カテゴリー「書籍・雑誌」の659件の記事

2017/03/25

収益の認識と引当金の設定-NOVA事件(会計・監査ジャーナル)

収益の認識と引当金の設定-NOVA事件(会計・監査ジャーナル)

 会計・監査ジャーナル2017年4月号より。

〇会計処理の適切性をめぐる裁判例を見つめ直す
 第4回 収益の認識と引当金の設定-NOVA事件
  弥永真生(筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授)

 大阪地裁平成24年6月7日
 大阪高裁平成26年2月27日
 最高裁平成27年3月26日

 NOVAは、受講料の45%をシステム登録料として設定し。
 残り55%をシステム利用料とした。

 契約時には、システム登録料と入学金を売上計上する。
 システム利用料は、繰延収益(負債)として、期間按分で収益化。

 そして、当初、中途解約に応じない方針だったこともあり。
 売上返戻引当金は設定せず、支払時に解約清算金を費用処理していた。

 ただ、途中からは、中途解約に応じる方針に転換して。
 清算金規定により、未受講分相当額の解約清算金払戻しするようになった。

 この規定では、契約時単価を使わず、規定単価を使うことになっていた。
 当初は、規定単価は契約単価より高額になっていたのですね。

 ところが、訪問販売法の改正により、クーリングオフが可能になり。
 元受講生が、契約時単価を使うように訴訟を起こしたのだと。

 その流れの中で、NOVAの会計処理や如何と。

 地裁は、粉飾とまでは言えないとの判断。
 高裁も、これに追随するような判断だった。

 最高裁は、会計処理の適否を争点としなかったので、決着したわけだが。
 弥永先生は、原告「の主張が適切ではなかったのであろうが」と仰る。

 ゲゲゲ。
 更に、

 「裁判所に一般に公正妥当と認められる企業会計の基準ないし慣行の内容を理解してもらうことのむずかしさを示しているように思われる」

 これって、本音は。
 かつてエモやんが言った「ベンチがあほやから野球でけへん」と同旨ですね。

 裁判所がアホだと間接的に言っているように、聞こえます。
 アホに分からせるのは苦労なんだと。

 いや、そうだという弁護士さんも知ってますが。
 私には、とても言えません。

 で、弥永先生の、控訴審判決への批判として。
 収益計上時期の話と中途解約清算方法の話との混同は、なるほどです。

 まぁ、主張する側の説明も悪かったんでしょうね。
 確かに。

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2017/03/24

実務の要件事実(ゼロからマスターする要件事実)

実務の要件事実(ゼロからマスターする要件事実)

 月刊「税理」2017年4月号(ぎょうせい)より。

〇ゼロからマスターする要件事実
 第16回 実務の要件事実
 岡口基一(東京高等裁判所判事)

 理論的と実務という話ですが。
 1つは、これまで出てきた用語法についてです。

 抽象的な法律要件を要件事実と呼ぶのが、学説では多数になっているものの。
 実務では、具体的事実を指すとの司法研修所民事裁判官室の見解通りだと。

 次に、理論的整理が、実務では採用されていない場合があると。
 無権代理につき、被告が代理権があるとの立証責任を負う場合を例に出して。

 理屈で言えば、立証責任を負う当事者が、立証に先立って内容を明確化する。
 それが、要件事実の理論的な整理の筈なのに。

 実務の流れを考慮すれば、代理権なしが請求原因の要件事実と言うのは無意味で。
 逆に、代理権があることを抗弁として構成した方が扱いやすいという話。

 このあたりは、確か、既に出てきた話ですね。

 今回は、これまでの話を実務的に振り返って、迷子にならないようにしよう。
 そんな位置づけの回なのでしょうね。

 復習・総まとめの様相で、特に目新しい説明はなかったように思います。
 次回は「規範的要件の評価障害事実」を詳しく確認するとのことです。

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2017/03/22

「監査の品質をめぐる競争」って

「監査の品質をめぐる競争」って

 会計・監査ジャーナル2016年7月号より。

〇緊急全国研修会
 『「会計監査の在り方に関する懇談会」提言を受けて』報告

 信じられません。


 次に、「大手上場企業等の監査を担える監査法人を増やす環境整備」に関する提言は、大手の4監査法人が上場時価総額ベースで9割以上の上場企業の監査を担っているという寡占的な状況の下で、もう少し監査の品質をめぐる競争をもたらすような環境整備が必要なのではないかという問題意識に基づくものである。

