収益の認識と引当金の設定-NOVA事件(会計・監査ジャーナル)
収益の認識と引当金の設定-NOVA事件(会計・監査ジャーナル)
会計・監査ジャーナル2017年4月号より。
〇会計処理の適切性をめぐる裁判例を見つめ直す
第4回 収益の認識と引当金の設定-NOVA事件
弥永真生(筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授)
大阪地裁平成24年6月7日
大阪高裁平成26年2月27日
最高裁平成27年3月26日
NOVAは、受講料の45%をシステム登録料として設定し。
残り55%をシステム利用料とした。
契約時には、システム登録料と入学金を売上計上する。
システム利用料は、繰延収益(負債)として、期間按分で収益化。
そして、当初、中途解約に応じない方針だったこともあり。
売上返戻引当金は設定せず、支払時に解約清算金を費用処理していた。
ただ、途中からは、中途解約に応じる方針に転換して。
清算金規定により、未受講分相当額の解約清算金払戻しするようになった。
この規定では、契約時単価を使わず、規定単価を使うことになっていた。
当初は、規定単価は契約単価より高額になっていたのですね。
ところが、訪問販売法の改正により、クーリングオフが可能になり。
元受講生が、契約時単価を使うように訴訟を起こしたのだと。
その流れの中で、NOVAの会計処理や如何と。
地裁は、粉飾とまでは言えないとの判断。
高裁も、これに追随するような判断だった。
最高裁は、会計処理の適否を争点としなかったので、決着したわけだが。
弥永先生は、原告「の主張が適切ではなかったのであろうが」と仰る。
ゲゲゲ。
更に、
「裁判所に一般に公正妥当と認められる企業会計の基準ないし慣行の内容を理解してもらうことのむずかしさを示しているように思われる」
これって、本音は。
かつてエモやんが言った「ベンチがあほやから野球でけへん」と同旨ですね。
裁判所がアホだと間接的に言っているように、聞こえます。
アホに分からせるのは苦労なんだと。
いや、そうだという弁護士さんも知ってますが。
私には、とても言えません。
で、弥永先生の、控訴審判決への批判として。
収益計上時期の話と中途解約清算方法の話との混同は、なるほどです。
まぁ、主張する側の説明も悪かったんでしょうね。
確かに。
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