カテゴリー「税務」の393件の記事

2017/05/25

公正証書遺言を作ってはみたけど…(月刊「税理」)

公正証書遺言を作ってはみたけど…(月刊「税理」)

 月刊「税理」2017年3月号より。


○こんなところに落とし穴!
 税理士業務のヒヤリハット
 File No.39 公正証書遺言を作ってはみたけど…
 鈴木真紀(税理士)

 以前作成した遺言を撤回して、すべて公正証書遺言で作成し直すことにした。
 ところが、その前に更に別の遺言があったことが、後で分かったと。

 結果的に影響はなかったようですが、冷や汗ものだったと。
 うーん、でもこれって、完全には対応難しいですね。

 もっと言うと、税理士は方向性を助言することはできても。
 作成そのものにタッチするのは、どうなのかなとも思っています。

 私の場合、懇意にしている司法書士の先生にお願いしています。
 方向性をお話した上で、直接お客さんと話をして公正証書遺言案作成して貰うのですが。

 これもまた、餅は餅屋って話ではないかと。

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2017/05/23

規範的要件と事実要件(ゼロからマスターする要件事実)

規範的要件と事実要件(ゼロからマスターする要件事実)

 月刊「税理」2017年6月号(ぎょうせい)より。

〇ゼロからマスターする要件事実
 第18回 規範的要件と事実要件
 岡口基一(東京高等裁判所判事)

 内容は、「規範的要件と事実要件の区別と統一的理解」について。
 以下、勝手に小見出しを付けてまとめますが。

1)規範的要件とは何か

 「裁判官による規範的評価を必要とする法律要件のこと」
   ex.即時取得における過失(民法192)

◆学習者としての勝手なコメント)

  伊藤滋夫「要件事実・事実認定入門」では、ちょっとニュアンスが違って。
 「規範に関することを内容として定めた要件が規範的要件」だとする。

 そして、事実ではなく評価と見るべきものだが、規範とは関係ないものがあると。
 「規範的要件・評価的要件(以下一括して,「評価的要件」と言う」と括っている。

 規範的というと、「~すべき」という規範の有無を想起させるだろう。
 個人的には、用語法としては、こちらの伊藤説の方が素直な気がする。

 もちろん、著者は生の実務表現を使っているのだと思うが。
 後で本文中で「規範的に評価される」との説明も出てきます。

2)事実要件とは何か

 「規範的評価を伴わない通常の要件」

 ただし、「あてはめの評価」が必要になることはある。
 そのため、事実要件でも、評価の問題が生じることはある。

   ex.弁済(事実要件)
     現金交付であれば弁済に当たることは明かだが。
     単に発行者不明の小切手を交付しただけ(A)では、そうは言えない。
      →事実要件でも、あてはまるかどうかの評価の問題が生じる

◆学習者としての勝手なコメント)

 恐らくだが、比較的、事実としてこうだと言いやすい要件。
 (あくまで、規範的要件と比較して、相対的に言えばだが)

 評価の泥沼に、それほど入らなくても、判断しやすい要件。
 (繰り返すが、それでも評価ゼロではないので、あくまで相対的に言えば)

 なお、区別の基準として、下記の伊藤滋夫氏の説明がわかりやすそう。

「取りあえずは,その基準としては,ある表現を用いた場合に,その表現から誰でもが共通のイメージを抱くことができる場合には,その表現を事実の表現として扱ってよいけれども,ある表現を用いた場合に,その表現から各人がまちまちのイメージを持つような場合には,その表現を事実ではなく評価として扱うということにする,と考えればよいでしょう。」(前述書P79)

 ここから、弁済には共通のイメージが持てても、過失には持てないとの説明がある(同P79-80)。

3)実務における要件事実とは

 証拠調べ前に、要証事実は何かを明確化することが、要件事実論の大きな役割。

 仮に以下2つの主張(上記(A)と下記(B))をしたとして。

 1つは上記(A)で、弁済に該当しないので。
 主張自体失当として、証拠調べの手前で、抗弁と認められない。

 もう1つの主張は、預金小切手を債権者に交付したこと(B)であれば。
 これは、弁済に該当するので、弁済の要件事実を主張していることになる。

 ここでは、「あてはめの評価」を経た具体的事実が、要件事実とされている。

 c.f.
  ロースクールでは、抽象的な法律要件を要件事実としている。
  →実務家から見れば、言葉を言い換えただけにしか見えない。
   ただし、著者の説明は現時点では、司法研修所でも教えなくなっている由。

