年をとるほど賢くなる「脳」の習慣 その3
年をとるほど賢くなる「脳」の習慣 その3
年をとるほど賢くなる「脳」の習慣
バーバラ・ストローチ
浅野義輝(訳)
池谷裕二(監修・解説)
日本実業出版社 2017年12月10日初版発行
続きです。
また、中年になると、名前のど忘れ以外に、注意散漫現象が起きる。
実は、エピソード記憶は、中年になると失われやすいのだと。
中年になると自分だけの内的世界に向かいやすくなる。
この際には、前頭領域でなく、脳の下のデフォルト領域部を使う。
デフォルト領域は、脳が白昼夢に使う部分。
声を出さずに独り言を言う、デフォルト・モードと呼ばれる部分だと。
中年になると、デフォルトモードのスイッチを切る能力が衰える。
関係ない物事を無視する能力が弱まるのだと。
年長者の脳は、集中力を維持するのにより苦労する。
関連する情報に集中できるが、注意をそらせる情報を無視できない。
前頭葉が注意散漫を防ぐという義務を履行できなくなる。
結果、邪魔な情報の干渉に圧倒されてしまうのだと。
これが、処理速度の遅延に影響している可能性もある。
ただ、個人差が大きくなるのも中年期。
年をとるのに成功した人とそれほどでもない人がいる。
老年でも脳が元気で、新品同様のままという人が確かにいると。
そして、無関係な情報が脳に入るのは悪いことばかりではなく。
それを脳に蓄積しているから正解に辿り着く面もある。
後で便利になると分かる乱雑な情報を取り込んでいる。
何が適切か明確と限らない混沌では、この状況把握能力が役立つ。
年長者が人と会うと、最初から、かなり多くの周辺情報があり。
その人を適切に評価するのに役立つことが多い。
話の相手があくびをしていたり、そわそわしていたり。
散漫になりつつも、本筋と別のところで生じることに気がつく。
これらは、自動操縦の乗り物に乗っているようなもので。
無意識に、周辺情報を収集している。
ということで、まだまだ続きますが、お勧めです。
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