宅地だけ登記したい、山林はいらないので登記しなくていい(Wedge)
宅地だけ登記したい、山林はいらないので登記しなくていい(Wedge)
雑誌Wedge2017年9月号特集「捨てられる土地」より。
司法書士の北詰健太郎先生が、必読だと仰るので。
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まずは、実態調査のサマリー。
○九州より広い面積の土地が所有者不明
所有者不明だらけの日本国土
いらない土地の「行き場」がない
吉原祥子
著者は、地方自治体にアンケートを行い、その回答を得ているのですが。
1718市町村と東京都23区のうち888自治体の回答を得たと。
これは、近著でもう少し詳細が語られるようですね。
で、個人的には
△
しかし、司法書士の間からは、「農地・山林はもらっても負担になるばかりで、相続人間で押し付け合いの状況」、「最近、相談者から『宅地だけ登記したい、山林はいらないので登記しなくていい』と言われるケースが出てきた」といった声も聞かれる。
(前掲 P19)
▽
○捨てられた家も漂流
所有者不明土地が招く空き家問題
危険な家に翻弄される行政
Wedgeh編集部
空き家放置による倒壊問題に直面した自治体。
前橋市の空家法施行による直接対処の事例。
まず相続人調査とその権利確認に数ヶ月を要したと。
相続関係者は10人以上だった。
既に死亡あるいは相続放棄されていたので。
空家法による略式代執行を実施して、家屋を取り壊したと。
前橋市の負担した撤去費用は84万円。
うーん、空家法ができても、まだまだ話は簡単ではないのですね。
○"相続激増時代"はもう直前
登記義務化と利用制限
次世代のための制度改革を
Wedgeh編集部
なるほど。
所有者からの申告なければ自治体が使える制度をと。
確かに、所有にも、権利だけでなく義務の側面もありますね。
原文中にはないのですが、民法の規定でも責任が問われるわけで。
△
・民法 第717条(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)
土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
2 前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。
3 前2項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。
▽
○記録と記憶をつなぐ”森林探偵”
消えた山林を探せ!
境界線確定から始まる地域
田中淳夫
これが一番ショッキング。
なんと自分の所有している山林の確定ができないと。
境界画定がそんなに大変だと分かれば。
大抵の人は諦めてしまうでしょうね。
文中に出てくる「森の養子化事業」は面白いですね。
全国的に広まってくれないだろうか。
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