◆学習者としての勝手なコメント)

 ここはちょっと本論から言えば脱線か。

4)規範的要件では主張自体失当とされる範囲が相対的に狭い

 規範的要件の要件事実とは、その法律要件にあてはまると、
 規範的に評価される具体的事実。

 ex.不法行為における過失
   「相手方は青信号で交差点に進入した」との主張

    …… 青信号で交差点に進入するのが原則なので
       一見すると、主張自体失当に見える。

   →しかし、交差点内で転倒している老人を見ても、
    ブレーキをかけなかった場合であれば、
    青信号で交差点に進入した側の過失があり得る。

 主張自体失当の可能性がある主張でも、要件事実として、
 証拠調べに入ることもある。

◆学習者としての勝手なコメント)

 評価は総合的な判断がされるので、短絡的に結論が出しにくい。
 背景事情として考慮することも踏まえ、まな板には載せるの意味だろうか。

5)まとめと次回へのイントロ

 省略します。

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2017/05/03

会計処理の適切性をめぐる裁判例を見つめ直す(第5回 業界の慣習と収益の認識-JAL事件-)

会計監査ジャーナル2017年5月号より

○会計処理の適切性をめぐる裁判例を見つめ直す
 第5回 業界の慣習と収益の認識-JAL事件-
 弥永真生(筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授)

 東京地裁平成26年5月23日
 東京高裁平成26年11月5日
 最高裁平成27年9月1日

 いわゆるジャパレバの組成により調達したリース物件について。
 オフバランス処理していたことの妥当性が問われた事件。

 オフバランス処理の是非はさておいて。
 ここでは、機材関連報償の会計処理是非について。

 その際、機材関連報償をメーカーから受領しており。
 これを営業外収益に計上していた。

 この機材関連報償は、航空機を大量購入した際の値引きで。
 旧機種退役支援金や、エンジン無償提供などが内容だった。

 何故問題なのかと思いましたが、取得価額の点なのですね。
 連続意見書で、控除して算定せよとなっているだろうと。

 しかし、これが唯一絶対の処理かというと疑問ですね。
 値引の性格はあっても、販促的性格も付与されたものですし。

 一意に値引として、取得価額から控除せよというのは。
 いかに何でも行き過ぎだと思います。

 ただ、弥永先生は、全く捉え方が違っていて。
 会計慣行の幅という視点で、この判決を評価していると。

 まぁ、それもありですかね。

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2017/05/02

BEPSにおける租税回避防止策の動向

BEPSにおける租税回避防止策の動向

 会計監査ジャーナル2017年5月号より。

○連載 CPA Tax Insight
 BEPSにおける租税回避防止策の動向
 荒井優美子(公認会計士・税理士)

 会計士協会の租税調査会研究報告に準拠したものとのこと。
(「法人税法上の包括的な租税回避否認規定の適用をめぐる実務上の問題点」)

 OECD租税委員会の活動を紹介して。
 BEPSプロジェクトの意義と制度設計について解説。

 3つの目的として、整合性・実質性・透明性を挙げる。
 2020年まで協力を継続すると宣言していると。

 勧告の要請は、3つのレベルがあると。
 1 最低基準の提示
 2 共通アプローチの提示及び既存の課税ルール見直し
 3 ベストプラクティスの提示

 日本では、27年28年29年改正での対応があった。
 利子控除制限、移転価格税制など。

 しかし、タックスプランニングの義務的開示は未了。
 どのレベルの話になるのかが、注目されるところだろう。

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2017/05/01

 「子会社を整理する場合の合併・解散と税務」と「事前確定届出給与と未払金経理」

 「子会社を整理する場合の合併・解散と税務」と「事前確定届出給与と未払金経理」

 会計監査ジャーナル2017年5月号より。

○租税相談Q&A 第300回
 「子会社を整理する場合の合併・解散と税務」と「事前確定届出給与と未払金経理」
 田中豊(租相談員)

Q1 100%子会社を整理する場合の合併又は解散に係る課税関係

 設立後50%超支配のある子会社なので、株式消却損が損金にならず資本金等の額を減少させる点と、青色欠損金の承継の点は同じでも、債権放棄の取扱いが焦点になるのですね。

