「ゼロからはじめる原価計算」佐久間裕幸著
知人の佐久間裕幸先生から、著書の寄贈を頂いた。
中央経済社で「ゼロからはじめる原価計算」として、総合原価計算と個別原価計算の2分冊出版である。
ゼロからはじめる原価計算 総合原価計算編 [単行本]
佐久間裕幸 (著)
ゼロからはじめる原価計算 個別原価計算編 [単行本]
佐久間裕幸 (著)
この本のコンセプトは、「まず財務諸表作成のための原価計算から」だと思う。
これって、正しいと思う。
管理会計のための原価計算を中小企業に求めるのは難しい。
何故なら、後述するように、大きなハードルがあるから。
で、財務諸表作成目的を重視しているので、最終仕入原価法との比較説明があればよかったかなと思う。どうして原価計算をわざわざやらないと正しい損益が出ないか、はっきりするから。
中小企業で原価計算を導入する際の最大のネックは、数量把握である。
この本でも、受払記録の必要性について、触れてはいるのだけれど。
世の中、最終仕入原価法ばっかりなのは、税務署がそれを認めているのもあるけれど、誰でも計算できるから、なのである。
その意味で、手間を極端に掛けずに、財務諸表作成目的からまずは入りましょう、というのはコンセプトとして、正解だと思うわけだ。
手頃な分量で、経理実務家にはいい本だと思う。
原価計算やってみようかなと思ったら、本屋で手にとってみてほしい。
(注)原価計算の話ということで、仕掛品・製品で言えば、法基通5-2-4で売価還元法が多くの中小企業の実態だ。これもやはり、受払計算なしに実施可能だからということにほかならない。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 入院した子供が心配でAIに質問したら_週刊東洋経済(2023.04.27)
- ゼロからマスターする要件事実は最終回_月刊「税理」(2023.04.22)
- 「片山氏の口利き」文春の敗訴確定_産経新聞(2023.04.21)
- 最高裁の解釈手法は文理解釈に加え体系的解釈を重視・目的論的解釈よりも優先させる姿勢_山岸秀彬氏(2023.04.06)
- 松本大臣も言うべきことは言っていた_WiLL高市大臣手記より(2023.03.25)
「中小企業」カテゴリの記事
- 「技能実習制度を廃止 新制度へ移行を」政府の有識者会議_NHK(2023.04.11)
- 金融庁が人材マッチングシステム 人手不足深刻な地方企業に_NHK(2022.11.24)
- 「サクマ式ドロップス」が114年の歴史に幕、佐久間製菓が廃業へ_朝日新聞(2022.11.10)
- freee会計を利用してきたが、やはり会計王に戻すかな_高橋雄一郎氏twitter(2022.06.01)
- ピンチの町工場。一方的なキャンセルをした”元”お取引先に返した言葉とは?_SHAKUNOTE(2022.05.15)
「企業会計」カテゴリの記事
- イギリスの法体系(酒巻俊雄教授)_企業会計(2023.01.01)
- 大日向先生がメチャ優しい(2022.08.19)
- 紙谷さんはASBJ復帰、茂木氏は会計士協会会長就任(2022.08.02)
- freee会計を利用してきたが、やはり会計王に戻すかな_高橋雄一郎氏twitter(2022.06.01)
- 監査論のリスクアプローチは教育に有用(2022.04.27)
コメント