為替予約 振当処理
為替予約 振当処理
月刊「税」2015年7月号より。
○ここが知りたい最新税務Q&A
国税関係Ⅰ 法人税
為替予約① 振当処理
佐和周(公認会計士・税理士)
輸出売上による外貨建売掛金についての、為替予約によるヘッジ。
取引受注時に、受注金額対応の外貨売(円買い)為替予約を銀行と締結。
ヘッジ会計適用しなければ、期末で為替予約を時価評価する。
評価差額を損金又は益金に計上することになる。
これが大原則。
しかし、ヘッジ会計を適用する場合がある。
実務で、税務上のヘッジ会計とは、振当処理を指す場合が多い。
では、振当処理とは何かなのですが。
予約締結時に、対象となる外貨建資産負債の円換算額を確定させる。
その時点で、その旨を帳簿価額に記載して、円換算額で記帳する。
これにより、外貨建取引日レートと予約レートで差額が生じる。
為替予約差額と呼ばれるもので、決済日までの期間配分処理をする。
a 取引日レート
b 予約レート
この差額ですね。
取引日から決済日までで配分するのは、合理的。
本稿にはないけれど、ヘッジのポイントは。
分離処理するか、一体化処理するか、ですね。
【ヘッジ会計非適用時】
売掛金/売上高 取引時レート記帳
…… 更に、期末に売掛金は換算換
…… 期末には、為替予約の時価評価も行う
…… 外貨建債権と為替予約は別々に扱う。
【ヘッジ会計適用時】
売掛金/売上高 予約時レート記帳
…… 外貨建債権と為替予約は一体化させ、邦貨債権として扱う。
ただ、予約が取引後になる場合には、
a 取引日レート
b 予約レート
c 予約日レート
が登場することになる。
・aとcとの差額……直々差額→予約日で損金又は益金算入
・bとcとの差額……直先差額→予約日から決済日までで期間配分。
で、残念ながら、本稿では、数値を使った説明事例が間違っている。
(ぎょうせい編集部に確認済で、訂正を掲載予定だそうだ)
校正で読めば、「あれ?」と思うはずなのですが。
著者も、2人の監修者や編集も、エアポケットに落ちたのかな。
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