カテゴリー「税務」の469件の記事

2018/09/08

Arm’s lengthへの逆風?[浅妻章如](月刊「税」)

Arm’s lengthへの逆風?[浅妻章如](月刊「税」)

月刊「税」2018年9月号より。

巻頭言税制鳥瞰図
Arm’s lengthへの逆風?
浅妻章如(立教大学法学部教授)

かつて、横浜市がJRAに馬券税を課税しようとした時があったと。
その際、指導教官の中里教授とは正反対の立論で議論をしたことがあったと。

当時院生だった浅妻先生は、商業活動と同視できる競馬運営への課税は可と。
中里教授は、国の財政措置介入は不可との立場だったが、横浜市が撤回してしまった。

これが、国際租税法と地方税法との関係を意識した最初だったのだと。
両者には共通点もあるが、大きな違いがあるのだと。

国際租税法では、arm’s lengthと対置され、嫌われている方式がある。
その定式配賦方式での定式が、地方税法では妥当しているのだと。

何故嫌われるのかは、国家間での合意形成可能性が乏しいからと。
欧州での試みはあるが、進展はかばかしくないのだと。

では、arm’s lengthが妥当かというと、一部逆風が吹いており。
浅妻教授主張でも、現実世界と遊離している部分を修正すべきと。

ところが、その根拠になるはずだった判決が、撤回されてしまったので。
著者は途方に暮れているという、オチに繋がる。

……いや、浅妻先生、流石にこれは……。

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2018/09/07

火災保険の保険料負担者と受取人が異なる場合の保険金等の取扱い

火災保険の保険料負担者と受取人が異なる場合の保険金等の取扱い

月刊「税」2018年9月号より。

○ここが知りたい最新税務Q&A
 国税関係Ⅱ 贈与税・所得税
 火災保険の保険料負担者と受取人が異なる場合の保険金等の取扱い
 監修 田中章介(公認会計士・税理士)
 監修 田淵正信(公認会計士・税理士・追手門学院大学客員教授)
 執筆 藤中秀幸(税理士)

 父が、自分達家族と同居するにあたり、自宅を改築。
 満期返戻金のある長期保険型の火災保険に、父が加入した。

 ところが、この保険料は自分が払うことにしており。
 保険事故発生時の保険金受取人は、住居所有者である父にしていると。

 この場合の課税関係はどうなるか、というもの。

 正直、ちょっと説明が、分かり難かった。
 「次のような」 で、次を「……で……ものは除かれる。」とか悪文です。

 あんまり理屈もちゃんと書いていないし。
 条文引用もない。

 失礼ながら、結論だけなら、下記の記事の方がはるかに分かりやすかった。

火災保険の選び方/保険と税金、住宅エコポイント
火災保険金を受け取ったら、税金はどうなる?

自然災害や火災によって損害を受けた場合、契約している火災保険から各種保険金を受け取ることになります。こうした保険金は数千万円レベルにもなりますが、受け取った保険金に税金はかかるのでしょうか?また、契約にあたり、税務上、注意しなければいけない点は?詳しく解説します。
提供:セゾン自動車火災保険株式会社
清水 香
https://allabout.co.jp/gm/gc/382857/


 で、課税されないこと自体は、常識的なのですが。
 何故かの理屈が書いていないので、モヤモヤ。

 この機会に、ちょっと他の文献を探してみようと思っています。

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2018/08/28

白表紙「第1巻」」の要件事実(ゼロからマスターする要件事実)

白表紙「第1巻」」の要件事実(ゼロからマスターする要件事実)

 月刊「税理」2018年9月号(ぎょうせい)より。

○ゼロからマスターする要件事実 第33回
 白表紙「第1巻」の要件事実
 岡口基一(東京高等裁判所判事)

 要件事実が主要事実と同義だとの説について。
 司法研修所民事裁判教官室が説明したことが、かつてあると。

 それが、「白表紙 第1巻」と言われている「民事訴訟における要件事実第1巻(増補版)」だと。

 税務業界では、課税庁の内部用質疑応答集を、かつて白表紙と呼んでいました。
 それは実際に白いセロファン表紙がついていた、いかにも内部資料というものでした。

 司法業界でも、似たような事情があったのかどうか。
 そこは、本稿で書いてありませんが、話を元に戻すと。

 白表紙の中で、「主要事実と同義に帰着」するとの表現は出てくると。
 しかし、これは、何故そのような記述をしたか考えると、要件事実=主要事実説ではないのだと。

 実務での要件事実論創成期において、実は第1の要件事実論とは別の要件事実論があった。
 一部の博識な裁判官が推す、ドイツ法における要件事実論である、第4の要件事実論だと。

