「野村證券第2事業法人部」横尾宣政 その4
「野村證券第2事業法人部」横尾宣政 その4
「野村證券第2事業法人部」横尾宣政
講談社 2017年02月22日発売(2017年3月1日発行)
https://www.amazon.co.jp/dp/4062204622/
続きです。
オリンパス事件で、自分が脱税に絡んでいると税務調査を受けた。
その中での記載で、興味ある記述がありました。
△
私の自宅はGCIの社宅扱いで、室内も事務所として使えるような仕様に設計してあった。私は毎月100万円の家賃をGCIに払って住んでいた。新築した社長の自宅を社宅として登記するのは、中小企業ならどこでもやっている節税策だ。ところが調査官からは『なぜここが社宅なのか?住む所と、食べ物と、服は自分で買うのが常識だ』と問い詰められ、私は社宅をGCIから買い取らされる羽目になった。
▽
著者が言うように、この節税策を勧める税理士は極めて多いのですが。
で、何故現場で否認されないのだろうなと思っていました。
正直、私はやるべきではないと思っていたので、勧めたことはありませんが。
否認されないのなら、過度な自己抑制かもと思ったりしていたので。
そうだよな、やっぱり否認はあり得るよな、というので逆に安心しました。
著者には悪いですが、著者の常識がおかしかったのだと思います。
で、オリンパス事件では無罪だということで、現在最高裁上告中だと。
刑務官もそのように言ってくれたと最後に書いてあります。
私には、真実はわかりませんし、この方も魅力ある方なんだろうと思います。
それでも、やはり、この方には、価値判断の歪みが僅かに感じられます。
前半の若手時代に泣かせた顧客たちの死屍累々の怨嗟の声が。
巡り巡って、今に振りかぶったのだと言えば、運命論過ぎるかもしれません。
しかし、極論すれば、悪い人たちと付き合った結果、悪い人たちに騙された。
著者の主張は極論すれば、そういうことになるわけです。
なので、最高裁がどう出るかは分かりませんが、主張を鵜呑みにはできないかと。
私自身はそのように思って読みました。
でも、経済に携わる人であれば誰でも、必ず読むべき一冊です。
それだけは間違いないと思います。
なお、取材・構成は田中周紀氏の名前がありました。
税務関係の記述に酷い誤りがないのは、納得ですね。
| 固定リンク
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 「うるせえ乗せろ」医師の男が羽田空港でANA女性職員を殴ってケガさせた疑いで逮捕「殴っていません」容疑否認 警視庁_FNNプライムオンライン(2025.01.16)
- 「経営のプロ」コンサルの倒産が過去最多 顧客ニーズの高度化と求められる専門性、淘汰が加速_TSRデータインサイト(2025.01.12)
- 自民・高市氏 選択的夫婦別姓「最大数は通称使用を求める声だ」「親族間の争い、懸念」_産経新聞(2025.01.13)
- フリーランスで働きたい人にありがちなパターン(Notion公式アンバサダー円谷さんの体験談)(2025.01.07)
- 客に売春や風俗勤務要求、規制へ 悪質ホスト検討会が報告書―風営法改正案を来年提出・警察庁_時事通信(2024.12.21)
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 伊丹敬之先生は井尻教授と接点があった_企業会計(2024.11.30)
- 大昔にある税務雑誌の購読を止めた件(2024.10.07)
- 大量閉店「ヴィレヴァン」経営が犯した最大の失敗_東洋経済(2024.10.02)
- 地震を知って震災に備える(平田直)(2024.09.17)
- 私の実家が売れません!_高殿円(2024.09.03)
「税務」カテゴリの記事
- 扶養の範囲と年収の壁_週刊T&A master(2024.12.12)
- 国民案なら減税7.6兆円 「年収の壁」で政府試算_共同通信(2024.11.01)
- 大昔にある税務雑誌の購読を止めた件(2024.10.07)
- 市道として売却したのに市が所有権移転せず…男性に45年課税、訴え無視し差し押さえも_読売新聞(2024.07.11)
- 大企業や富裕層が税金対策に悪用する「ペーパーカンパニー」の所有者を見つけるコツをジャーナリストが解説_Gigazine(2024.04.19)
コメント