開示不正 その実態と防止策
開示不正 その実態と防止策
開示不正 その実態と防止策
八田進二編著
白桃書房
2017年6月26日初版発行
八田教授はアカウンタビリティの解除という概念を持ち出す。
確かに、財務会計の基礎であり、監査の基本であるが。
しかし、これって、要は信託ということではないのか。
つまり、委託者が受託者を信じて託すところが、本来のスタート。
ところが、日本の場合、そもそも信じて託す委託者がいない。
あるいは、株主がそうだとの認識が非常に薄い。
監査契約締結時に、会社と監査法人とで契約締結しますが。
委託者兼受益者である株主が、まともに出てこない。
定型的な契約で、会社は値切ることしか考えていない。
少なくとも、株主の方向を会社が向いていない。
会社が、信じるに足る受託者でないという前提がある。
この信託契約が、うまくいく訳がないのだと思います。
まずは、信託の基礎である信任関係をお互いに意識させること。
そこから始めない限り、全ては無駄でしょう。
金融庁は、会社と監査法人との関係ばかりをいじって。
株主と会社との関係に踏み込む気は、恐らくないのですから。
いや、これに関しては、経産省に期待すべきかもしれません。
で、私自身は、八田教授の書いていることは、全く響きませんでした。
すみません。
実例として、開示不正の結果は、こんな酷いことになるよ。
そのような結果のひどさの紹介が、ある意味教訓なのかもしれません。
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