 これは、請求原因等の攻撃防御方法の構成要件のことであり、抽象的な要件を指す。
 日本民法の母法がドイツ法である以上、こちらが筋だという考え方が当時一部に存在したと。

 現在の民法学者については、当然に、こちらをベースに考えているけれど。
 それは、歴史的な観点から言えば、まぁ、一定程度理解できると。

 ただ、実務は、第1の要件事実論しか取り得ない。
 いくら「ガラパゴス要件事実」だろうが、現場はこちらを使うしかない。

 そのため、両論併記した上で、具体的事実を意味する第1の要件事実を妥当とした。
 その際に、白表紙で、上述の表現をとったのだと。

 要するに、同義に帰属するというのは、言わば逃げですね。
 そう違うわけではないから、実務での有用性の高い、こっちでいいじゃんと。

 その程度の言い訳での表現に過ぎなかったという意味なんでしょうね。
 いや、私の勝手な想像ですが。

 ところが、その後、「主要事実と同義に帰着」が一人歩きし始める。
 平成23年の「新問題研究要件事実」でも、同種説明が登場するのだと。

 これも司法研修所民事裁判教官室によるものなので、影響が大きい。
 なので、次回以後、これを確認するのだと。

 うーん、この連載ってここまで来ると、実は同床異夢だったということが見えてきますね。
 始めた際の編集者は、税理士向け連載を望んだ筈ですが。

 著者の岡口判事は、司法業界では「王様の耳はロバの耳」と書けないから、税理士業界紙に書いてしまえ、という意図だったのですかね。
 まぁ、連載が続いているということは、編集部も承知しているのでしょう。


 ただ、既に、税理士のための知識という範囲からは逸脱していますよね。
 最後まで連載を走り終えることができるのか、注視していきたいところです。

 あと、本文からすればタイトルのカッコ付けは、「白表紙 第1巻」とすべきですよね。
 読んでいて、編集が手を入れていないのだろうな、という感じが多々あり、なんだかです。

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2018/08/27

サブリース契約(一括借上げシステム)をしている貸家で貸家建付地否認があり得る(速報税理)

サブリース契約(一括借上げシステム)をしている貸家で貸家建付地否認があり得る(速報税理)

 速報税理2018年8月11日号より。

科目別Q&A Archive 資産税の実務
サブリース契約(一括借上げシステム)をしている貸家の敷地の評価は?
高木光男(税理士)

 当然行けるのかと思ったら、ダメな場合があると。

「……、一括貸付契約の相手先が貸主又はその親族等特殊関係者が主宰する同族会社で、その同族会社自体が積極的に入居者の募集(広告)活動を行わず、別の不動産管理会社に丸投げして業務を再委託する場合など、貸主による一括貸付けの目的が単に実際の入居者の有無にかかわらず、その建物の敷地である宅地の評価を貸家建付地とすることによる相続税対策のためだけにあると税務当局に認定される場合(評基通6を適用)は、貸家建付地として評価することができないときがある。」

 これって、事実認定ですので、課税庁のハードルは結構高いはずですよね。
 なので、実務的には、仮装隠ぺいに近いケースでないと、難しいのかと思っていました。

 しかし、この書き方だと、実務的には、発動例があるということですか。
 うーん、資産税詳しい人に聞いてみよう。

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2018/07/30

スマホにマイナンバーカード機能搭載…法改正へ(読売新聞)

スマホにマイナンバーカード機能搭載…法改正へ(読売新聞)

 スマホをなくしたら、どうなるんだろう。


スマホにマイナンバーカード機能搭載…法改正へ
読売新聞 2018年07月30日 07時04分

 政府は、マイナンバーカードに内蔵されている公的な電子証明書を、スマートフォンにも搭載することができるよう制度を見直す方針だ。インターネットでの買い物や銀行取引などが、より安全で簡単になる。来年の通常国会に関連法案を提出する。

 マイナンバーカードのICチップには、本人確認のための電子証明書が記録されているが、現行の公的個人認証法は「二重発行」を禁じている。法改正でスマホ1台分だけ、複製を認める方針だ。マイナンバーカードには、マイナンバーや住所などの個人情報を含むものと、含まないものの2種類の電子証明書がある。複製が認められるのは、「含まない」ものだけだ。

