「野村證券第2事業法人部」横尾宣政 その1
「野村證券第2事業法人部」横尾宣政 その1
「野村證券第2事業法人部」横尾宣政
講談社 2017年02月22日発売(2017年3月1日発行)
https://www.amazon.co.jp/dp/4062204622/
必読の1冊です。
ただし、後半のオリンパス巨額粉飾決算事件関係はおまけとして読むべきですが。
かつて、日本経済にとって、証券会社が果たした役割がこれほどとは。
中小企業のみならず、上場企業がこれだけエグい行動をとっていたとは。
野村證券だけでなく、相手の会社側の人間も実名で書いてあるのですが。
過去の手口の暴露がものすごいです。
「ファミリーファンド」
「ロクイチ国債」
「仕切り商い」
「ドレッシング商い」
「事後報告だった営業特金」
「山一の破綻と利回り保証」
かつて半信半疑で聞いていた悪い噂ですが、いや、生ぬるかった。
これを読んでも、まだ証券会社とつきあえる人がいるのか聞いてみたい。
そんなレベルです。
ただ、著者は途中で商売のやり方を切替えていくのですね。
理科系出身だったせいもあるのかもしれません。
そして、それもあったのでしょうけど、仕組債の原型を考案して世に出した。
「天国地獄債」という悪い冗談のような名前だったようですが。
更に、複利計算を理解していたことで、債券中心の商売を行い。
ドル建てゼロクーポン債を売り込んだものの、「プラザ合意で死屍累々」。
その後のウォーターフロント相場などで、取り戻しに貢献するなどするものの。
これも、野村證券の仕掛けによるものだったのですね。
で、各社の株価操縦要求などもすさまじかったのですね。
日商岩井で元日銀総裁の速水優氏の名前も出てきたりします。
直接速水氏そのものが要求したわけではなくても。
実は、いわばオーナー系とでも言うべき流れだったのですね。
続きます。
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