書く力 私たちはこうして文章を磨いた その7
書く力 私たちはこうして文章を磨いた その7
「書く力 私たちはこうして文章を磨いた」
池上彰・竹内政明
朝日新聞出版 2017年1月30日第1刷発行
朝日新書600
続きです。
...時には強引に「つなぐ」
文章と文章をつなぐブリッジを見つける②
....P50
竹内 (略)
けれども、この原稿で本当に書かなくてはいけないのは、点滴注射です。「雨だれ」と「点滴注射」は、当然まったくの別物ですよね。ですから、次に、この「雨だれ」と「点滴注射」の間にどうやって橋をかけようか、ということを考えました。
(略)
池上さんは、とにかく書き出しを決めて、書きながら結論が浮かんでくるのを待つ書き方をされているとおっしゃっていましたが、私の場合は、どちらかというと、とにかく「書き出し」と「締めくくり」を最初に決めてしまって、その間をどうつなごうかと、がちゃがちゃいじくり回しているとなんとなく原稿ができてしまうことが多いですね。
◆短い文章の中で、「なるほど」を作るには、流れが必要なのですね。
途中に転調を交えつつ、「そうか、ここに繋がるのか」と腑に落ちる文章。
書き手自身も、何か薄ら浮かびつつ、決め手のフレーズを探している。
まさに「推敲」の故事通り、あーでもない、こーでもないと。
そして、ようやくピタリはまる表現を手に入れる。
最後は、これしかない、になるわけです。
...池上式、文章構成力向上法
かっこいいブリッジのかけ方①
....P51
池上 (略)
実は1つ、おすすめの練習方法があるんです。(略)
まず、自分の家で取っている新聞のコラムの冒頭を読んでみてほしいんです。(略)冒頭を読んだときに、「あ、これはあおの事件についての話で、結論はこうかな」と先の展開を予想してみるんです。
冒頭だけを読んで先の展開を予想したあとは、コラムを最後まで読んでみる。もし、本当に先の展開を読み切ることができていたら、あなたの勝ちです。(略)
もちろん勝ち負けに深い意味はありません。(略)自分の文章技術を上げるためにやっているのですから、そこで技を吸収すればいい。そういうゲームを毎日こなすだけでも、文章構成能力は格段に向上すると思います。
◆しかし、先の展開を読み切らればかりする新聞コラムだったら、どうするのだろう。
意地悪な発想でしょうか、しかし、十分あり得ると思うのですけどね。
続きます。
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