租税条約をマスターしたい!と思ったとき最初に読む本 その3
租税条約をマスターしたい!と思ったとき最初に読む本 その3
租税条約をマスターしたい!と思ったとき最初に読む本
あいわ税理士法人編
中央経済社 2016年2月25日第1版第1刷発行
続きです。
事例1 香港法人が内国法人から貸付金利子の支払いを受けるケース
借り入れ資金は、日本国内の事業で使用する。
国内法では、香港法人の国内源泉所得として源泉徴収が必要。
租税条約の書き換えで、国内源泉所得の判定基準が変わる。
使用地主義から、債務者主義に転換されるが、結果は同じ。
変わるのは、源泉徴収税率が20.42%から10%になる点。
実務手続きは、届出書を所轄税務署長宛に支払日前日までに提出。
源泉徴収義務者側が、香港法人に書類提出を求めて提出する流れと。
事例3 韓国法人が内国法人から著作権使用料の支払いを受けるケース
著作権を日本国内の事業で使うので、国内法では日本の国内源泉所得。
ところが、租税条約では、債務者主義で判定だが、判定結果は不変。
なので、これも事例1と同様に源泉徴収税率の変更だけ。
しかし、事例と異なる前提になると問題が生じる。
これが現実化するのが、次の事例4。
事例4 韓国法人が内国法人から韓国に所在する装置の使用料の支払いを受けるケース
韓国所在の装置を日本法人が使用して、レンタル料を払う。
国内法なら、当然、国外源泉所得にしかなりませんが。
租税条約で債務者主義となり、日本での課税が生じてしまう。
源泉徴収税率は、20.42%→10%になるけれど。
これが、一番怖い課税関係ですね。
外国の話なのに、日本で課税が起きてしまう。
実際、一昨年の国際税務専門官の調査では、これを念査してました。
インドが一番危ないんだそうです。
続きます。
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