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2012/09/28

「ゼロからはじめる原価計算」佐久間裕幸著

 知人の佐久間裕幸先生から、著書の寄贈を頂いた。
 中央経済社で「ゼロからはじめる原価計算」として、総合原価計算と個別原価計算の2分冊出版である。

ゼロからはじめる原価計算 総合原価計算編 [単行本]
佐久間裕幸 (著)

ゼロからはじめる原価計算 個別原価計算編 [単行本]
佐久間裕幸 (著)

 この本のコンセプトは、「まず財務諸表作成のための原価計算から」だと思う。
 これって、正しいと思う。

 管理会計のための原価計算を中小企業に求めるのは難しい
 何故なら、後述するように、大きなハードルがあるから。

 で、財務諸表作成目的を重視しているので、最終仕入原価法との比較説明があればよかったかなと思う。どうして原価計算をわざわざやらないと正しい損益が出ないか、はっきりするから。

 中小企業で原価計算を導入する際の最大のネックは、数量把握である
 この本でも、受払記録の必要性について、触れてはいるのだけれど。

 世の中、最終仕入原価法ばっかりなのは、税務署がそれを認めているのもあるけれど、誰でも計算できるから、なのである。

 その意味で、手間を極端に掛けずに、財務諸表作成目的からまずは入りましょう、というのはコンセプトとして、正解だと思うわけだ。

 手頃な分量で、経理実務家にはいい本だと思う。
 原価計算やってみようかなと思ったら、本屋で手にとってみてほしい。

(注)原価計算の話ということで、仕掛品・製品で言えば、法基通5-2-4で売価還元法が多くの中小企業の実態だ。これもやはり、受払計算なしに実施可能だからということにほかならない。

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