クライアントに「迷惑」をかけても監査人が許される環境があるか
クライアントに「迷惑」をかけても監査人が許される環境があるか
会計監査人が、取引先に残高確認依頼を送付したが、回答が遅延した。
やむを得ず、代替的手続きを行って、監査報告書を出すことにしていた。
ところが、報告書日付の数日前に、取引がない旨の回答があった。
この場合、会計監査人が対応しなかったらどうなるか。
これって、会計監査人がアウトにされるのですよね。
そして、世の中の人は、これが当然だと思うのでしょう。
ただ、実際にやると、会計監査人はクライアントから大反発を喰う。
タイトな日程でやり繰りしている、監査の現場を知っていれば当然。
なので、実際には、非常に困難というのが実情だと思います。
でも、今の世間では、それは「会計士の狭い常識だ」と言うのでしょう。
であれば、是非、お願いしたいことがあります。
万難を排して、不正問題に切り込めというのであれば。
相手に嫌われて、今後の仕事がやりづらくなることも覚悟して。
それでもやるべきだと、原理原則で押すのであれば。
せめて、この場合に行動した会計監査人の免責条項を作るべきでしょう。
最終的にはクライアントのための監査だという建前があるのですから。
国税のような錦の印籠は、会計監査人にはないのです。
その現状を、世の中の人は、大半知らないと思います。
内部告発者をガードするのに、何故、会計監査人はガードされないのか。
公的な意味を持たせているのには、両者に違いはないはずです。
それにもかかわらず、会計監査人は、前門の虎、後門の狼に悩まされる。
ほとんど、これは、金融庁によるDVだと私は思います。
やらせたいことがあるのなら、それ相応の待遇にすべきでしょう。
と、既に、監査業務から手を引いた、歌を忘れたカナリヤは思う次第です。
| 固定リンク
「学問・資格」カテゴリの記事
- 弁護士が依頼者の債権を無断売却 6千万円分 東京、懲戒手続き_産経新聞(2023.03.11)
- 馬奈木厳太郎弁護士、依頼女性にセクハラ 原発訴訟弁護団事務局長も_TBS NEWS DIG(2023.03.02)
- 弁護士ツイートに名誉毀損認定_渥美陽子弁護士「twitter(2023.03.03)
- 法制度改革の大いなる失敗 早大特命教授・内田貴_産経新聞(2023.02.14)
- ALS事件の元医師、医師免許不正取得を告白 「厚労省にいた知人医師が指南」_産経新聞(2023.01.22)
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 「その人を全面的に信じる」は間違い(2023.02.03)
- 「大人の対応をしろ」と言う人は「泣き寝入りしろ」という人ばかり_mhl氏twitter(2022.05.28)
- 小説やテレビで見る以上の悪い人たちは存在する(2022.04.29)
- 真面目で終わってはいけない(2022.03.15)
- 「あなたを……とは見ない」と宣言してしまうのはどうなのだろうか(2021.05.30)
「会社法」カテゴリの記事
- イギリスの法体系(酒巻俊雄教授)_企業会計(2023.01.01)
- IT大手に本社登記要請 事業実態把握へ監視強化_産経新聞(2022.04.18)
- 新生銀が買収防衛策を検討 SBIの買収阻止へ「ポイズンピル」_朝日新聞(2021.09.15)
- 株式の時効取得の可否等_ビジネス法務(2021.08.13)
- Opinion Shoppingは会計監査だけではない(2021.06.02)
「企業会計」カテゴリの記事
- イギリスの法体系(酒巻俊雄教授)_企業会計(2023.01.01)
- 大日向先生がメチャ優しい(2022.08.19)
- 紙谷さんはASBJ復帰、茂木氏は会計士協会会長就任(2022.08.02)
- freee会計を利用してきたが、やはり会計王に戻すかな_高橋雄一郎氏twitter(2022.06.01)
- 監査論のリスクアプローチは教育に有用(2022.04.27)
コメント