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2017/12/25

訴訟当事者中心の理想的な民事訴訟はあっという間に終わった(ゼロからマスターする要件事実)

訴訟当事者中心の理想的な民事訴訟はあっという間に終わった(ゼロからマスターする要件事実)

 税理2018年1月号より。

○ゼロからマスターする要件事実 第25回
 新しい民事訴訟と要件事実
 岡口基一(東京高等裁判所判事)

 前回の話で、旧民事訴訟法時代の五月雨式審理が計画的審理へと転換して。
 裁判官中心の民事訴訟から、訴訟当事者中心の理想的な民事訴訟に移行した。

 私的自治の領域における紛争解決という話なのだから。
 国家権力が我が物顔で紛争解決を差配するというのは、おかしな話だった。

 改正後は、証拠調べ前に弁論準備手続期日が指定されて。
 この期日に、事件の争点が何かが、裁判官と当事者との共同作業で確定。

 その上で、争点についての双方の主張整理がされる。
 その後に、弁論期日に証拠調べがあり、直ちに終結するのが基本となった。

 弁論準備手続期日では、主張整理の際にブロックダイアグラムが構築され。
 請求原因・抗弁等の攻撃防御方法における要件事実が何か確定する。

 訴訟当事者は、いかなる事実を立証すべきか正確に認識した上で。
 立証活動に入ることができるようになったと。

 あれ、ということは、それまでは、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるだったのか。
 何が的かも分からずに、とにかく投げられるボールは全部投げろだったのかな。

 実際、以前は、尋問終了後に訴訟当事者による主張追加が行われて。
 更に訴訟が続くのも、日常茶飯事だったと。

 そりゃ、終わりませんね、訴訟って。

 で、要件事実の確定主体も変わったのだと。
 以前は裁判官の独断だったのが、当事者が入り、むしろ当事者中心になったと。

 このあたりは、並木茂教授の主張していた理想通りだと。
 多分、前回の並木元裁判官のことですね。

 ということで、流れが大きく変わったと。

 しかし、総合型の規範要件は、評価根拠事実とする事実について。
 裁判官と当事者とで認識は違うことがあり、これも事前確認ができるようになり。

 従前の問題点はかなり解消されたのだと。
 ということで、ここまでは良いことばかりなのですが。

 ここで、急に「実は、この状況は、長くは続きませんでした。」と。
 「国民にとって理想的な状況は、あっという間に終わってしまったのです。」

 最近なったばかりの弁護士は上記の理想的な状況の経験がないかもしれないと。

 あれ?なんじゃ、そりゃ。
 で、例によって次回でその理由が語られるそうなのですが。

 制度変更があまりにもドラスティック過ぎて、現場の揺り返し現象が起きたのか。
 それなら、世の中、よくある話なのですが、さて。

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