上村教授の「日本の会計・監査制度」その2
上村教授の「日本の会計・監査制度」その2
会計・監査ジャーナル2016年6月号より。
○日本の会計・監査制度
-資本市場の中核を担える態勢とは(Ⅰ)
上村達男(早稲田大学教授)
続きです。
ところが、日本の会計・監査の理論的根拠はというと。
実は、米国の資本市場対応型のそれだった。
本来、継続性公準は、資本市場の継続が前提となる。
費用収益対応原則も、同様で、それを踏まえた資産・負債観。
しかし、企業会計原則も証券取引法もそんな意識はなかった。
そもそも、原初形態から言えば、捻れが生じていたのですね。
これが、バブル崩壊による護送船団方式行政が転換。
一気に、市場規制型となり、資本市場規制が強化された。
結果、会計や監査と縁遠かったような金商法の位置づけが変わる。
会社法において、金商法適用会社として一体化することになる。
原初の米国の連邦証券規制と一体の本来の論理に立ち戻る。
そのような方向に、現在の会計・監査・市場法は向かっていると。
なるほど、実は、期待ギャップというか認識ギャップが。
会計士自身に生じているのを自覚できなかったのかもしれない。
ある種会計優位の価値観が刷り込まれた人間が大半なのだから。
金商法がいきなり中心になっていくのに、戸惑いさえあったろう。
続きます。
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