「IFRSに異議あり」岩井克人・佐藤孝弘
「IFRSに異議あり」岩井克人・佐藤孝弘
日本経済新聞出版社 2011年5月18日1刷
日経プレミアシリーズの1冊。
以前紹介した高田橋範充教授の著書(「導入前に知っておくべきIFRSと包括利益の考え方」)でもIFRSへの疑問が出ていた(この本でも引用されている)ので、内容はあまり驚かないのだけれど。
ビックリは、「何故、岩井先生が、会計方面の本を書くの?」との疑問。
どうやら、IFRSが前提としているファイナンス手法などで経済学的なアプローチが出てくることがあるせいか。
しかし、岩井先生と言えば、「貨幣論」「ベニスの商人の資本論」の著書でも有名な経済学者。
私個人は、エッジ均衡の提唱者として、昔、頭いい人だなぁと思った記憶があるけれど。
本論だが、IFRSの理論的矛盾を幾つか指摘し、導入するならせめて選択適用にしろとの主張で、ごもっとも。
笑ったのは「なんちゃってIFRS」という話。
要は、どうせ各国まともにやってないのだから、日本だけがバカみたいにやる必要ないだろうと。
小澤善哉さんが「面従腹背」と呼ぶ戦略として、本文中でも紹介されているけれど。
導入で悩んでいる上場企業の経理部長に一読を勧めてみるのもいいかも。
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