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2016/01/09

オプティファクターの倒産(近代セールス)

オプティファクターの倒産(近代セールス)

 近代セールス2016年1月15日号より。

○[検証]なぜこの会社は倒産したのか!?
 阿部成伸(帝国データバンク情報部)
 第251回 (株)オプティファクター

 医療法人の診療報酬について、ファクタリングを提供していた会社。
 結構大々的に宣伝していたので、多分、職業会計人は皆知っているでしょう。

 資金調達は、関連ファンドでレセプト債を発行していた。
 それによって、医療機関の診療報酬債権を買い取っていたと。

 その際、診療報酬債権2月分と将来発生見込みの診療報酬債権を担保としていた。
 資金繰りの苦しい医療機関には、結構有用な存在だった模様。

 ところが、これが2015年11月に急きょ破産手続に移行した。
 何が起きたのか、という感じですが。

 どうも、2013年3月に死亡した前代表者が原因らしい。
 実態なき債権や売上の計上がかなりあり、債務超過状態だったと。

 後継者はなんとかしようとしたらしいが、まぁ無理で。
 2015年10月に、証券取引等監視委員会の調査が入って、ゲームセット。

 で、この辻褄の合わない資金は、どこに流れていたかですが。
 グループ企業の赤字補てんや医療機関のM&A資金に充てていたと。

 この医療機関の中には、トラブルにより破産に追い込まれたものも複数あったと。
 うげーですね。

 で、これらのレセプト債は、多くが少人数私募債だったと。
 50人以上でも、プロ私募の要件充足なので、情報開示が必要なかったと。

 この事業については、かなり前から、怪しい噂を聞いていました。
 ただ、まさかねと思っていたのですが、本当だったのだなと。

 同業者がお客さんに勧めていなかったことを祈っています。

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