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2016/06/04

上村教授の「日本の会計・監査制度」その2

上村教授の「日本の会計・監査制度」その2

 会計・監査ジャーナル2016年6月号より。

○日本の会計・監査制度
 -資本市場の中核を担える態勢とは(Ⅰ)
  上村達男(早稲田大学教授)

 続きです。

 ところが、日本の会計・監査の理論的根拠はというと。
 実は、米国の資本市場対応型のそれだった。

 本来、継続性公準は、資本市場の継続が前提となる。
 費用収益対応原則も、同様で、それを踏まえた資産・負債観。

 しかし、企業会計原則も証券取引法もそんな意識はなかった。
 そもそも、原初形態から言えば、捻れが生じていたのですね。

 これが、バブル崩壊による護送船団方式行政が転換。
 一気に、市場規制型となり、資本市場規制が強化された。

 結果、会計や監査と縁遠かったような金商法の位置づけが変わる。
 会社法において、金商法適用会社として一体化することになる。

 原初の米国の連邦証券規制と一体の本来の論理に立ち戻る。
 そのような方向に、現在の会計・監査・市場法は向かっていると。

 なるほど、実は、期待ギャップというか認識ギャップが。
 会計士自身に生じているのを自覚できなかったのかもしれない。

 ある種会計優位の価値観が刷り込まれた人間が大半なのだから。
 金商法がいきなり中心になっていくのに、戸惑いさえあったろう。

 続きます。

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