ヒトは「いじめ」をやめられない その2
ヒトは「いじめ」をやめられない その2
ヒトは「いじめ」をやめられない
中野信子(脳科学者)
小学館 2017年10月3日初版第1刷発行
続きです。
仲間意識を高めることが、どうしていじめのリスクに繋がるのか。
それは、裏切り者を糾弾するのが日本型の社会だから。
著者は、日本人の勤勉さは、江戸時代に作られたとの仮説を提示しています。
日本人にリスク回避型が多いのは、突出していると(P51-)。
環境適合で、裏切り者を排除して、フリーライダーをなくす。
それが農耕中心で平和な江戸時代の日本人の最適な生存戦略だったと。
そして、著者は、学校教育、中でも義務教育の意義を問い直す。
義務教育は、元々、国民皆兵制のために導入されたものではないかと(P150)。
均質な体力が学力、統率下で団結心が強い子供の養育とは。
全て、兵隊の卵を育てるためのものだったのではないかと。
個を殺し、上に同調し、仲間に同調する人を量産する教育。
それが、義務教育の本質ではないかと。
確かに、それがかつての高度成長経済発展の原動力になった。
しかし、今の「一人ひとりの個性を伸ばす」とは実は根本的に対立する。
要は、日本の教育に本質的な、いじめ助長の仕組みがあるという指摘。
そして、それは歴史的に醸成されてきたものだと喝破しているわけです。
うーん、これって、実に興味深いですね。
続きます。
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