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2014/05/21

「結び屋おえん 糸を手繰れば」志川節子

「結び屋おえん 糸を手繰れば」志川節子

結び屋おえん 糸を手繰れば
志川節子/著 新潮社
発売日: 2014/05/22

http://www.shinchosha.co.jp/book/335671/

 待望の志川作品。
 新潮社で書き下ろし。

 なんというか、本の佇まいが、良い本なんですよね。
 持った時の紙の手触りも、いい雰囲気で。

 表紙のイラストもしっくり来る。
 淡い雰囲気と女性の目線がなんというか。

 例によって、テーマに沿った連作ですが、主人公は、おえん固定。
 誤解から離縁された女性が、縁の中で、縁結びを職とすることになる。

 そして、他人の縁を繋ぐ中で、おえんが自分自身の立ち位置を見いだしていく。
 夫、息子、姑、実家、まさに現在の家族の悩みに繋がっているのですね。

 この作品は、この先を書くこともできるし。
 あるいは、書かずにこのままで終わることもできる。

 そんな書き方になっている。

 もし書くとすれば。
 おえんの哀しみの奥底にある「喪失」への答えが書かれるのだろう。

 この場合「喪失」の意味は1つではない。
 そして、回復できる喪失もあれば、回復できない喪失もある。

 回復できない喪失に、おえんをどう向き合わせるのか。
 そして、そこでどのような癒やしを与えるのか。

 続編がでるのであれば、期待したい。

 で、本編そのものも、当然、堪能させて頂きました。
 なんてたって、夜中に読み続けてしまって、今眠いんだもの。

 なお、小説NONの5月22日発売号でも掲載されているらしい。
 本屋へGOですな。

結び屋おえん 糸を手繰れば(amazon)

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