マイクロソフト伝説マネジャーの世界No1プレゼン術
マイクロソフト伝説マネジャーの世界No1プレゼン術
「マイクロソフト伝説マネジャーの世界No1プレゼン術」
澤円 ダイヤモンド社 平成29年8月23日第1刷発行
プレゼンには3つのゴールがあると。
ここで、プレゼンは手段であってゴールではないと。
そして、何か行動や決断をさせることがゴールだと。
当然のようだが、意識する必要があると。
著者が優れているのは、その先に踏み込んだこと。
つまり、真の意思決定者が、その先にいる場合どうするか。
これって、実務では多い、というか大半がそう。
なので、誰かに伝えたくなるプレゼンの核を作れと。
この伝播性に着目したのが、素晴らしい点だと思います。
どんなハッピーな未来が待っているかを想像させる。
ワクワクさせて、相手に誰かに伝えたい気持ちになって貰う。
そのためには、ビジョンを作ることから始める必要がある。
その際に、相手のプロファイリングを行うのだと。
誰が聞いてもではなく、その相手に最適化された話をする。
うん、納得できます。
そして、そのビジョンには、メッセージを込める。
他人事ではなく、自分のことと受け止めて貰えるように。
で、当然ですが、抽象的な言葉を語るのではなく。
具体的人物像を想定して、具体的な話で語るわけです。
そのためには、インタビューを行うこともあると。
それらは全て、核を作り、最適な言葉に落とし込むため。
プレゼンの結果、残るものがあること。
それがベストなプレゼンの特徴なのですね。
キング牧師の"I have a dream"みたいな。
ゴーンの「日産180」のような。
価値観・世界観を含んでいることが必要。
かつ、それが伝播性を持つ言葉であることが必要。
聴き手が主役になって、ハッピーになれる。
それを凝縮したメッセージを核として届ける。
この核を作るためのコツは、「あるあるを集めて否定する」。
有用性や意外性を持たせるためなのですね。
だから、地道なネタの収集が必要になる。
よくある問題点を集め、共通性を探し、深掘りしつつ否定していく。
なるほどです。
魔法のような結果をもたらしてくれるかもしれない。
しかし、それは地道な作業の延長線上にある。
あと感心したのは、プレゼンターには質問に答える義務がないとの話。
一見、「えー!?」ですが。
全てに答えることではなく、反応することが必要なのだと。
一緒に調べましょうでもいいし、後日回答しますでもよい。
こう言われたらどう反応するか、さえ知っておけば。
質疑応答は恐れる必要がないよねと。
一見、アウトプットの方法論だけを語った本のようですが。
アウトプットを踏まえたインプット及び講演準備の方法論を語った本と理解できます。
お勧めです。
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