カテゴリー「信託・信託法」の37件の記事

2017/06/21

城南信金の信託不動産への融資(信託フォーラム)

城南信金の信託不動産への融資(信託フォーラム)

 信託フォーラム2017年3月号より。

〇地域金融機関と民事信託の近時の動向
 信託フォーラム編集部

 城南信金は、信託不動産への融資にも対応していると。
 受益者でなく、受託者に対する融資という位置づけ。

 既存ローンを信託財産への融資に承継させるのも可能だし。
 他の金融機関分など複数ローンのまとめも可能だと。

 更に、債務引受と組み合わせ、次世代融資取引承継もできると。

 で、信託契約内容の把握が重要事項だとの認識であり。
 契約変更は、金融機関の事前同意が条件としているのだと。

 なるほど。

 また、当然、融資前の契約内容確認も審理上の重要事項なので。
 提携する弁護士・会計士のチェックを前提としているようです。

 これらの費用は、信託融資取扱手数料として、顧客負担になる。
 なるほど、業務がちゃんと回る仕組みを構築しているのですね。

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2017/06/20

城南信金の信託口口座への取り組み(信託フォーラム)

城南信金の信託口口座への取り組み(信託フォーラム)

 信託フォーラム2017年3月号より。

〇地域金融機関と民事信託の近時の動向
 信託フォーラム編集部

 地銀などの動きを概観するコーナーのようですが。

 城南信金の話が、ちょっと注目されました。
 同信金相談役の吉原毅氏への聞き取りがソースのようです。

 信託口口座について、コミングルリスクを避けるために。
 個人の口座と信託受託者の口座で内部管理番号を分けているのだと。

 口座名で「家族信託口」と示すだけではないのだと。
 更に、複数信託契約があれば、内部管理番号は複数持てると。

 で、家族信託口について、AとBという2種類口座を用意。
 A口座は、受託者権限のみで出入金できる口座で、基本ですが。

 チェック機能を期待できるよう、B口座を用意。
 こちらは、複数人の関与がないと、口座外への資金移動ができない。

 A口座が日常生活資金、B口座がその他多額の財産というイメージ。
 要は、受託者の悪用防止のための仕組みなんでしょうね。

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2017/06/19

目的信託の委託者の権利は支配が継続と言えるかもって(信託フォーラム)

目的信託の委託者の権利は支配が継続と言えるかもって(信託フォーラム)

 信託フォーラム2017年3月号より。

〇対談 健全な信託を目指して-信託法と税法の対話-
 三木義一(青山学院大学)・新井誠(中央大学)

 税法が専門の三木教授と信託法・成年後見が専門の新井教授の対談。
 ちょっと、あれっと思った部分があり。

 目的信託では、委託者が強い権限を持っていると。
 信託法260条を根拠に、新井教授が、信託譲渡が形式的だと主張。

 それに対して、三木教授が。委託者の支配が継続しているのなら。
 譲渡は起きていないのだと整理することもできるのではと。

 なんか噛み合っていない気が。

 信託法260条って、基本、クレーム言ったり、モニタリングする権利。
 信託法145条2項の強制化が、実質的な内容ですから。

 それって、支配とは言わないでしょう。
 条文見て議論していないんだろうな、という感じです。

 新井教授の話題の持ち出し方も、ちょっとミスリード気味ですが。
 三木教授も、ちょっと安易にコメントし過ぎじゃないかなぁ。

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2017/05/19

式辞に歌詞引用、著作権料を 京大HP掲載でJASRAC

式辞に歌詞引用、著作権料を 京大HP掲載でJASRAC

 JASRACによる監視社会。
 いや、冗談じゃなくて。


式辞に歌詞引用、著作権料を 京大HP掲載でJASRAC
京都新聞 5/19(金) 5:00配信

 昨年ノーベル文学賞を受賞した米歌手ボブ・ディランさんの歌の一節を、京都大の山極寿一総長が取りあげた4月の入学式の式辞について、日本音楽著作権協会(JASRAC)がウェブ上に掲載した分の使用料を京大に請求していることが18日、関係者への取材で分かった。

