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2015/05/12

「家族という病」下重 暁子

「家族という病」下重 暁子

 本屋でふと目に止まって買ってみました。
 今売れているそうです。

「家族という病」下重 暁子 (幻冬舎新書)

 なるほど、という点も多々ある。
 家族のべったりが、かえって個としての自立を妨げているのは同感。

 ただ、自分たち夫婦は、このように上手くやっているというニュアンスが。
 多くの人には、鼻につくのでしょうね、恐らく。

 そして、父親や母親に依存してこなかったということを書きたいあまり。
 この人には、親への感謝がみじんも出てこない。

 自分の価値観以外を認めない人なのかな、という印象です。
 それ以外は、切捨てて生きてきたのだろうなと。

 自分の周囲の人々が家族と接する姿を描きつつ。
 それが我が身に反射することを、恐れているかの如く、何も書かない。

 これまでの、親に依存せずに生きてきた筈の自分を否定したくない。
 その気持ちが、透けて見えます。

 結婚できない若者が何故増えたかと上から目線ですが。
 しかし、子を持たない自分は、客観視できていない。

 いえ、いいのです。
 どちらにせよ、立場の一貫性があれば。

 それがないことが、この人の哀れさでしょうね。
 ただ、私自身は近づきたいと感じませんが。

 で、流石にエッセイの書き方を教えているだけあって。
 文章が読みやすいことは、特筆しておきます。

 他人に勧めようとは思っていませんが。

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