(講演1 金融庁総務企画局審議官 森田宗男)

 監査の品質の評価を金融庁が行っても、報酬は企業が払う。
 この捻れがある状況で、競争原理を口にするのは、アホでしょう。

 誰でも思いつくことは、帝国監査法人構想です。
 もう20年以上前に、飲み屋で話をしていたことですが。

 報酬配分査定方式にして、会計士を準公務員化してしまう。
 独立資格としての公認会計士は、たぶん、死にますが。

 ただ、安易に監督庁が競争という言葉を口にすることに対して抗議できない業界。
 既に死んでいるのかもしれません。

 で、この金融庁審議官の発言は、「結果見てなら誰でも言えること」でしょう。
 子供に悪いことはダメというのと同じで、中身がない。

 本当の処方箋を探すのが、大人の実務家でしょう。

 森会長(当時)の講演2は、協会対応ですが。
 やはり、今の処方箋になっているわけではない。

 関根愛子会長に期待するしかないのでしょうか。

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2017/03/19

最近の民事法(相続)に関する裁判例の影響(月刊「登記情報」)

最近の民事法(相続)に関する裁判例の影響(月刊「登記情報」)

 登記情報2017年3月号より。

〇登記実務からの考察
 その他・最近の民事法(相続)に関する裁判例の影響
 早川将和(司法書士)

 単にメモとして列挙するだけにしておきますが。

1 非嫡出子の相続分(最高裁平成25年9月4日)
2 嫡出推定の効力(最高裁平成25年12月10日)
3 認知と認知無効主張(最高裁平成26年1月14日)
4 いわゆる一人遺産分割(東京高裁平成26年9月30日)
5 再婚禁止期間(最高裁平成27年12月16日)
6 遺言における花押と署名押印(最高裁平成28年6月3日)
7 預金債権と遺産分割(最高裁平成28年12月19日)
8 養子縁組の効力(最高裁平成29年1月31日)

 すごいですね。
 こんなに重要な裁判例が次々と登場しているとは。

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2017/03/16

「野村證券第2事業法人部」横尾宣政 その4

「野村證券第2事業法人部」横尾宣政 その4

「野村證券第2事業法人部」横尾宣政
講談社 2017年02月22日発売(2017年3月1日発行)
https://www.amazon.co.jp/dp/4062204622/

 続きです。

 オリンパス事件で、自分が脱税に絡んでいると税務調査を受けた。
 その中での記載で、興味ある記述がありました。


 私の自宅はGCIの社宅扱いで、室内も事務所として使えるような仕様に設計してあった。私は毎月100万円の家賃をGCIに払って住んでいた。新築した社長の自宅を社宅として登記するのは、中小企業ならどこでもやっている節税策だところが調査官からは『なぜここが社宅なのか?住む所と、食べ物と、服は自分で買うのが常識だ』と問い詰められ、私は社宅をGCIから買い取らされる羽目になった。

 著者が言うように、この節税策を勧める税理士は極めて多いのですが。
 で、何故現場で否認されないのだろうなと思っていました。

 正直、私はやるべきではないと思っていたので、勧めたことはありませんが。
 否認されないのなら、過度な自己抑制かもと思ったりしていたので。

 そうだよな、やっぱり否認はあり得るよな、というので逆に安心しました。
 著者には悪いですが、著者の常識がおかしかったのだと思います。

 で、オリンパス事件では無罪だということで、現在最高裁上告中だと。
 刑務官もそのように言ってくれたと最後に書いてあります。

 私には、真実はわかりませんし、この方も魅力ある方なんだろうと思います。
 それでも、やはり、この方には、価値判断の歪みが僅かに感じられます。

 前半の若手時代に泣かせた顧客たちの死屍累々の怨嗟の声が。
 巡り巡って、今に振りかぶったのだと言えば、運命論過ぎるかもしれません。

 しかし、極論すれば、悪い人たちと付き合った結果、悪い人たちに騙された
 著者の主張は極論すれば、そういうことになるわけです。

 なので、最高裁がどう出るかは分かりませんが、主張を鵜呑みにはできないかと。
 私自身はそのように思って読みました。

 でも、経済に携わる人であれば誰でも、必ず読むべき一冊です。
 それだけは間違いないと思います。

 なお、取材・構成は田中周紀氏の名前がありました。
 税務関係の記述に酷い誤りがないのは、納得ですね。

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2017/03/15

「野村證券第2事業法人部」横尾宣政 その3

「野村證券第2事業法人部」横尾宣政 その3

「野村證券第2事業法人部」横尾宣政
講談社 2017年02月22日発売(2017年3月1日発行)
https://www.amazon.co.jp/dp/4062204622/

