退職給付会計のしくみ
退職給付会計のしくみ
退職給付会計の簡便法を勉強し直しする必要が生じて。
本屋で漁った結果、この本が一番良さそうだと。
「退職給付会計のしくみ」
新日本有限責任監査法人編
中央経済社 2013年3月15日第1版第1刷
2015年6月10日第1版第7刷発行
下記で、自分用にメモを残します。
第5章 退職給付会計の簡便法
5-1 簡便法の概要
小規模企業等においては、原則法ではなく、簡便法の適用が可能。
5-2 小規模企業等の範囲
従業員300人未満の「小規模企業等」は、簡便法の適用が可能。
ただし、300人以上でも、例外的に簡便法が適用可能な場合あり。
5-3 簡便法の計算方法
簡便法による退職給付引当金
=簡便法で計算した退職給付債務
-年金資産の期末日における公正な評価額
簡便法による退職給付費用
=期末退職給付引当金
ー(期首退職給付引当金
ー(退職一時金支給額+年金拠出額))
5-4 退職給付一時金制度の簡便法
簡便法による退職給付債務の計算方法(退職一時金制度)
比較指数方式
期末自己都合要支給額×比較指数
一旦原則法によって計算した後の方法
係数方式
期末自己都合要支給額×割引率係数×昇給率係数
実務指針による方法
期末自己都合要支給額方式
期末自己都合要支給額そのまま
実務上最も採用される方法
5-5 企業年金制度の簡便法
簡便法による退職給付債務の計算方法(企業年金制度)
比較指数方式
直近の年金財政計算上の責任準備金×比較係数
一旦原則法によって計算した後の方法
属性別区分方式
在職従業員は、一時金における係数方式か期末自己都合要支給額で計算
退職済の受給権者と支給年齢待ちの待期者は、直近の責任準備金額を使う
責任準備金方式
直近の年金財政計算上の責任準備金額をそのまま使う
実務上最も採用される方法
5-6 簡便法の会計処理①
実務で最も使われる方法の場合で
年金資産がない場合
簡便法では、原則法と異なり、遅延認識の概念がない
未認識数理計算上の差異や未認識過去勤務差異は存在しない
未認識数理計算上の差異
期首で見積もった当期の費用と実際額との差額
一時金支払時処理
退職給付引当金/キャッシュ
給付費用計上
退職給付費用/退職給付引当金
5-7 簡便法の会計処理②
実務で最も使われる方法の場合で
年金制度採用なので責任準備金方式による計算
掛け金拠出時
退職給付引当金/キャッシュ
給付費用計上
退職給付費用 /退職給付引当金
5-8 算定方法の変更
原則法から簡便法への変更は困難
限定的な場合のみ可能
変更は過年度遡及修正の対象外
コラム
簡便法が簡便ではない
決算ぎりぎりにならないと数字が判明しない
年金資産の時価変動が決算に影響する
このため予算が立てにくい
特に企業年金制度に簡便法を採用している場合
簡便法が簡便にならない
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