新法人税法第67条第4項
法人税法第67条【同族会社の特別税率】
4 特定同族会社の前項に規定する留保した金額の計算については、当該特定同族会社による剰余金の配当又は利益の配当(その支払に係る決議の日がその支払に係る基準日の属する事業年度終了の日の翌日から当該基準日の属する事業年度に係る決算の確定の日までの期間内にあるもの(政令で定めるものを除く。)に限る。)の額(当該剰余金の配当又は利益の配当が金銭以外の資産によるものである場合には、当該資産の当該基準日の属する事業年度終了の時における帳簿価額(当該資産が当該基準日の属する事業年度終了の日後に取得したものである場合にあつては、その取得価額)に相当する金額)は、当該基準日の属する事業年度に支払われたものとする。
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どうもにぶくて意味が当初ピンとこなかったのだが、「当該基準日の属する事業年度に係る決算の確定の日まで」ってのは要するに、前期の決算についての総会決議日(まで)をイメージしなさいってわけなんですね。
会社法では随時配当制度になって、決算での確定利益処分という考え方をなくしてしまったので、配当の基準日を含む事業年度というのを糸にして従来の意味での前期決算利益処分のときと同じような計算方法を継続させるための仕組みを考案したわけですな。すごい技巧的だけど。
期首から決算総会決議日までの間に配当決議をすれば、前期中に支払ったものとみなしてしまうと。実際には支払っていないけど留保所得計算では所得からマイナスされてしまう。もし中小企業の実務が従来と変わらず、決算総会で配当決議するのなら、これは当期留保金額の計算から引くよと。利益処分を繰上計算していた従来の税務の思考どおりである。ただし、実際には、対象事業年度の前期に係る配当が対象事業年度で「実際に支払われて」当期留保金額の計算から「マイナスされている」から、その分は逆に戻す意味で加算してやる必要があると。で、これは留保金課税計算だけ出てくるテクニックなんですね。
ようやく別表3(1)の2欄と3欄との関係が分かった(K先生ありがとうございます)。
で、問題は今まで中小企業では基準日なんて決めていないという現実にどう対処するかである。期末日=基準日と考えて問題ないのかと思うが、どうも疑問を投げかける人もいる。うーん、どうするべ。5月1日から支払う配当ではもう支払調書のフォームも変わるので早めに解決せねばならんのだが・・・。
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