脳からみた自閉症 「障害」と「個性」のあいだ
脳からみた自閉症 「障害」と「個性」のあいだ
脳からみた自閉症 「障害」と「個性」のあいだ
大隅典子 講談社 2016年4月20日第1刷発行
著者は、脳の発生発達機構を研究する基礎研究者。
東北大学大学院医学系研究科教授。
発達障害という言葉は、そもそも「神経発生発達障害」の略称だ。
育て方で生じるわけではないのに、誤解を招く原因の1つがこの言葉だと(P15)。
確かにそうですね。
今まで読んだアスペルガー症候群関係で、明記したものは皆無でした。
で、研究者の視点というか、科学者の視点で、目から鱗。
自閉症は、脳の器質的な問題で、機能的な問題ではないのだと(P117)。
つまり、ソフトじゃなくハードの問題ってことなんでしょうね。
だから、母親の育て方の問題では、決してないのだと。
そして、脳の発生発達のメカニズムを説明していきますが。
要は、複雑な仕組みで、誰でも完璧な発達はなく、何か障害はあるのだと。
「うまくいくほうが不思議」で、脳が当たり前のようにできることが奇跡だと。
(P106)
さて、自閉症急増の理由ですが、疾病概念の拡大は当然として。
遺伝子異常以外の要素が影響している可能性を否定できない(P219)。
そこで問題となるのが、母体環境つまり栄養素不足の問題。
スリム願望を願う女性の増加は、決して良くないと(P220)。
更に、父親の加齢は、自閉症リスクを高めると(P223)。
このあたり、結構ショックだなぁ。
しかし、遺伝子情報が同じでも表現型が変化するエピジェネティクス。
この概念は、結構驚きですね。
後天的影響で、遺伝情報が上書きされるのですね(P230)。
結果、獲得形質は遺伝しないダーウィン進化論を覆すのだと。
この本は、自閉症に誤解を持たないように、万人が読むべきでしょうね。
特に、教育者の方は、必読なのではないでしょうか。
なお、自閉症の判定で、社会性の異常を試すテストとして。
「サリーとアンの課題」が紹介されています。
この感覚は、是非共有しておくべきだと思います。
そうでないと、自閉症患者を責めることしかできなくなりますから。
これ、下記ブログで扱っていました。
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