「読み」の整理学 外山滋比古
「読み」の整理学 外山滋比古
大昔に読んだ「思考の整理学」にはかなり影響を受けたと思う。
まだ読んでなかった気がした1冊が目にとまった。
「読み」の整理学
外山滋比古
筑摩書房 2007年10月10日第1刷発行
これも、ちくま文庫の1冊。
「わかることは読めるが、わからないことは読めない」
既知の読み方と、未知の読み方は根本的に異なる。
これは、たぶん、誰しも経験のあることだろう。
著者は、既知の読み方は、未知を読むための準備段階だという。
それは、本当に読んでいるとは言えないのだと。
ここまで読んできて、以前読んだことを思い出した。
その割に、結論が記憶からすっぽり消えているのはなんだか。
先日ある人と記憶容量の話になった。
その人は、自分はiPhoneだと。
羨ましい。
わたしゃフロッピーだよ……(まる子風)。
で、本の内容に戻ると。
読みやすさ信仰で、おかゆのような文章が溢れていると。
翻訳は読みにくいが故に、未知を読むための効用があったと。
これは、なるほどという気がする。
そして、悪文は「よい悪文」と「悪い悪文」に分かれるとも。
「よい悪文」は、必然性を持って読みにくくなっているのだと。
そしてて、努力して読めば必ず報いられると。
そして、翻訳と法律の文章は実は未知を読むという意味で同じだと。
ここはまさに同感である。
で、良文にも「よい良文」と「悪い良文」があるのだと。
わるい良文になっては、何にもならないと。
あと、
「ことばのていねいな使い方をしている家庭のこどもは、言語文化を基礎とした知能テストにおいてすぐれた適性を示すだけのことである。(P124)」
この辺は、なるほどと。
というわけで、本はやはり何度か読み返したい。
けど、そうすると捨てられなくなっちゃうのだよな……。
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