 続きです。

 東京国税局は、海外に調査官を派遣して、スキーム全貌を解明していたと。
 当時の調査第1部特官の鈴木一友氏の発言がすごい。

「……。それにしても、大したスキームを考えついたものだ。ノーベル賞ものだよ。」
「……。それにしても、これは今世紀最高の金融取引だ。こんな決算操作ができるものかと恐れ入った。この取引は寄付にも、贈与にも、損失補填にも当たらない。合法的で真っ当なものだ。それは認める。だがわれわれはロンドン、アムステルダム、ニューヨークに調査官を派遣して、大変な人手とカネをかけて3年間調査した。こんな調査は前代未聞だ。ここで『ああ、そうですか。分かりました』と引っ込むわけにはいかない。オレの立場も考えて、少なくとも200億円程度は税金を払ってもらいたい。会社の上層部には言えば分かるから、そこのところを君からもはっきり伝えてほしい」

 で、鈴木特官が最後通告を行うのですね。

「それは百も承知だが、この前言ったことは覚えているな。税金を払わないつもりなら、新聞を使ってでも、どんな手を使ってでも課税してやる。会社の上層部にそう伝えておけ」

 本気だと分かったので、副社長に伝えたが、本気にしなかったようです。
 上は、国税OBを大量に押さえているので、問題ないと思っていたようですが。

 ところが、その後、読売新聞報道を皮切りに。
 第一次証券不祥事が起こって、幾つかの証券会社社長が辞任。

 更に、昭和シェルの営業特金でのワラント売買も新聞報道され。
 東京国税局は、スキームを損失補填による寄附行為と認定したと。

 上記記事をどう扱うかはともかく、この生々しさを凄いですね。

 この後、個性あふれる役員たちの紹介から、オリンパス事件への流れですが。
 そこは、あまり興味ないので省きます。

 ただ、そちらも当然ですがエグいです。
 特に、公認会計士であれば、一読しておいた方がいいかなと思います。

 でも、中で税務的な面で興味ある記載があったので、それだけ書いておきます。

 続きます。

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2017/03/14

「野村證券第2事業法人部」横尾宣政 その2

「野村證券第2事業法人部」横尾宣政 その2

「野村證券第2事業法人部」横尾宣政
講談社 2017年02月22日発売(2017年3月1日発行)
https://www.amazon.co.jp/dp/4062204622/

 続きです。

 ブラックマンデーの大暴落で、昭和シェルは営業特金で500億の損失を抱えた。
 このまま決算を迎えると大変なことになると、著者は野村證券として対応。

 ただ、野村證券は損失補填の「飛ばし」を御法度にしていた。
 で、どうやって損失を埋めるのかに、著者は頭を悩ませたのだと。

 この際には、あの現SBIの北尾吉孝氏も関わっていたのですね。
 で、昭和シェル救済スキームとして、ドル建てワラントを利用することになった。

 ロンドンでドル建てワラントを野村が一括して仕入れておいて。
 昭和シェルの営業特金との間で、購入と売却を繰り返していく。

 これにより、ワラント相場全体を吊り上げ、売却益を積み重ねる。
 株式と異なり、当時は株価操縦概念がなかったのだというのですね。

 で、正規の商売ということで、しっかりコミッションも徴収して。
 プロジェクトをやり遂げて、異動になったところで、国税局が来たのですね。

 続きます。

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2017/03/13

「野村證券第2事業法人部」横尾宣政 その1

「野村證券第2事業法人部」横尾宣政 その1

「野村證券第2事業法人部」横尾宣政
講談社 2017年02月22日発売(2017年3月1日発行)
https://www.amazon.co.jp/dp/4062204622/

