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2006/07/10

ジーコジャパンと会社法

 サッカーで日本が敗退してから言うと後付のようなのだが、勝っている間は非国民と言われるので言えないってこともありまして。

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 ジーコジャパンは、個人を尊重するサッカーをやるという目標を常にアピールしてきた。トルシエが規則で縛る組織的サッカーをやりすぎたことへの反省ってこともあったのだろう。

 ただ、この話が出てきた時に思ったのは、「日本の選手ってそこまで大人なのかな?」ってことだった。

 結論から見れば、引退を表明した中田を別にすれば、大人と扱われるに足りる選手はそれほどいなかったということではないかと思われる。
 そこまで機が熟していないときに、いきなり大人のルールを与えてしまったことが問題だったと、少なくともジーコ自身は感じていたのではないだろうか。

 で、会社法である。立案担当者はいろいろ言っているが、批判が多い最大の理由は、おそらくサッカーと同じである。それまで全くやるべきことをやってきていない連中に(注1)、いきなり、弱肉強食、自分の身は自分で守りなさいというルールを適用させて、それで本当に大丈夫かってことである。

 立案担当者グループの思想はある意味立派だし、将来的にそういう方向にスイッチすべきであることには(ごく一部の人間を除いて)反論はない。しかし、性急に、過去を全て捨て去って、今日からいきなり新しいルールでやれと言って、そう簡単に人間はできないだろう・・・。

 おそらく、これが早稲田グループを中心とする、これまでの会社法学者たちの反発であり、心ある実務家の慨嘆であろうと思う。早大は、伝統の反骨の学風らしくて、個人的な心情としてはこっちノリである。

 会社法の立案担当者グループのメンバーたちが、時がたって、ジーコのように慨嘆する日が来るかどうかは分からない。

 でも、少なくとも、実務では登記より定款を見るなんて言っている立案担当者(注2)の決めたことだから、最初から、既に現実の世の中との認識ギャップが生じているってことは、知っておいたほうがよいだろうと思うのである。

(注)
1.たとえば、決算公告など、有限責任の前提とされてきたことがこれまでないがしろにされてきたことについて異論を唱える人は殆どいない筈である。

2.雑誌「企業会計」2006vol58No.6郡谷大輔氏と稲葉威雄氏との対談にて、郡谷氏は、
「ある会社と取引をする時に、登記を見るのか定款を見るのかという実務感覚を考えれば、普通は定款を見ますから」(P152)
と発言している。
 これが、普通の人間の実務感覚と正反対であるのは言うまでもない。

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コメント

普通無理ですよね。○布のお師匠様。でも、郡谷さんの感覚って違うんですね。うーん。

ところで、今度電子印鑑の使い方を教えて下さい。どうも感覚が掴めません。

投稿: はまちゃん | 2006/07/13 20:00

> 「ある会社と取引をする時に、登記を見るのか定款を見るのかという実務感覚を考えれば、普通は定款を見ますから」

 定款って、外部の人がみることできますか。

投稿: きたむら玄堂 | 2006/07/10 23:23

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