 利用者は、まずマイナンバーカードを取得し、パスワードなどを決める。スマホに電子証明書を複製する方法は、ネットからのダウンロードなどが想定されている。

 (略)

https://www.yomiuri.co.jp/politics/20180729-OYT1T50105.html

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2018/07/27

ロースクールの「要件事実」教育は中学校の理科レベル(「税理」)

ロースクールの「要件事実」教育は中学校の理科レベル(「税理」)

 ぎょうせい月刊「税理」2018年8月号より。

○ゼロからマスターする要件事実 第32回
 司法研修所の要件事実教育とロースクールの「要件事実」教育
 岡口基一(東京高等裁判所判事)

 以前司法研修所で教育されていた「第一の要件事実」とは。
 両当事者の攻防の主張中から、裁判官が抽出・加工したもの。

 ここには、法的判断が入っており、主張事実が構成要件に該当するか。
 認定やあてはめの評価に至るまで、法的な補正まで入れてある。

 法的に間違っているものは、書き直しまでやる。

 消費貸借契約成立主張で、要物契約たる点失念した主張が少なくないが。
 そこを、主張の摘示の際にリライトしているのだと。

 これが高校物理なら、「第三の要件事実」は中学校の理科レベルだと。
 そのくらい、要する知的能力の違いがあるけれど。

 ロースクールでは、平然と要件事実教育をやっていると言っている。
 事例から抽出した事実を請求原因事実・抗弁事実に分類するだけなのに。

 更に問題は、判決書の「当事者の主張」欄の作成ではない点。
 「要件事実」を使って、訴状や答弁書を作成する練習をしている。

 しかし、訴訟や答弁書って、本来、要件事実だけを書くものではない。
 契約の成立主張には、成立要件だけ書けば済むわけではなく。

 成立要件以外の契約の主要条項を網羅的に書くのが、通例だと。
 これが、そのまま司法試験予備試験の出題に反映しているのだと。

 ま、この辺は、今までの説明を読んでいれば、想像つきますね。
 ここまで、特に、新奇な知見はなく。

 ビックリしたのは、

 ”「第三の要件事実」を教えるための教科書が一つもない”

 との指摘。

 授業の教材は、司法研修所のものを使うのなら、そりゃ混乱しますね。
 教える教員は、「主張の摘示」という言葉の意味も分からないだろうと。

 そうなんですか。
 実務家教員って、そんなレベルなんですかね。

 恐らく、言いたいことは、ロースクール教育が平板な2次元だとすれば。
 実務で要求されるのは、立体的な3次元構造の理解ということでしょう。

 順序立てて説明すれば、意味がないとも思えませんが。
 ただ、恐らく、両者の混濁を意図的にやっていることを批判しているのでしょうね。

 で、過去に、司法研修所民事裁判教官室が、ミスリードな説明をしたことがあるそうです。

 そこでは、要件事実と主要事実が同義であるように読めると。
 結果、要件事実=「第三の要件事実」に手を貸したような話。

 次回以後で、そのあたりを説明するのだそうです。

 なんか、読んでいると、第三の要件事実が悪いとか。
 ロースクールが悪いとかいうよりも。

 大学という存在が、悪しき存在になりつつある。
 それが根本にあるようにも思えるのですが、それはうがち過ぎか。

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2018/07/15

「ネット書店課税」創設を 実店舗経営者、自民に要望(産経新聞)

「ネット書店課税」創設を 実店舗経営者、自民に要望(産経新聞)

 既にホリエモンに叩かれていますが。
 どうして、こういう明後日方向に議論が行くのか。


「ネット書店課税」創設を 実店舗経営者、自民に要望
 2018.7.12 21:08

 自民党の「全国の書店経営者を支える議員連盟」(会長・河村建夫元官房長官)が12日に開いた会合で、出席した書店経営者から「インターネット書店課税」創設の要望が上がった。インターネットによる書籍販売が普及し、実店舗の経営が圧迫されているとして「われわれは固定資産税を払っている。区別を図ってほしい」などと訴えた。

 (略)

https://www.sankei.com/politics/news/180712/plt1807120040-n1.html

 ま、昔から、大店法とか、そういう方向の話、好きな人いますね。
 ネットでも、同じような方向で規制しろというのでしょうか。

 文化に課税する前例を作り出すなんて、天に唾する行為だと。
 なんで、分からないのでしょうか。

 まぁ、実現するとは思えませんけれど。

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2018/06/26

第1の要件事実(ゼロからマスターする要件事実)