 必読の1冊です。
 ただし、後半のオリンパス巨額粉飾決算事件関係はおまけとして読むべきですが。

 かつて、日本経済にとって、証券会社が果たした役割がこれほどとは。
 中小企業のみならず、上場企業がこれだけエグい行動をとっていたとは。

 野村證券だけでなく、相手の会社側の人間も実名で書いてあるのですが。
 過去の手口の暴露がものすごいです。

 「ファミリーファンド」
 「ロクイチ国債」
 「仕切り商い」
 「ドレッシング商い」
 「事後報告だった営業特金」
 「山一の破綻と利回り保証」

 かつて半信半疑で聞いていた悪い噂ですが、いや、生ぬるかった。
 これを読んでも、まだ証券会社とつきあえる人がいるのか聞いてみたい

 そんなレベルです。

 ただ、著者は途中で商売のやり方を切替えていくのですね。
 理科系出身だったせいもあるのかもしれません。

 そして、それもあったのでしょうけど、仕組債の原型を考案して世に出した。
 「天国地獄債」という悪い冗談のような名前だったようですが。

 更に、複利計算を理解していたことで、債券中心の商売を行い。
 ドル建てゼロクーポン債を売り込んだものの、「プラザ合意で死屍累々」。

 その後のウォーターフロント相場などで、取り戻しに貢献するなどするものの。
 これも、野村證券の仕掛けによるものだったのですね。

 で、各社の株価操縦要求などもすさまじかったのですね。
 日商岩井で元日銀総裁の速水優氏の名前も出てきたりします。

 直接速水氏そのものが要求したわけではなくても。
 実は、いわばオーナー系とでも言うべき流れだったのですね。

 続きます。

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2017/03/12

自分のネット書店を作れる 講談社が新サービス展開へ

自分のネット書店を作れる 講談社が新サービス展開へ

 電子書籍に限るのですね。
 でも、面白そう。


自分のネット書店を作れる 講談社が新サービス展開へ
塩原賢
2017年3月9日20時10分

 ネット書店の店長になりませんか――。講談社は9日、自分の好きな電子書籍を販売できるサイト「じぶん書店」を4月中旬に立ち上げると発表した。売り上げの10%が、電子書籍の購入などに使えるコインとしてもらえる。扱えるのは同社が出版した電子書籍だけだが、将来的に他社が出した作品や動画、音楽などのデジタルコンテンツも扱えるようにするという。

 講談社によると、専用サイト「じぶん書店」にスマホなどで登録し、自分の「書店」を開設。同社が扱う電子書籍約3万2千点の中から好みのタイトルを選び、5千文字以内のコメントを付けて販売する。開設資金はかからないという。

 (略)

http://www.asahi.com/articles/ASK39530NK39UCLV00X.html

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2017/03/08

FBIアカデミーで教える心理交渉術

FBIアカデミーで教える心理交渉術


FBIアカデミーで教える心理交渉術
どこでも使える究極の技法
ハーブ・コーエン
川勝久訳
日経ビジネス人文庫
日本経済新聞社 2015年1月5日1刷発行

 1981年10月三笠書房発汗の改題を日経が2011年に発刊。
 これを文庫化したもの。

 JALの交渉代表者達である日本人の使った手法がエグい。
 2時間半説明させた上で、説明がわからなかったと。

 にっこり笑って、繰り返して下さいと。
 (P53~55)

 言葉が通じないふりなのですが。
 JALでこんな恐ろしいネゴシエーターいたとは。

 うーん、何故倒産したんでしょうね。
 というか、多分早めにゴールデンパラシュートなのか。

 著者のいう教訓は、出会ってすぐに自分の知性を証明するなと。
 たとえ回答がわかっていても、質問する側に回れと。

 観察して、自分の聞く量と話す量との割合を掴めと。
 なるほどねぇ。

 使うかどうかは別にして。
 知っておくに若くはないか。

 そして、最終提案の4要件もエグい。

1 ケーキに砂糖の衣をかけること

 最後まで逃げないように、自分以外の選択肢を与えないでおくか。
 十分に投資させて、最後に最終提案すべきで、最初に言っちゃだめ。

 うーん、要は、誠実な交渉者って。
 ビジネスでは罪だというメッセージなんだろうな。

2 やんわりと人当たりがよいこと

 これは説明を要しないだろう。

3 手出しを封じる方法

 自分の最終姿勢は、常に記録文書にしておけと。
 抵抗されても、予算や会社の方針などで切り返せと。

4 限られたものの中から選ばせる

 相手を八方ふさがりにして、他を選ぶ環境に置くなと。
 逆に、相手により望ましいものを選べるようにしろと。

 相手の選択肢を広げることを避けて。
 提示した選択肢から選ぶように誘導しろと。

 うーん「勇午」の世界ですね。

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