判例からみた遺留分減殺請求の法務・税務・登記 その1
判例からみた遺留分減殺請求の法務・税務・登記 その1
「判例からみた遺留分減殺請求の法務・税務・登記」
永石一郎 中央経済社 2014年5月20日第1版第1刷発行
税務関係だけ読みました。
ざっくり自分用メモ。
1 遺留分減殺請求により価額弁償を受けた者の相続税連帯納付義務
金沢地裁平成15年9月8日
相続税法34条(連帯納付の義務等)に関する裁判例。
△
つまり,この連帯納付義務は,連帯納税義務ではなく、他の相続人の納税義務に対する一種の人的責任であるが,その基礎にある思想は,一つの相続によって生じた相続税については,その受益者が共同して責任を負うべきであるという考え方である。利益価額を限度とする点において民法の連帯債務と異なり,国税徴収法の第二次納税義務と似ているが補充性を有しない点において異なる。
(P311)
▽
2 相続税額の取得費加算に関する特例
東京地裁平成12年11月30日
措置法39条による取得費加算特例に関する裁判例。
△
…しかしながら,本件特例は,相続により取得した財産を譲渡したときは,いかなる場合にも譲渡所得の計算において相続財産に係る相続税額を取得経費に準じて扱うべきことまでを定めたものではなく,一定期間内にされた譲渡についてのみ同加算を許容したものである…一概に不公平,不平等ということはできないし,…。また,本件特例は,文言上,相続に起因して取得した財産の譲渡が実際上容易かどうかを考慮することなく,一定の期間内になされた譲渡についてのみ適用されることが明らかであり,遺留分権利者がその権利を譲渡することは何ら支障がないのであるから,財産の譲渡が実際上困難であることをもって本件特例の期間を延長する解釈をとることは到底不可能というほかない。」
(P315~316)
▽
3 受贈益の発生の時期と申告
福岡高裁那覇支部平成11年5月11日
法人が遺贈を受けた場合の土地受贈益の計上時期に関する裁判例。
△
X社は,Aが死亡した時点で,遺贈された土地の所有権を取得したのであり,死亡した日の属する事業年度にその受贈益が発生したことになるから,たとえ他の相続人が遺贈の効力を争っていたとしても,X社において,その主張を認めて遺言の無効の確認をし,あるいは遺贈を放棄するなどしていない以上,当該事業年度にその受贈益を計上しなければならない。
(P319)
▽
4 受贈益の発生の時期
那覇地裁平成10年2月18日(3の1審)
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