BEPS 動き出した国際税務基準
BEPS 動き出した国際税務基準
「BEPS 動き出した国際税務基準」
望月一央
中央経済社 平成29年9月15日第1版第1刷発行
BEPS関係の本としては、意外ですが、基本的なことから書いてあります。
国際税務の基本的な考え方から入って、二重課税排除の説明へ。
そして、BEPS問題の本質は、国際的二重非課税なのだと。
恣意的な租税条約利用で、本来趣旨の二重課税排除目的を逸脱するのだと。
この国際的二重非課税というのは、比較的新しい概念であると。
そうですね、初めて見ました。
しかし、言われるとなるほどですね。
特に読むべきだと思ったのは、「中小企業にとってのBEPS問題とは?」 (P109~116)の箇所。
概してさらっとした記述ですが、個人的には必読という気がします。
行動計画10関係で、ベンチマーク分析が不要の場合が書いてあり。
経費のマークアップ率5%の流れができるかもしれないとか。
人的PEの話とか、ざっとでも知っておくべき話でしょうね。
で、この本は、全体的に、平易な言葉で書いてあります。
国際税務の基礎知識ゼロの人間でも、読み通せるような記述です。
恐らく、これまでのBEPS関係書籍は、「関係ないし読まない」ですが。
この本は、海外子会社などあれば、是非読んでおくべきでしょうね。
ということで、内容は、☆5レベル。
ただ、英語が頻繁に出てくるのに縦書きなので、☆4か。
その点だけ残念ですが。
でも、200ページで、ちゃんと読める内容の本にまとまっているのは凄いかも。
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