 合併の場合には、寄附金受贈益の損益不算入規定の取扱を受け、寄附修正の対象になる。

 解散の場合には、貸倒損失が損金になるので、親法人では免除益が益金になる。

Q2 届出をした事前確定届出給与を未払金とする場合の取扱い

 最初から見込んでいる場合はダメなのは当然だが。
 後発的なやむを得ない事由ならセーフだというのですね。

 これはビックリです。
 逐条解説を根拠としての著者の記述ですが、個人的に疑問です。

 もちろん、熊本震災だとかがあったら救済され得るでしょうけど。
 この場合のやむを得ない事由は、相当狭いだろうと予測されます。

 極論すると、払えるかどうか怪しい金額を設定していた場合。
 それは事前に見込めたのかどうか、という話になりますが。

 これを課税庁側に立証しろというのは、違和感です。
 バランス感覚として、広くとれないと思います。

 いや、あくまでも私見に過ぎませんが。

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2017/04/26

民法が裁判規範であることの生き証人(ゼロからマスターする要件事実 第17回)

民法が裁判規範であることの生き証人(ゼロからマスターする要件事実 第17回)

 月刊「税理」2017年5月号より。

○ゼロからマスターする要件事実
 第17回 民法が裁判規範であることの生き証人
 岡口基一(東京高等裁判所判事)

 この連載が終わったら、「税理」は定期購読を止めようかと思っているのですが。
 連載、まだ、暫く続く雰囲気ですね。

 で、今回は、裁判規範としての民法つまり裁判規範性についてのお話。
 まず、誤解が多いが、民法は生活行動準則としての行為規範ではないのだと。

 あくまでも、法律要件と法律効果としての条文から成る裁判規範なのだと。
 その視点からは、法律効果の発生は、現実の行為時点ではないのだと。

 ここでは「法律効果の仮象があるにすぎない」と言っています。
 裁判で、法律要件に該当する主要事実の主張立証で初めて発生するのだと。

 へー、初めて読む話です。

 ただ、言われてみると、これって、税務申告でも似た話がありますね。
 不動産を譲渡して譲渡所得の課税要件は充たしても、申告までは「確定」しない。

 もちろん、未確定でも生じているので、申告行為がなかったとしても。
 職権で更正できるので、こちらは、生じていないまでは通常言えませんが。

 で、元の話に戻ると。
 民法の理解を行為規範とするのか、裁判規範とするのかで、解釈の違いを生じると。

 その最たるものが、民法の法律要件には規範的評価を伴うものがある点だと。
 例えば、正当な理由というのは、裁判における裁判官の評価により生じるのだと。

 規範的要件は、民法が裁判規範であることの生き証人と言うべきものだと。

 なるほど、確かに、裁判という局面で機能することがメインですね。
 予防法学的に考えることは、あくまでも反射的効果に過ぎない。

 その意味で、裁判規範として考えないと、民法は十全に機能しないのですね。
 評価要素のない事実要件ばかり見ていると、ここを見落とすよと。

 ちなみに、昔、内田貴教授が何かで書いていたことですが。

 法律は、どの裁判官が判断しても、同じ材料が与えられれば。
 常に、同じ結論を出すことを目指しているのだと。

 つまり、裁判プログラムとしての法律ということですね。
 民法も、当然、その1つだというに過ぎない。

 私なら、そう位置付けますが。

 更に、次回、規範的要件の特殊性について解説するとのこと。
 楽しみにしておきます。

 なお、途中、民法が歴史的に訴訟法と未分離だった時代があると付言してあります。
 現在の民法の時効援用や占有訴権などは、純粋な実体法として見ると疑問だと。

 確かに、そうですね。
 市民法としての歴史を引き摺る以上、やむを得ないのだとは思いますが。

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2017/04/20

ド派手な封筒で「最終警告」…税金滞納者に督促

ド派手な封筒で「最終警告」…税金滞納者に督促

 うーん、冗談か何かだと思って、逆効果になりませんかね。


ド派手な封筒で「最終警告」…税金滞納者に督促
2017年04月18日 08時27分

県税の徴収率アップのため、今月から送付する最終の催告書の封筒(左)と1回目の封筒


 全国ワースト2位の県税の徴収率を改善しようと、奈良県は今月から、滞納者へ送付する催告書の封筒を、黒やオレンジ色に変更した。

 若手職員が発案。強烈な印象の<最後通告>にすることで、汚名返上を狙う。

 1回目に送る催告書はオレンジ色に新調。財産の差し押さえ直前に送る2回目は、「無視できない色」として黒と黄色でデザインし、「至急開封」と大きく記載した。中の書類を取り出すと「最終警告」の文字が現れる。

 (略)