 (略)

■「引用」議論になる可能性も

 著作権問題に詳しい岡本健太郎弁護士(東京弁護士会)の話 JASRACが踏み込んだ対応をしたという印象を受ける。ウェブにある式辞を見ると、引用部分とそれ以外が明瞭に区別され、ボブ・ディランさんの歌詞よりも山極総長の発言の方が多い。出典の記載もある。掲載されたのが大学の入学式の式辞という点を考慮すれば、引用と認められるのではないか。ただ引用と認められるためには、ほかの大学でのウェブ掲載の事例なども参考に「公正な慣行」と見なされることも必要となり、こうした点が議論になる可能性はある。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170519-00000001-kyt-l26

 信託の精神を理解していないのが、受託者たるJASRAC。
 彼らは、委託者の「心」を理解していない。

 お金を下さいではなく、きちんと評価して欲しい、鑑賞して欲しいのだ。
 何より、そこが先でしょう。

 なのに、委託者の創作物の利用への萎縮効果を生じさせる行為しかしない。
 そもそも、受託者として、選ぶべきではない相手を選んだ不幸。

 信託で、最もやってはいけないのは、信じられない受託者を選ぶこと。
 ところが、今はそれしか、現実的に選べない場合が大半だったりする。

 委託者の心を忖度できない受託者って、冗談の世界ですが。
 いや、彼らには、心を、使用料に換算してしか理解できないのだ。

 それは、委託者から受託者への信託が、定型行為として行われてしまうから。
 本来の、信託の精神を奪った、いわば潜脱的利用者、それがJASRAC。

 お抱えの学者さんもいるようですが、そこは口をつぐむのだろうか。

平成29年5月20日(土)7:09追記

 下記が本当であれば、誤解であったとお詫び申し上げます。
 ただ、基本的な態度については、何らコメントを変更する必要ないとの認識ですが。


京大HP「ボブ・ディラン」著作権料請求報道、JASRAC「請求していない」と困惑
弁護士ドットコムニュース / 2017年5月19日 13時45分

 (略)

JASRACによると、一般論として、ウェブ上では、営利目的がなくても著作権が働くことから、たとえ大学であっても手続きが必要な場合があるという。JASRAC広報課の担当者は「私どもが管理する著作物がウェブに掲載されていることを確認したので、利用状況について問い合わせし、一般的な利用手続きについてご案内した。具体的な請求はしていない。請求という話が一人歩きしているのは当事者双方にとっていい話でない」と困惑していた。

(弁護士ドットコムニュース)

https://news.infoseek.co.jp/article/bengoshi_6112/

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2016/12/26

信託法と相続法(沖野眞巳)その5

信託法と相続法(沖野眞巳)その5

「相続法の立法的課題」(水野紀子編著 有斐閣2016年2月25日初版第1刷発行)より。

〇信託法と相続法
 -同時存在の原則、遺言事項、遺留分
 沖野眞巳(東京大学大学院法学政治学研究科教授)

