ゼロからマスターする要件事実 第2回 請求権の一生の物語
ゼロからマスターする要件事実 第2回 請求権の一生の物語
税理2016年2月号より。
ゼロからマスターする要件事実 第2回
請求権の一生の物語
岡口基一(東京高等裁判所判事)
民事訴訟は、請求権の一生の物語だと。
そうですね。
発生して、予定された事由が生じて消滅するのが一番素直ですが。
消滅時効が援用されてから、消滅する場合だってある。
訴訟では、まず請求権がある、ということを裁判所が認識するのがスタート。
そのためには、原告が、請求権の発生を主張して明らかにする必要がある。
被告は、原告が上記主張に失敗すれば勝てるけれど。
成功してしまうと、防御としての抗弁が必要になる。
既に一生を終えて消滅済みである、と主張するか。
請求権が実は生じていない、障害となる事由が生じていたと抗弁するか。
前者が消滅の抗弁で、後者が障害の抗弁だと。
後者の例は、意思能力がなかったので、ダメじゃんという話ですね。
で、この主張立証の役割分担は、決まっていて。
それぞれが、それぞれの役割を果たせばよい。
請求権が消滅していないことを、原告に即主張させるというのも。
理論的にはありそうだが、そうはしない。
何故か。
自己に有利なことは、自己で語るべきだから。
なるほどね。
攻撃防御として、原告が請求原因を最初に出して。
その後は、被告が、抗弁を出して、原告は再抗弁を、という流れが続く。
これが、基本なのですね。
ただし、請求権の発生は、事実そのものではなく、観念レベルの話。
それをいかに事実とつなげていくかが、要件事実論ということなんでしょう。
さらっと書いてあるけど、わかりやすいですね。
第3回以後にも、期待しておきましょう。
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