「入門・信託と信託法」樋口範雄
「入門・信託と信託法」樋口範雄
弘文堂 平成19年12月15日初版発行
「アメリカ信託法ノート」の著者で、信託法の我が国における権威者の一人と思われる樋口教授の著書。帯によると大学での講義の「実況生中継」だそうだが、そういう語り口ではなく、普通の書き方。
ただ、まだ読み始めたばかりであるが、内容のわかりやすさは流石って感じ。倒産隔離機能の説明の簡明さには結構感動。
で、資産流動化や証券化が利用している信託の性格として、樋口教授は、倒産隔離ではなく、「信用力の切り分け」ないし「財産の色づけ機能」を挙げている。
信託財産だけを他の一般財産から切り離し、それだけを対象に信用力を評価できるようになる。日々変動する在庫や自動車ローンの全体など、担保制度に乗りにくい財産に信託を使うことでスキームを組めるようになるわけだ。
読みやすく、かなりおすすめ。ただし、私は今週末まで読まなきゃいけないものができたので、この続きを読むのは先の楽しみに取っておくことになる。うう、残念。
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