司法研修所民事裁判官室が説明する総合型規範的要件(ゼロからマスターする要件事実)
司法研修所民事裁判官室が説明する総合型規範的要件(ゼロからマスターする要件事実)
〇ゼロからマスターする要件事実
第21回 司法研修所民事裁判官室が説明する総合型規範的要件
岡口基一(東京高等裁判所判事)
総合型の規範的要件について、学者は説明を諦めた。
しかし、実務は実務で流れている。
司法研修所民事裁判官室は、どう対応しているのか。
一応の整理はして、実務と同じ結論を採用しているのだと。
その整理は、総合型の規範的要件の特殊性を捨象して。
構成要件に係る具体的事実で、事実要件の場合と同様だと。
著者によると、粗い整理なのでしょうけど。
で、その粗さについて、著者は2点の批判を行います。
1つは、総合型の規範的要件の特殊性が考慮されていないと。
多様型と異なり、総合型を同様に扱うのはおかしいだろうと。
事実要件は、あてはめだけが問題になるのに。
それと同じように考えて良いのか、疑問だと。
「係る」と「該当する」の違いを意図的に無視していると。
私には、ふーん、そうなのか程度の感想ですが。
もう1つは、総合型の規範的要件の評価根拠事実は。
主要事実であると、司法研修所民事裁判官室が説明していると。
しかし、主要事実なら弁論主義の制限が及ぶ筈。
主張されない事実が考慮できないのは、現実的ではない。
なので、主要事実でないとする方が合理的なのだが。
そのような整理がされていない。
司法研修所民事裁判官室は、主要事実と要件事実を同義としている。
だから、総合型でも、事実要件同様に、主要事実だと説明するのだと。
うーん、抽象的な話が続いて、議論の実益が見えない。
次々回以降に、上記の問題点を詳しく説明するそうですが。
先に、連載の全体像の章立てを示しておいてくれると。
読者も、現在の立ち位置がわかりやすいのですが。
それにしても、このあたり、何か税理士実務で役立つのか。
企画したであろう竹淵さんがいない今、答えは分からないですね。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 3月からファミマとローソン計1万店で雑誌販売終了 書店ない地域で〝難民〟発生か_産経新聞(2025.02.13)
- ページ切り取りやぬれた本、図書館であえて展示…増加しているのは付箋を貼ったままの返却_読売新聞(2025.02.07)
- 「失敗の本質」の野中郁次郎さん死去、89歳…一橋大名誉教授の経営学者_読売新聞(2025.01.27)
- 伊丹敬之先生は井尻教授と接点があった_企業会計(2024.11.30)
- 大昔にある税務雑誌の購読を止めた件(2024.10.07)
「税務」カテゴリの記事
- 私が脱税!? 父の教訓、身辺整理はしっかりと 相続税に苦戦 森永卓郎さんが残した言葉_産経新聞(2025.02.11)
- マンション修繕費4700万円を自分の口座に移動させ横領 元社員逮捕 総額9億円被害か_産経新聞(2025.01.30)
- 扶養の範囲と年収の壁_週刊T&A master(2024.12.12)
- 国民案なら減税7.6兆円 「年収の壁」で政府試算_共同通信(2024.11.01)
- 大昔にある税務雑誌の購読を止めた件(2024.10.07)
コメント