浪費者信託(spendthrift trust)とは
浪費者信託(spendthrift trust)とは
会計監査研究2003年3月号より。
○現代家族の変化と相続法制
―相続法の経済分析の試みと素描―
林田清明(北海道大学大学院法学研究科教授)
知りませんでしたが、「浪費者信託(spendthrift trust)」ってあるのですね。
△
3-2-2.信託
(略)
信託にはさまざまのバリエーションがあるが,浪費者信託(spendthrift trust)は,アメリカにおいて1800年代後半にほとんどの州で認められたものである。この信託の設定者のねらいは,受益者の債権者の手が届かない収入の道を提供することによって受益者の生涯に渡る財政的な安全を確保するものである。浪費者信託には,浪費者に限らず,自己の財産状態を適切に運営できないと推定される人たちを補助するためであり,「債務者の財産はその債務の責任財産に充てられるべきであるという債権者保護の要求と財産所有者の財産保存本能・無思慮な承継者の生活の安定に対する要求との調整という機能を担っている」と指摘される 。しかし,反対論もあって,たとえば受益者は贅沢して,債権者は苦しむ。また,自分のために浪費者信託を設定することはできないから,相続した富からの所得の方が労働から得られる所得よりも保護されることになる。
(略)
(同上より)
▽
別の解説では、
「浪費者信託は、意思能力の有無にかかわらず受益者による受益権の処分を禁止するというものである」
(「統一信託法典 (Uniform Trust Code, Last Revised or Amended in 2005)」(契約書の翻訳))
というものもありました。
なるほど、これで債権者の手が届かなくなるわけですね。
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