ロースクールの要件事実教育は、羊頭狗肉(ゼロからマスターする要件事実)
ロースクールの要件事実教育は、羊頭狗肉(ゼロからマスターする要件事実)
○ゼロからマスターする要件事実
第29回 ロースクールにおける「要件事実」教育
岡口基一(東京高等裁判所判事)
この号の「税理」買うか悩みましたが、買いました。
あ、標題は、勝手に意訳しました。
で、ロースクールで教えている「要件事実」とは。
本来の要件事実とは似て非なる、紛い物だというお話。
いや、著者自身は直接そうは表現していませんが。
用語自体をカギ括弧で括って、区別していますし。
・「実務科目」の装いをするためです。
・「実務科目」の装いをするにはもってこいの訴訟類型であったのです。
・ロースクールが「要件事実」教育において実務の装いをした点を踏まえて……
・実務の装いをしたというだけで、あたかも全く新しい教育が始まったかのような印象を抱かせることに成功しました。
と、繰り返していることからも、はっきり表現に悪意が見えます。
それって、紛い物の似非商品だと言っているも同然でしょう。
いや、悪意を向けられて仕方ないという意見なのでしょうけど。
ただ、元々からやっている民訴の教授の反論は、聞いてみたいな。
さて、結局のところ著者が言いたいことは何かですが。
要するに、旧来の民事訴訟法の講義を少し装いを変えただけ。
これが要件事実教育だと言うのは、羊頭狗肉だ、というのでしょう。
その際、この詐欺のポイントは、用語を呼び換えしたことだと。
民訴では主要事実と呼んでいたものを、要件事実と言い換えたと。
ここで、呼び換えに理論的に問題ないのかと。
その点を検討したロースクールは、実はないようだと。
へー、そうなんですか。
でも、法曹会「増補民事訴訟における要件事実第1巻」P3では。
そういう説もあると、最高裁判例の用語参照で説明している。
平成10年の増補版第5刷しか持っていないので。
ロースクールで講座創設した時期との関係が不明ですが。
前掲書見ると、元からなかったわけじゃない語法のようなので。
そこを言わないのって、フェアじゃない気がする。
正直、なんか一方的な断罪って感じがするのですが。
それって、私が素人だからなのかなぁ……。
次回で、要件事実にカギ括弧がつくかつかないか。
2つの要件事実の違いを解説するそうです。
なんか、回り道せずに、ストレートには語れないことがある。
そういうことなのでしょうか。
読んでいてモヤモヤするのは、私だけなのかしら。
最後には、爽快感あるミステリー読んだ後になるのかな。
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