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2008/08/01

穴惑い 志川節子

■穴惑い 志川節子

 オール読物の2008年8月号に掲載された志川さんの新作。
 ほぼ半年に1回の発表ペースだからそろそろかなと思っていた。

 今回の主人公お露は、文使いを生業にしながら娘のお咲を育てている。
 手蹟まねを得意として一定の評価を得ているが、やはり元は苦界の住人。

 彼女の心の惑いを蛇の彷徨う姿になぞらえたのがタイトル。

 人はみな惑いながら自分の人生を選び取っていく。
 それが間違っているのか、正しいのか、それは分からないけれど。
 ただ、全ては自分が選んだものであり、なにもかも自分が引き受けて生きていく。

 そういう志川さんの人生観というか強い決意というか、そういったものが彼女の作品群から滲み出ている気がする。

 また冬になって次の作品に出会えるのを楽しみとしたい。

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