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2016/01/11

クライアントに「迷惑」をかけても監査人が許される環境があるか

クライアントに「迷惑」をかけても監査人が許される環境があるか

 会計監査人が、取引先に残高確認依頼を送付したが、回答が遅延した。
 やむを得ず、代替的手続きを行って、監査報告書を出すことにしていた。

 ところが、報告書日付の数日前に、取引がない旨の回答があった。
 この場合、会計監査人が対応しなかったらどうなるか。

 これって、会計監査人がアウトにされるのですよね。
 そして、世の中の人は、これが当然だと思うのでしょう。

 ただ、実際にやると、会計監査人はクライアントから大反発を喰う。
 タイトな日程でやり繰りしている、監査の現場を知っていれば当然

 なので、実際には、非常に困難というのが実情だと思います。
 でも、今の世間では、それは「会計士の狭い常識だ」と言うのでしょう。

 であれば、是非、お願いしたいことがあります。
 万難を排して、不正問題に切り込めというのであれば。

 相手に嫌われて、今後の仕事がやりづらくなることも覚悟して。
 それでもやるべきだと、原理原則で押すのであれば。

 せめて、この場合に行動した会計監査人の免責条項を作るべきでしょう。
 最終的にはクライアントのための監査だという建前があるのですから。

 国税のような錦の印籠は、会計監査人にはないのです。
 その現状を、世の中の人は、大半知らないと思います。

 内部告発者をガードするのに、何故、会計監査人はガードされないのか。
 公的な意味を持たせているのには、両者に違いはないはずです。

 それにもかかわらず、会計監査人は、前門の虎、後門の狼に悩まされる。
 ほとんど、これは、金融庁によるDVだと私は思います。

 やらせたいことがあるのなら、それ相応の待遇にすべきでしょう
 と、既に、監査業務から手を引いた、歌を忘れたカナリヤは思う次第です。

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