「オキナワ論 在沖縄海兵隊元幹部の告白」
「オキナワ論 在沖縄海兵隊元幹部の告白」
「オキナワ論 在沖縄海兵隊元幹部の告白」
ロバート・D・エルドリッヂ
新潮社 2016年1月20日発行
新潮選書の1冊。
交流プログラムで日本へ来て英語指導教師になったことを契機に。
その後、日米関係史に取り組むこととなったと。
著者は、沖縄メディアの情報発信や沖縄の知識人・学者を批判している。
これは、純粋に学問的に、原典資料に当たっていない点ですが。
私から言えば「人は自分が見たいものしか見ない」の典型。
彼らには、他山の石以上の価値はない。
その点は民主党政権も同じだと思いますが。
著者は、自民党がそれを言うのは間違いだという。
この点だけは、個人的に反対しておきたいですね。
だって、少なくとも、自民党にとっては、常に意識すべき反省点なのだ。
民主党「だけ」が悪いのではないと言うべき、なのでしょうけどね。
ただ、著者の本心は垣間見える。
「ニュースの扱いは朝日らしくいささか陰謀説めいていましたが」(P61-62)
さて、著者は、海兵隊で広報の役割だったので、視点の開示が興味深い。
普天間と辺野古との、基地機能面での違いなどはまさになるほど。
辺野古案ベストという当時の日本側説明は、問題だらけだったと。
実は、勝連構想という人口島による機能集約案も、当時提示されていたのですね。
日本国民は、そんなこと殆ど知らないと思いますが。
議論する人たちの多くが、学者を含めて、無能すぎたということですね。
政治家は、いわんやですが。
この問題に関わる日本の学者は、恥じ入るべきでしょうね。
この本は、沖縄論としても、もちろん興味深いのですが。
むしろ、学問への取り組み方ということを示した本としての価値が大きい。
そこまでやるのか、という姿勢が大事なのだと。
教えて貰ったような気がします。
結論に賛成するかどうかは別にして。
文系で学問に携わる方であれば、是非読むべき本だと思います。
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