「野村證券第2事業法人部」横尾宣政 その3
「野村證券第2事業法人部」横尾宣政 その3
「野村證券第2事業法人部」横尾宣政
講談社 2017年02月22日発売(2017年3月1日発行)
https://www.amazon.co.jp/dp/4062204622/
続きです。
東京国税局は、海外に調査官を派遣して、スキーム全貌を解明していたと。
当時の調査第1部特官の鈴木一友氏の発言がすごい。
「……。それにしても、大したスキームを考えついたものだ。ノーベル賞ものだよ。」
「……。それにしても、これは今世紀最高の金融取引だ。こんな決算操作ができるものかと恐れ入った。この取引は寄付にも、贈与にも、損失補填にも当たらない。合法的で真っ当なものだ。それは認める。だがわれわれはロンドン、アムステルダム、ニューヨークに調査官を派遣して、大変な人手とカネをかけて3年間調査した。こんな調査は前代未聞だ。ここで『ああ、そうですか。分かりました』と引っ込むわけにはいかない。オレの立場も考えて、少なくとも200億円程度は税金を払ってもらいたい。会社の上層部には言えば分かるから、そこのところを君からもはっきり伝えてほしい」
で、鈴木特官が最後通告を行うのですね。
「それは百も承知だが、この前言ったことは覚えているな。税金を払わないつもりなら、新聞を使ってでも、どんな手を使ってでも課税してやる。会社の上層部にそう伝えておけ」
本気だと分かったので、副社長に伝えたが、本気にしなかったようです。
上は、国税OBを大量に押さえているので、問題ないと思っていたようですが。
ところが、その後、読売新聞報道を皮切りに。
第一次証券不祥事が起こって、幾つかの証券会社社長が辞任。
更に、昭和シェルの営業特金でのワラント売買も新聞報道され。
東京国税局は、スキームを損失補填による寄附行為と認定したと。
上記記事をどう扱うかはともかく、この生々しさを凄いですね。
この後、個性あふれる役員たちの紹介から、オリンパス事件への流れですが。
そこは、あまり興味ないので省きます。
ただ、そちらも当然ですがエグいです。
特に、公認会計士であれば、一読しておいた方がいいかなと思います。
でも、中で税務的な面で興味ある記載があったので、それだけ書いておきます。
続きます。
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