 こうした現状を改善しようと、奈良県税事務所(奈良市)の30歳代までの職員約10人が、勉強会を開いて対策を検討。滞納者へ督促状に続いて送る2回の催告書の封筒を、目に付く奇抜なデザインに変更するよう提案し、採用された。

 全国では、催告書の封筒を黄、ピンク色などにして開封を促し、納税につなげた自治体があるといい、県はそうした事例を参考に10以上のサンプルを作製。「他にはない衝撃」として黒に着目した。

 県は、催促に応じなければ、積極的に差し押さえなどを行う方針。同事務所の岩本好道所長は「税の滞納は、ほかの県民に迷惑をかける行為。できることなら黒封筒を一通も使わずに済むよう、お願いしたい」と話している。(近藤修史)

http://www.yomiuri.co.jp/national/20170417-OYT1T50098.html?from=ytop_main6

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2017/04/07

マイナンバー情報利用料100億円 健保組合が猛反発

マイナンバー情報利用料100億円 健保組合が猛反発

 なんだかなぁとしか言いようがないですね。


マイナンバー情報利用料100億円 健保組合が猛反発
朝日新聞デジタル 4/6(木) 18:38配信

 中小企業の会社員らが加入する「協会けんぽ」や大企業の「健康保険組合」などが、加入者やその家族のマイナンバーを使って所得確認などをするシステム利用料が、合計で年約100億円にのぼることがわかった。ただ健康保険組合連合会(本部・東京)が「高額にすぎる」と反発。厚生労働省は引き下げの検討を始めた。

 システムは7月の稼働を目指し、厚労省主導で220億円をかけて開発を進めている。健保組合などが加入者のマイナンバーを使って、住民票のデータや家族の収入、年金を受け取っているかどうかなどの情報が取り寄せられる。加入者の扶養家族の確認や、傷病手当金と公的年金を二重で受け取っていないかなどもチェックできるという。

 ところが今年1月、厚労省が各健保組合に対して、システム運営費をまかなうために、利用料として加入者とその家族について1人当たり月額10円弱の負担を求める通知を出した。個別の利用件数にかかわらない一律の負担。計8千万人余りが対象となり、年間で約100億円の利用料となる。病院や診療所が請求する診療報酬の審査などを手がける「社会保険診療報酬支払基金」(本部・東京)が料金を集める。

 (略)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170406-00000078-asahi-soci

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2017/03/31

CPE研修の受講期限

CPE研修の受講期限

 CPEの義務は3年間で120時間なので、1年で40時間。
 ただ、年によっては、変動できますよという制度。

 かつて、未達成者が大量に会報に公表されて。
 マスコミ報道で名前をさらされる人も出て。

 結構、退会者が出たんじゃないかという気もします。
 これ自体は、義務でやむを得ないのですが。

 会計士協会受講分と税理士会受講分とのブリッジをなんとかして欲しいと。
 現在の両会の関係だと、難しいんでしょうけどね。

 特に、今回の税理士会の登録方法は、ある種だまし討ちに見えなくもない。
 会計士であり税理士であり、という方は気をつけないと大変ですね。

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2017/03/24

実務の要件事実(ゼロからマスターする要件事実)

実務の要件事実(ゼロからマスターする要件事実)

 月刊「税理」2017年4月号(ぎょうせい)より。

〇ゼロからマスターする要件事実
 第16回 実務の要件事実
 岡口基一(東京高等裁判所判事)

 理論的と実務という話ですが。
 1つは、これまで出てきた用語法についてです。

 抽象的な法律要件を要件事実と呼ぶのが、学説では多数になっているものの。
 実務では、具体的事実を指すとの司法研修所民事裁判官室の見解通りだと。

 次に、理論的整理が、実務では採用されていない場合があると。
 無権代理につき、被告が代理権があるとの立証責任を負う場合を例に出して。

 理屈で言えば、立証責任を負う当事者が、立証に先立って内容を明確化する。
 それが、要件事実の理論的な整理の筈なのに。

 実務の流れを考慮すれば、代理権なしが請求原因の要件事実と言うのは無意味で。
 逆に、代理権があることを抗弁として構成した方が扱いやすいという話。

 このあたりは、確か、既に出てきた話ですね。

 今回は、これまでの話を実務的に振り返って、迷子にならないようにしよう。
 そんな位置づけの回なのでしょうね。

 復習・総まとめの様相で、特に目新しい説明はなかったように思います。
 次回は「規範的要件の評価障害事実」を詳しく確認するとのことです。

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