« 農地だから簡単に移転登記できないとは限らない | トップページ | NHKスペシャル 腰痛・治療革命 »

2015/07/13

贈与税の配偶者控除における居住用不動産の範囲

贈与税の配偶者控除における居住用不動産の範囲

 国税速報平成26年9月1日号より。

○疑問相談 資産税(贈与税)
 贈与税の配偶者控除における居住用不動産の範囲
 沖田初美(税理士)

 相続税法21条の6のいわゆる「おしどり贈与」について。
 賃貸部分と居宅の敷地になっている場合の持分贈与時の注意点。

 まず、土地のみ贈与であっても、居住用家屋の敷地であれば。
 家屋所有者が、受贈者の配偶者か受贈者同居親族ならセーフと。

 で、店舗併用住宅の場合に、本来は、店舗部分を含めて持分計算すべき。
 相基通21の6-2で、家屋床面積按分することを確認している。

 賃貸部分と居宅部分とのうち、賃貸部分が計算に入るので。
 特例対象が目減りするのが、原則的扱いだというわけだ。

 しかし、申告時において、居住部分優先で申告していれば。
 これを認める特例的扱いがある(相基通21の6-3但書)。

 これによって、賃貸部分を計算に入れずに特例適用できる。
 納税者有利な取扱いなので、割合知られているところだ。

 さて、では、1筆の土地が、賃家・居宅という2棟の家屋の敷地なら。
 この場合には、この店舗併用住宅の持分贈与特例が使えないという。

 平成13年9月13日裁決例で、この点が確認された。
 居住用部分と賃家部分の分筆をせず、上記但書が使えると主張したが納税者負け。

 店舗併用住宅では区別が曖昧だから、通達で但書を設ける余地があった。
 しかし、2棟は利用区分の違いが明確で、独立しているので事情が違う。

 結果、居住用部分がかなり小さくなってしまう。
 では、どうすべきかと。

 先に、敷地を分筆して、居住用部分と賃貸部分をちゃんと分けておきなさいと。
 分筆後に居住用部分だけ贈与すれば良かったのだと。

 おしどり贈与の相談を受けた際に、現況把握が一番大事、ということですね。
 話だけでやってしまうと危険ということなんだろう。

|

« 農地だから簡単に移転登記できないとは限らない | トップページ | NHKスペシャル 腰痛・治療革命 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

税務」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 贈与税の配偶者控除における居住用不動産の範囲:

« 農地だから簡単に移転登記できないとは限らない | トップページ | NHKスペシャル 腰痛・治療革命 »