「続・制度趣旨から理解する組織再編税制」を読む その1 社会科学における理念型とは
「続・制度趣旨から理解する組織再編税制」を読む その1 社会科学における理念型とは
税務弘報2018年6月号より。
○OPINION
続・制度趣旨から理解する組織再編税制
佐藤信祐(公認会計士)
すごいですね。
関根・白井説に対する批判一色の稿です。
著者は、最近、文献狩猟による稿が目立ちますが。
制度趣旨を説明していると主張しているので。
立法趣旨を説明するとしている、関根・白井説は許せない。
そういう立場なのでしょうか。
で、社会科学では、イディアルテュプスという考え方があります。
いわゆる理念型と言われるものですけれど。
理念型をモデルとして考えることで、現実を分析する手法です。
有名なのは、ミクロ経済学における完全競争理論ですが。
ときたま、完全競争理論は荒唐無稽な仮定だから無意味だ。
そんな主張をする人がいますが、学問の欠片も知らない人です。
理念型を考えて、現実との過不足関係を考えることで。
現実を分析しようとするだけのことで、いわばお約束です。
私の理解では、関根・白井説の本来の立法趣旨という言葉は。
まさに、この理念型での分析を目指したということでしょう。
むしろ、制度趣旨という言葉を使う以上は、何故が必要です。
その制度がなかりせば、どのような弊害があるのか。
税制の存在意義を示すのが、制度趣旨です。
佐藤氏の稿には、歴史はあっても、制度趣旨は書いてない。
私には、そう思えるのですけど。
どこかに書いてあるのだろうかと、前から疑問です。
ところで、実は、私の主張は、関根・白井説と少し違います。
なので、私には関根・白井説で佐藤氏批判はできません。
以下、その前提で、佐藤氏の稿への疑問を並べてみます。
いや、論理が追えない箇所が多い気がするのですよね。
続きます。
参考)
「理念型」(イディアルテュプス)については、
社会科学と社会政策にかかわる認識の「客観性」
マックス ヴェーバー
こちらが原典になるようだ。
私は、昔、下記で学んだ記憶しかありませんが。
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