 続きで、 [4]被相続人による処分範囲の限定

 …… 被相続人の死因処分ができる範囲を被相続人の死亡時に
    現存する主体までに限定するというねらいないし機能

 この場合の、同時存在の原則が示すものは。
 自らの死亡時における主体として存在していた者は処分先にできるが。

 自らの死亡時における主体として未存在の者は、処分先にできない。
 そのような限界付けだと。

 ここには政策判断があるのだと。
 死者の認識の及ばない主体には、財産取得を許容しないとの価値判断だと。

 信託法91条が、死亡時の後に登場する主体に権利取得を認める以上。
 この条文は、民法の同時存在の原則に抵触することになる。

 なるほど。
 ここで初めて、同時存在の原則が抵触する局面が登場するのだ。

 そして、抵触故に、これが信託法の解釈に影響するとの立場もあり得るが。
 信託法が、別の政策判断を採用したとの立場もとれるだろうと。

 つまり、上記の価値判断を乗り越えた価値判断を許容するとの判断ですね。
 当たり前と言えば当たり前ですが。

 沖野教授が言いたかったことを、自分なりにまとめると。
 要は、

〇同時存在の原則そのものが、そもそも価値判断、政策判断を含む
〇信託法が、同時存在の原則そのものと抵触する部分は実は1点だけ
〇しかも、その抵触部は、政策判断を含む部分であり、純粋理論ではない
〇であれば、民法の立場だけで、その当否を批判するのは実は不当だろう
〇判断すべきは、相続法制度全体での合理性判断が必要なのだろう

 こんなことではないかと。
 最後の方は、明示的に示されていないので、推測を含みますが。

 なるほどね。
 自明のようなことが、実はそうそう自明ではないんだよと。

 次の「遺言事項」は私には興味のない議論なので飛ばして。
 遺留分について、次に続きます。

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2016/12/21

信託法と相続法(沖野眞巳)その4

信託法と相続法(沖野眞巳)その4

「相続法の立法的課題」(水野紀子編著 有斐閣2016年2月25日初版第1刷発行)より。

〇信託法と相続法
 -同時存在の原則、遺言事項、遺留分
 沖野眞巳(東京大学大学院法学政治学研究科教授)

 続きで、 [3]相続による承継の早期の円滑な決定 です。

 …… 被相続人の死亡時に未存在の者が将来権利を取得する
    ことが企図されると、それにより、相続人に不確定な
    義務や負担を課したり、相続にによる財産承継の円滑を
    阻害したりしかねないことから、そのような相続人に
    対する不確定な義務や負担の負荷の防止

 相続人に不確定な義務を課すことの不当性と。
 受遺者の承認や放棄を速やかに確定させる民法の趣旨があると(民987)。

 遺贈の場合、有効に成立していたとしても。
 下記の場合には、遺贈は遡及的に失効して、対象財産は相続財産に復する。

・受遺者の未存在が確定したとき
・全ての受遺者が放棄をしたとき

 このため、相続による承継は上記が明確になるまで確定しない。
 なるほど。

 では、信託の場合はどうか。
 こちらは事情が異なるのだと。

 未存在の受益者がいることの不確実性という論点については。
 このリスクは、既に受託者が引き受けていることで該当しない。

 また、信託は効力発生時に、確定的に相続財産から逸出するのだから。
 遺贈のように、不確定状況が続くということはないだろうと。

 受益者未存在が確定しても、受益権放棄となったとしても。
 信託が遡及的に失効するのではなく、信託の手続を踏んで終了するだけ。

 確かに、これをもって、信託が同時存在の原則を害しているとは言えない。
 続きます。

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2016/12/20

信託法と相続法(沖野眞巳)その3

信託法と相続法(沖野眞巳)その3

「相続法の立法的課題」(水野紀子編著 有斐閣2016年2月25日初版第1刷発行)より。

〇信託法と相続法
 -同時存在の原則、遺言事項、遺留分
 沖野眞巳(東京大学大学院法学政治学研究科教授)

