ヒトは「いじめ」をやめられない その3
ヒトは「いじめ」をやめられない その3
ヒトは「いじめ」をやめられない
中野信子(脳科学者)
小学館 2017年10月3日初版第1刷発行
で、ちょっと脱線で。
以下は、本書からは離れますが。
個を殺し、上に同調し、仲間に同調する人を量産する教育。
義務教育従事者たちの行動原理って、まさにこれですね。
義務教育が、実は戦争のための存在として合理化されている。
その出自を意識せずに、自分たちのスローガンだけを取り換えた。
だから、行動原理は、戦争中と全く変わらない。
異質を排除して、均質・団体行動ができることが最大の価値観。
この点は、社会の木鐸を自称する新聞社たちも同じです。
戦時中に「非国民」を批判した新聞社たち。
お国のためにやらなければ、「非国民」。
他人を糾弾することが、自分の正義の行使だと信じている。
戦後も、新聞社記者の悪意ある虚報と先導で、鈴木商店は焼き討ちにあう。
この新聞社こそ、鈴木商店をデマで批判した朝日新聞だった。
城山三郎さんのノンフィクション小説にもなっているようです。
しかし、スローガンを取り換えただけで、やはり行動原理は同じ。
かれらは、本書が喝破するように、快楽のために行動しただけ。
社会の木鐸として、なんて、とんでもない。
そして、今やっていることって、実は全く同じですよね。
自分たちと異質な人間を叩いて、非難する。
スローガンを換骨奪胎しただけで、異分子排除装置としての本質は同じ。
学校の先生、大学の教授、新聞社たちがやっていることは。
まさに自覚のない、戦前の日本の復活そのものなのでしょう。
怖いのは、自分たちには責任はないと思っているだけでなく。
自分たちの行動の意味を完全に誤解している点です。
自分たちが糾弾している内容は、そのまま自分たちに戻る。
ブーメランと揶揄されるのは、彼ら自身の得た快楽の代償でしょう。
続きます。
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