穴惑い 志川節子
■穴惑い 志川節子
オール読物の2008年8月号に掲載された志川さんの新作。
ほぼ半年に1回の発表ペースだからそろそろかなと思っていた。
今回の主人公お露は、文使いを生業にしながら娘のお咲を育てている。
手蹟まねを得意として一定の評価を得ているが、やはり元は苦界の住人。
彼女の心の惑いを蛇の彷徨う姿になぞらえたのがタイトル。
人はみな惑いながら自分の人生を選び取っていく。
それが間違っているのか、正しいのか、それは分からないけれど。
ただ、全ては自分が選んだものであり、なにもかも自分が引き受けて生きていく。
そういう志川さんの人生観というか強い決意というか、そういったものが彼女の作品群から滲み出ている気がする。
また冬になって次の作品に出会えるのを楽しみとしたい。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 入院した子供が心配でAIに質問したら_週刊東洋経済(2023.04.27)
- ゼロからマスターする要件事実は最終回_月刊「税理」(2023.04.22)
- 「片山氏の口利き」文春の敗訴確定_産経新聞(2023.04.21)
- 最高裁の解釈手法は文理解釈に加え体系的解釈を重視・目的論的解釈よりも優先させる姿勢_山岸秀彬氏(2023.04.06)
- 松本大臣も言うべきことは言っていた_WiLL高市大臣手記より(2023.03.25)
「時代小説」カテゴリの記事
- 資産運用報告書類などの金融機関による棚卸し(2019.01.05)
- 芽吹長屋仕合せ帖 それぞれの刻(2018.07.04)
- 薬屋のひとりごと(2018.04.08)
- 鬼平犯科帳 エンディング曲(2018.01.25)
- 煌(きらり)[志川節子](2017.11.03)
「志川節子」カテゴリの記事
- 芽吹長屋仕合せ帖 それぞれの刻(2018.07.04)
- 煌(きらり)[志川節子](2017.11.03)
- 「花鳥茶屋せせらぎ」(志川節子)発刊(2015.08.28)
- 「結び屋おえん 糸を手繰れば」志川節子(2014.05.21)
- 花鳥茶屋せせらぎ 「一話 山雀の女」志川節子(2013.12.15)
コメント