保険は想定通りに行けばハッピーだが
保険は想定通りに行けばハッピーだが
信託の1つの使い方として、遺言代用信託がありますが。
保険も同様のことができるという話があり。
もしかして、信託よりも、保険の方が手軽な面があるのか。
ここ暫く、そんな風にも思ったりして、悩んでいたのですが。
でもね、よく考えると、それ、凄い間違いですね。
だって、そもそも保険というのは、確率論に基づく金融商品ですから。
つまり、一定の確率分布を前提として、大数の法則で予測する。
その中で、ある確率で、保険事由が生じるかどうかという話。
契約の通りに履行される信託契約とは、根本的に違う。
保険は、その想定通りに行かないと、非常に不幸な事態を生む。
たとえば、終身年金保険で、継続年金受取人に子を指定する。
これで、自分だけでなく、子の生活保障も出来ました。
では、これでめでたし、めでたしなのか。
よく考えてみると、そう上手くいくとは全く限らない。
何故かというと。
終身年金保険で、継続年金受取人が受取可能なのはいつまでか。
これは、元々設定された保証期間中の受取に過ぎません。
通常、10年間という設定らしい。
ということは、保証期間切れあるいは保証期間僅かで承継すると。
子の生活保障という話は、ぶっ飛んでしまう。
でも、それは先に述べた保険の性格上当たり前のこと。
それなのに、そのようなリスクを説明せず、ハッピーエンディングだけ語る。
そういう、知ってか知らずかの営業中心の保険提案が多いのですね。
先に挙げた本もそういう意味では、同じような気がします。
保険は、想定通りに行けばハッピーだけれど。
そもそも、それを保険に願うのは、無い物ねだり。
つまり、保険の貯蓄性を利用した用法は、根本的に間違いなのだ。
保険は、あくまでも本来の目的に使うべきものなのだ。
ようやく、腑に落ちた気がする。
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