 続きで、[1]相続財産の帰属主体の継続性の保障 です。

 …… 被相続人からの財産承継において帰属主体が存しない
    無主の財産を一瞬でも作り出さないという要請

 これが、同時存在の原則の意義として、最も一般的だと。
 しかし、これは信託の場合は、問題にならないだろうと。

 無主の状況を作り出しませんから。

 次に、[2]法律行為の効力発生時に未存在の者への権利の付与 です。

 …… 被相続人の死亡時に未存在の者は権利を取得しない
    という帰結

 信託法91条が、同時存在の原則違反と言われているのは。
 この[2]の点であると。

 権利あるいは権利取得の発生原因である法律行為の効力発生時に。
 未だ存在していない者に、受益者としての権利や地位が付与される。

 しかし、これは相続法固有の問題ではないと。
 権利能力の派生命題なのだと。

 信託の場合、未存在や不特定者を受益者とすることも可能だし。
 効力発生時に現に受益者が存しない信託の設定も可能である。

 ここで、委託者が最初の孫を受益者とする信託を設定した場合。
 一見すると、受益権が未存在者に付与されているかに見える。

 しかし、受益者が存在することが、受益権発生の停止条件だと。
 そう理解するならば、受益権は帰属主体空席にはなってない。

 そうですね。
 有効な権利になってないのだから、空席の議論はナンセンス。

 すると、[1][2]両方の意味で、信託は同時存在の原則と抵触しない。
 これは、ちょっと驚きました。

 続きます。

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2016/12/19

信託法と相続法(沖野眞巳)その2

信託法と相続法(沖野眞巳)その2

「相続法の立法的課題」(水野紀子編著 有斐閣2016年2月25日初版第1刷発行)より。

〇信託法と相続法
 -同時存在の原則、遺言事項、遺留分
 沖野眞巳(東京大学大学院法学政治学研究科教授)

 続きで、同時存在の原則についてです。
 4つの問題があるのだと指摘しています。

【技術的な側面】

 [1]相続財産の帰属主体の継続性の保障

 …… 被相続人からの財産承継において帰属主体が存しない
    無主の財産を一瞬でも作り出さないという要請

 [2]法律行為の効力発生時に未存在の者への権利の付与

 …… 被相続人の死亡時に未存在の者は権利を取得しない
    という帰結

【実質や機能的な側面】

 [3]相続による承継の早期の円滑な決定

 …… 被相続人の死亡時に未存在の者が将来権利を取得する
    ことが企図されると、それにより、相続人に不確定な
    義務や負担を課したり、相続にによる財産承継の円滑を
    阻害したりしかねないことから、そのような相続人に
    対する不確定な義務や負担の負荷の防止

 [4]被相続人による処分範囲の限定

 …… 被相続人の死因処分ができる範囲を被相続人の死亡時に
    現存する主体までに限定するというねらいないし機能

 続きます。

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2016/12/18

信託法と相続法(沖野眞巳)その1

信託法と相続法(沖野眞巳)その1

「相続法の立法的課題」(水野紀子編著 有斐閣2016年2月25日初版第1刷発行)より。

〇信託法と相続法
 -同時存在の原則、遺言事項、遺留分
 沖野眞巳(東京大学大学院法学政治学研究科教授)

 信託法が、相続法を潜脱する可能性を民法学者は意識して批判している。
 しかし、そもそも、その相続法の公序とは何なのか。

 同時存在の原則の重さにしても、そもそも自覚されていたか。
 また、遺留分以外の相続法の公序とはそもそも何たるか。

 実は、このあたりが、明確には意識できていなかったのではないかと。
 なるほどです。

 著者は、このような問題意識において3つを具体的に検討すると。

 [1]同時存在の原則
 [2]遺言事項
 [3]遺留分

 続きます。

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2016/10/05

「日本の相続問題と信託活用の有効性」関根稔

「日本の相続問題と信託活用の有効性」関根稔

 家族信託ガイド第3号(日本法令)より。

○Front Reiew
日本の相続問題と信託活用の有効性
関根稔(税理士・公認会計士・弁護士)

 taxMLでは、普段から、関根先生が仰っていることですが。

 民法の法定相続分に正義はあるのか、という話から入って。
 相続法制に依拠するのではなく、生前に信託を活用すべきだろうと。

 で、民法が配偶者の相続分を見直す契機は何だったのかというのに。
 婚外子の持分についての最高裁判決(H25.9.4)が原因だと喝破している。

 民法相続編の改正は、法律の現状と、法の下の平等との齟齬故だと。
 なるほどです。

 他に、樋口範雄教授が、対談記事で登場していますが。
 そうか、樋口教授は、医療法も研究対象とされていたのだなという感想。

 ところで、この雑誌では、執筆者が、何故か定形ポーズをとるのですね。
 とってない人もいますが、なんか私には違和感。

 いや、関根先生が普通の写真で、個人的にはほっとしました。

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