなど監査実施態勢が脆弱であることを認識していない。」

 要するに、税務中心なので、監査の品質向上意識がないだろうと。

「2.品質管理態勢 (独立性等の確認) 当監査法人においては非監査業務のウエイトが高く、またグループ法人から非監査業務を受託しているなど、独立性の確認手続は重要なものとなっている。しかしながら、 独立性の確認手続を職員に任せきりにしていることから、独立性の確認に関連して入手 すべき確認書について入手できていないものがみられる。また、インサイダー取引防止 に関連して入手すべき業務提供先の特定有価証券等の売買等を行わない旨の誓約書についても入手できていないものがみられる。」

 税務やコンサル中心だから、利益相反問題への意識も甘くなるでしょと。

「3.個別監査業務 代表社員 CEO を含めた業務執行社員は、不正に関連した監査の基準や収益認識に関連した項目を含め、現行の監査の基準で求められる水準に関する理解・知識が不足してい る。 このようなことから、会計基準に反する売上計上が判明し過年度の決算書を訂正するに至った監査業務において、職業的専門家としての懐疑心を発揮して不正による重要な 虚偽表示を示唆する状況に該当するかを十分に評価すべきであるにもかかわらず、被監 査会社の誤謬であるという主張を批判的に検討することなく受け入れている。」

 古い知識のままで、今の基準や実務にアップデートできていないと。

「このように、検証した個別監査業務においては、重要な不備が認められるほか、広範 かつ多数の不備が認められるなど、当監査法人の個別監査業務は著しく不十分である。 」

 うーん、ここまで書かれちゃうんだ。

 ただ、監査業務と税務業務を同時にやっている中堅公認会計士事務所では、決して他人事ではないでしょうね、これ。

 私は、現在、監査業務ゼロなので、この手の心配はないのですが。
 世の中厳しくなってきましたね。


 

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2016/10/27

二段階買収の実務と法的論点

二段階買収の実務と法的論点

 法学教室2016年10月号より。
 特集 組織再編をめぐる会社法上の論点。

〇二段階買収の実務と法的論点
  中山龍太郎(弁護士)

 二段階買収は、

[1]公開買付けにより議決権保有割合を上昇させる
[2]残存している少数株主を排除するスクイーズアウトを実施する

 との二段階による買収で、完全子会社化する手法だという。

 平成26年改正会社法施行後だけでも。
 既に、26件の上場企業が二段階買収を実施していると。

 改正前は、全部取得条項付種類株式による手法が多用されたが。
 買収側が大多数になっていても、時間や手続が煩雑だったので。

 より機動的なスクイーズアウト手法として手続が新設された。
 それが、特別支配株主の株式等売渡請求制度であると。

 更に、株式併合の手続も改正され、少数株主保護規定が整備された。
 このあたりの改正を受けて、主流となる実務が既に形成されていると。

【1】第1段階での公開買付けにより90%以上保有となった場合

 この場合、株式等売渡請求制度の利用が主流となっていると。

 対象社の総会手続や端数処理手続が不要なので。
 時間的・手続的コストが低いのが理由なのですね。

 また、併せて新株予約権売渡請求を行うことも可能なので。
 特別な手続きを行わずに済むメリットもあるのだと。

【2】第1段階での公開買付けにより90%以上保有に至らなかった場合

 この場合、従来多用された、全部取得条項付種類株式に代わって。
 株式併合を用いるようになってきたのだと。

 少数株主保護で、実質的な差異がないのなら。
 より簡易な手続である株式併合方式が主流になるのは自然だと。

 この結果、「実務も株式等売渡請求と株式併合への収斂を見せつつある」と。

 上場企業向けの知識なのでしょうけど。
 実務の主流が分かって、勉強になりました。

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2016/06/16

総会決議事項の登記に添付する「株主リスト」に関するQ&A

総会決議事項の登記に添付する「株主リスト」に関するQ&A

 T&Amaster2016年6月6日号より。

○ニュース特集
 中小企業は株主名簿の整備が急務!
 総会決議事項の登記に添付する「株主リスト」に関するQ&A

 平成28年10月以後の登記申請から、登記実務が変わる。
 株主リストが、登記の添付書類に加わるから。

 で、法務省がパブコメを実施した。
 その結果別紙の内容紹介が中心の記事。

 意見募集の結果(別紙)

 法人税申告書別表2を使えないのかとの問いには。
 そのままは使えないけどと、以下の回答があった。

「「同族会社等の判定に関する明細書」の記載事項は,「株主リスト」の記載事項と全てが一致するものではないので,株主リストの代替としてこれをそのまま用いることは困難と考えられます。
 もっとも,株主の数が少ない株式会社においては,同明細書の記載内容は,「株主リスト」に記載すべき内容と大部分で重なるものと考えられます。
 そこで,申請人の負担を考慮し,今後,そのような会社を念頭に,同族会社等の判定の明細書を利用した「株主リスト」の記載例を法務省のホームページに掲載することを検討しています」

 できるだけ、みんなの手間が少ない方法期待ですね。

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