第1の要件事実(ゼロからマスターする要件事実)

 月刊「税理」2018年7月号より。

ゼロからマスターする要件事実第31回
 第1の要件事実

 岡口基一(東京高等裁判所判事)

 要件事実が、亜種も入れれば3種あるという話の続き。
 簡単に言えば、「第1を他と一緒にしてくれるな」という話。

 裁判官が、当事者主張を整理して書き込む当事者の主張欄。
 弁論主義の立脚点でもあり、漏れなく書かれる必要がありますが。

 これは、当事者主張を、生のまま書き込むわけではなく。
 裁判官による取捨選択、補正等が行われる
ことになる。

 この作業が「主張の摘示」で、ここで書かれた事実が要件事実。
 これこそが、第1の要件事実になる。

 弁済の抗弁の話で、小切手の交付を例に挙げている。
 単なる小切手の交付だけでは、判例により弁済と言えない。

 そこで、これだけであれば、摘示ができないことになる。
 しかし、支払保証とのセットであれば、合せ技で摘示が可能になる。

 また、ある事実の主張をしている場合に、その前提事実があれば。
 その前提事実の主張も当然として、黙示的な主張の認定もある。

 逆に、当事者が、契約の詳細を主張していることは多いわけだが。
 契約成立に関する部分だけを抽出し、残りはカットすることもある。

 つまり、取捨選択や当然前提部分の補充などが作業で入るわけだ。

 陳述書面全体から、データを拾って、フィルターを掛ける。
 その際に、はじくものや、結合するもの、補充するものがある
と。

 これが「主張の認定」であり、「法的判断を伴う高度な能力を要する作業」なのだという。

 個人的には、そのうち、AIのチェックや支援対象領域になりそうな気がしますが、それはさておき。

 亜種である第2の要件事実は、民訴理論との整合性を保つ試みだが。
 実務では使われないものを生み出してしまったことになるし。

 ロースクール発祥の第3の要件事実は、例題中の事実を振り分けるだけ。
 つまり、判断による加工処理がない単純なものだということになる。

Photo

 更に、第1の要件事実における加工は、この先があり。
 法的に正しい表現に修正する必要がある、というのが次回だそうです。

 恐らく、読者のためでしょうけど、部分的に前回以前の振り返りがあり。
 かえって、冗長になっている部分が多いですね。

 連載故の宿命なのかもしれません。
 書籍にする際には、この辺の贅肉はそぎ落とすのでしょう。

 いや、贅肉の塊の私が言うのもなんですが。

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2018/06/23

「軍用地投資」入門(里中一人)

「軍用地投資」入門(里中一人)

 これは、結構すごいです。


お金持ちはこっそり始めている
本当は教えたくない!
「軍用地投資」入門
里中一人
すばる舎 2018年4月24日第1刷発行

 実際に軍用地を買うかどうかは別として。
 取引をどうやって行うのかなどの知識が満載。

 というか、この本を見てないと。
 軍用地の買い付け方法は、多分信じられない。

 いや、読んだ今でも、ほんまかいなレベル。
 そんなとんでもない売買が行われている模様。

 所得税で軍用地控除、つまり概算経費がダメになった話とか。
 最新の話までフォローしている。

 周囲に買っちゃいそうな人がいたら。
 読んでおく方がいいかな、という感じの一冊です。

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2018/05/26

当てた3億馬券申告せず脱税、市職員を懲戒免職(読売新聞)

当てた3億馬券申告せず脱税、市職員を懲戒免職(読売新聞)

 そりゃ、他の職員からすれば、いい迷惑ですね。

 「おまえのところの税務室課長は脱税してるじゃねぇか」
 なんて言われたら、やりきれない。


当てた3億馬券申告せず脱税、市職員を懲戒免職
読売新聞 2018年05月23日 09時05分

 (略)

 同被告は元税務室課長。起訴休職中の今月9日、大阪地裁で懲役6月、執行猶予2年、罰金1200万円を言い渡され、控訴中。市人事室は「納税者の模範となるべき立場でありながら、市役所への信用を失墜させた」としている。
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180523-OYT1T50043.html

 まだ訴訟ではご本人争っていますし、気持ちは分からなくもないですが。
 しかし、根本的なところで、欠落しているものがあったのでしょう。

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