導入前に知っておくべきIFRSと包括利益の考え方
導入前に知っておくべきIFRSと包括利益の考え方
高田橋範充
日本実業出版社 2010年6月1日初版発行
著者の講義を、昔受験期に受けたことがある。
非常に独特の嗅覚を持った人、という印象。
この本は、IFRSの概要を掴む本ではなく。
例えば、収益認識時期の問題なんて、一言も出てこない。
でも、もやもやしていた部分がかなり分かった。
読んで初めてわかったことを、幾つか。
○半ば想像していたが、やはりIFRSは未完成な体系。
完成された体系を受入すると考えると、大きな誤解を招く。
○公正価値重視だが、米型の資産負債アプローチとは違う。
複式簿記を前提としておらず、利益を明確に定義していない。
○利益と資本の概念定義がなく、区別する基準がない。
会計ではないので、利益が計算できずとも矛盾が生じない財務報告体系。
誰しもが読むべき本では、決してないけれど。
でも、企業会計の行末が気になる人には、一読をお勧め。
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