典型契約における「せりあがり」その2(ゼロからマスターする要件事実)
典型契約における「せりあがり」その2(ゼロからマスターする要件事実)
月刊「税理」2017年2月号(ぎょうせい)より。
〇ゼロからマスターする要件事実
第14回 典型契約における「せりあがり」
岡口基一(東京高等裁判所判事)
続きです。
「せりあがり」理論で、請負での請求原因事実は、成立要件に限らない。
「先履行の関係」にあることから、仕事の完成を加える必要があると。
完成させないと、反対義務の履行を相手に請求できない。
まぁ、当然ですね。
ただ、であれば、ここで疑問が湧くでしょと。
なぜ、請負人による注文主への完成品引渡しは、加わらないのだと。
実は、完成引渡しは、先履行の関係にはないからなのですね。
報酬の支払との同時履行の関係なので、せりあがらないのだと。
著者は「先回りを……する必要がないのです」と言ってますね。
なるほど。
成立要件・効力要件と分けて、きれいにそれを順番にすれば良いだけでなく。
実務では、それを修正しなければならないのですね。
で、これは、委任・寄託の場合も同じ構造になるのだと。
続きます。
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